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記事一覧
人生に乾杯 20(医師への評価と、「悪人」へのススメ)
自分がこんなことになり、とにかく家族に申し訳ないと思っている。その家族には感謝で一杯。これまでブログで書いてきた通りだ。
一方、幼少期からの病院通いの経験(脳腫瘍やがんに限らず)を顧みて、一部の医療従事者にどうしても敬意を払えない理由に思いを巡らせる。彼らは一様に偉そうだったり、タメ口だったり、こちらが尋ねても知識未消化だったり、言い始めるときりがない。今でこそ2人の主治医がとてもいい人たちなの
人生に乾杯 19(季節の移り変わり)
7月半ばに成田病院に入った時、関東圏はまだ雨が降っていた。病室のベッドに寝転び、夜のニュースを見ては「明日はまた北総は雨か」とか「少し晴れそう」などと思いながら、翌朝を迎えていた。その間、妻とっこと家族は目黒時代からの、またシンガポールから日本に帰還した友達のサポートをもらいながら、今の都内自宅に引越しの準備を整えていた。帰国直後、僕が1人アジトでそれまでの数年借りていた港区の小さなマンションに、
もっとみる人生に乾杯 18 (新型コロナの社会的文脈)
新型コロナ(Covid-19)が第3派を迎えている。免疫が落ちている自分としては、遠出は気が気でないし、密になるのも嫌だ。そんな話を先日も山井大輔(医師で予備校時代からの友人)と電話でしてたら、人がすべからくかかる疾病について「社会的文脈」という言葉を教えてくれた。僕は脳腫瘍(膠芽腫)と肺に大腸がん転移の腫瘍が複数あるので、要はこの病気と新型コロナの個人的関わりについて、ということにる。少し長くな
もっとみる人生に乾杯 17(保育士さん)
井上さく子先生は、うちの2人の子どもたちが通った保育園の園長先生だった。大層朗らか、純朴、なおかつ「滅私」の人で、保育士稼業を「卒業」後も、全国各地に呼ばれては講演や指導をしている。本人は「ワタシ、回遊魚なのよ」と仰る。さく子先生のお陰で我が子2人の今がある。
当時住んでいたマンション6階の窓から、我が子を投げれば3メートル先にある反対側の窓から先生方が手を出して受け取ってくれそうなところに、保
人生に乾杯 16(医療費に関すること 2)
以前、医療費に関することをこのブログで紹介した。本号はその続きになる。
シンガポールに移住した2012年当時、外国人である我々家族は外国資本のプライベートの保険に入る他、選択肢がなかった。2015年を過ぎるころからNTUC(National Trade Union Congress)というシンガポール地場の半官半民会社が加入制限を永住権(PR)保持者から就労ビザ(EP)保持者にまで対象を拡げた。
人生に乾杯 15(「腫瘍持ち」の多さ)
周りに癌(悪性腫瘍)患者が多いことに気づいたのは、自分が罹患してから。「これほど多いとは思わなかった」というのが正直な感想だ。癌、悪性、患者、どれも自分で好んで使う感じではないが、本回では避けえないので、読者には漢字使用の頻度が少し多くなることをお許し願いたい。
まずは実母。昭和15年(1940年)生まれの現在80歳。4年ほど前に胃がんになり、築地のがん研で全摘した。当時は実父が介護付き老人ホー
人生に乾杯 14(病気、自己責任、そして愛)
成田病院での日記に戻る。
8月31日(月)の欄に「病気になったのは自分のせいか」という言葉がある。「それとも、病気になったのは病気のせいで自分は悪くないのか」と続く。その後を少し長いが引用する。
「今日(註、8月31日)、高橋幸宏(さん、元Yellow Magic Orchestraメンバー)が8月初旬に脳腫瘍と診断され、術後も後遺症のないことがニュースになっていた。当人は『ご迷惑をおかけし…
人生に乾杯 12(医療業界のタメ口)
先日、医師と思われる方の書き込みをTwitterに見つけた。「患者さんにタメ口をきいてはいけない」とある。筆者はその意図をこう説明する。「患者さんが何歳でもどんな性別、背景でもだ。唯一許されるのは、長い長い時間をかけ信頼関係が出来た患者さんに、親しみを込めて使うときだけ。なぜあなたは指導医の私には敬語を使い、患者さんにはタメ語なのか。それを考えよ」。僕は、Twitterは看護師向けの言葉だと想像し
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