【好きになる人はいつも海の向こう〜Episode 5〜】
一目惚れした彼に会いにフランスへ。ひょんなことから会って2回目は、まさかのイタリア旅行へ発展。そこでは、数々のハプニングが私を待ち構えていた。
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イタリアはローマに着いて、ホテルも何も取っていない私たちは何軒かホテルを周り、値段交渉をしてお宿を決めた。
近くのパスタ屋でさっとご飯を済ませ、泥のように眠った。
翌朝は、爽やかな気持ち!
大好きな人と、イタリアにいる!アモーレ!!
スッキリと晴れ渡った空と、どこか関西臭のするフレンドリー感。フランスはどちらかというと塩対応が多かったため、私にとってはすごく居心地の良さを感じた。
すごい堅物そうに見えるホテルマンも、ガンガンジョークを飛ばしてくる。
今日は、バチカンとローマ観光!
数少ない写真で振り返るしかないけど、正直、
「どこへ行った、何をした」
とかより、重要なのは、
「誰といたか」
ってこと。月並みな表現だけど、それに尽きる。
やたらダビデ像の下半身にフォーカスしたマグネットが売られてたことに毎回笑ったな、とか、笑うとき、鼻を触るんだ、とか、危ない道では守ってくれるんだ、とか。そんなこと。
だんだん一緒にいる時間は短くなるけど、
私たちはずっとずっと話してて、ずっとずっと笑ってたな。
留学してる人、遠距離恋愛してる人、好きな人がいる人、好きな人が海の向こうにいる人は、きっとこういう何でもない、「当たり前」が何よりも尊いってことに共感してくれるだろうな。
ローマでひとしきり練り歩いて、明日はいよいよフィレンツェへ向かう。
フィレンツェ旅行が終われば、私たちもまたバイバイ。
このデートを全力で楽しもう。人生は短いんだから。
列車に乗って、いよいよフィレンツェへ到着。
ワクワクドキドキ。
映画で見た風景が目の前に広がっている。
ちょうど、なぜかフィレンツェで「日本アニメ祭」なるものが開催されていて、フィレンツェの街にはちょっと異色な人工色コスチュームを身にまとった人々がいた。
ここにもアニメが浸透しているなんてなんか嬉しい。
ここでセーラーマーズに出会えると思ってなかった。
私たちは、フィレンツェの街を一望すべく丘に登ってピクニックをすることにした。
突然の告白だが、私は無類の苔好きだ。道中には素敵な景色が広がるのにも関わらず、苔とのツーショットを瑛太に強要。
フィレンツェの苔は芳醇で上質だった。
丘を登ると、最高の景色が広がっていた。
寄り添う恋人たち、友達同士でワインとチーズを嗜む人、子供を肩車する人、ビール片手のおちゃんたち、
各々がそこで人生を彩っていた。
私たちは、夕日が落ちるまでそこにいて、ただ、ずっと空を眺めていた。
刻一刻とせまる別れの時間を、私たちは絹を織るように丁寧に、大切に過ごしていた。
本当に、この人を好きになってよかった。
自分の直感に従ってよかった。
会って2回目でイタリア旅行なんて今考えたらおったまげだけど、行動してよかった。
どんなハプニングも全て好転してこの夕日が私たちを包み込んでくれた。
明日はとうとう、別れの日。
今はただ、この夕日を心に焼き付けよう。
To be continued...
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