加藤俊徳『一生頭がよくなり続ける　すごい脳の使い方』を読みました。

少し前に本屋さんに行ったとき、気になって手に取ったもののだいぶあたためてしまった。

大人の脳は、「わくわく！」「なるほど！」「伝えたい！」がキーワード。

そもそも、大人の脳と子供の脳って何が違う？

最近、物覚えが悪くて…
もう年だから、忘れっぽくなって…
よく聞くせりふだ。

私は30代前半だけれど、学生時代と比べやっぱり頭に知識が入らないと感じることがあった。

ちなみに、学生時代は勉強していたつもりだったけど私は成績が悪かった。高2のとき、初めてテストで0点取って、同じテストの追試6回受けたくらい、落ちこぼれた。流石にその後は勉強した。6回受けたくせに満点は取れなかった記憶がある。追試に付き合ってくれた先生に申し訳ない。

まぁ私が勉強できなかった話はさておき、おとなになってさあ勉強しようとしたときに、加齢によって勉強できないという話。私もそう思うときがある。仕事で接点がある人の大半が年上の人なので、周囲から聞こえるときもある。

でもね、違うんだ。
大人と子供では、脳の仕組みが違う。

この先生はそう説明している。
そもそも、日本の学校教育自体は、「記憶」に頼った試験がメインなので、
いかに記憶したかが評価され、成績の良し悪しが決まる傾向がある。
子どもの脳はある意味素直なので、聞いた言葉をそのまま丸暗記したり、1回授業で習ったらすっと覚えられたりする。
子供は耳から聞いた情報を記憶する能力が高いから、それでもいい。
だけど、例えば大人が、全然知らない言葉に出会って、疑問も感じずすんなり覚えるということはあまりない。大人は、耳から聞いてそのまま記憶するという能力は子供の頃に比べて衰えているかもしれないが、違う方法で記憶する能力が上がっているのだそう。
本の前半では、イラストも交えつつ脳の機能について説明されている。
じゃあ、どうやって脳を使ったらいいの？というのが本書の主題。

大人の脳に大切なこと①　わくわく！

学生時代多くの人にとって勉強は義務でやっている人が多かったと思うが、今世界史の授業を聞いたら、大学で退屈だった哲学の授業を聞いたら、きっと面白いと思う。そういう気持ちが芽生えている時点で、「大人脳」に進化を遂げているのだそうだ。

そもそも記憶は、短期記憶と長期記憶があって、すべてをしっかり覚えてたら脳はあっという間に容量オーバーしてしまう。なので、記憶すべきか仕分けして、いらないことは忘れていくのが普通。英単語なんて1回覚えても、使わないし、生きていくのに日本では必要ないから、すぐ忘れちゃう。

だけど、脳は、感情が動くと、「この情報は必要だ」と「だまされる」んだそう。例えば、3週間前の木曜日に食べたランチは覚えてないけど、結婚記念日でディナーに行ったときのことは1年前でも覚えている。感情が動くと、その体験は「エピソード」となり、長期記憶に仕分けされる。

勉強に置き換えて、感情を動かすコツとして、「あ！この言葉、聞いたことある」「そういえば、あのとき〇〇さんが同じこと言ってたな」と紐づけることが大人の記憶には重要。人は、「あ、知ってる！」ということに対して好意的に思って情報を取得する。人が山ほどいる雑踏でも、知り合いがいたら気付けるのと似てる。

だから、わくわく！とするための一つとして、「なんか聞いたことあるな！」という接点を多く持つこと。そのために、勉強する前に薄いテキストをぱらぱらめくり、なんか知ってるというワードを見つけたり、気になるところの前後だけ読んだり、くり返し出てくるキーワードっぽい言葉を調べておくなどはとても効果的。

大人の脳に大切なこと②　なるほど！

大人は丸暗記が苦手なので、「理解する」ことで記憶が定着する。キーワードは、「なるほど！」「そういうことだったんだ！」だと思った。
これは子供でも言えるかもしれないが。
脳の活性化は、脳細胞の数ではなく、8つある脳の機能をつなぐ経路をどれだけ太くし同時に動かすか、だということだそう。
中でも思考系、理解系、記憶系を同時に動かすことがポイントなので、記憶系だけを動かそうとしてもだめ。そのためには、次の「伝えたい！」にも絡んでくるが、アウトプットを意識したインプットが重要。

大人の脳に大切なこと③　伝えたい！

誰かに伝えたい、という思いが、アウトプットの質を向上させる。アウトプットの質が向上すると、インプットの質も上がる。
まずは、「①今日勉強したことを誰かに話すならなんと話すか」「②ポイントを3つにまとめるなら何が重要か」この2点を探す！と決めてから読む。
今回の私なら、最初からnoteに何を書こうかなーと思いながら読み、【大人の脳はワクワク／なるほど／伝えたい】が肝だなと思った。noteを書き始める前に読書ノートに大事そうなことを書き出し、あぁこういう内容だったな、ここは伝えるのに重要だなとか振り返ってからnoteに書いた。

脳は、アウトプットのために思い起こすことでより強く記憶されるそう。脳って案外単純だな！と思ったのは、「アウトプットしなきゃならないぞ！」って発破をかけると情報を探すし、定着しやすくなる。実際アウトプットする前に振り返ることで定着。アウトプットしてこれなんだっけ？と思うとまた振り返る。逆に、そういう刺激がないと脳は大事な情報とみなさないのでスルーしてしまう。なんか、人間らしい(ってなんかへんだけど。人間の臓器なのに。)ところがちょっと可愛い。笑

社会人になって早10年ほど経つけれど、
おとなになってから「この資格をいつまでに取るように」とか「この資格取ったら奨励金！」とか(笑)結構そういうシチュエーションがあった。
そのたびに思うのが、「私ってなんでこんなに物覚えが悪いんだろう…」「繰り返しやらないと頭に入らない。覚えられないとイライラする。きっと勉強に向いてないんだろうな。頭悪いんだろうな」とくら〜い気持ちで取り組んできた。世の中にはこういう資格試験が得意な人が結構いて、「テキスト丸暗記したよ〜」とか「とにかく過去問さえやればいいよ〜」と言ってサラッと合格している(ように見える)のを羨ましく、時には恨めしく思っていた。

そうじゃなかった。

ほんの少し、やり方を変えてみたら、考え方を変えてみたら、もしかしたら私にもできるかもしれない！と思った。そんな本だった。

今やりたいのは、TOEIC受験と、CFPの受験。
そのときこの本の内容が役に立ちそうだ。