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父が知らず知らずのうちに、成長していたスポ根ムービー。

ダンガル きっと、つよくなる

やっとここまできたー。でもレビューまた20本近くためてしまって。上半期で、こんなにレビューためてることもないかも。

ダンガルって何?って感じだと思います。登場人物の名前じゃございません。ヒンズー語(でいいのかな?)で「レスリング」とか他にも色んな意味を持つんだそうです。途中、リズミカルに「ダンガル♪ダンガル♪」と聞こえる音楽があるから、ノリノリで聴いてほしい。

実話をもとに2人の娘をレスリングの世界で成功させるべく奮闘する父親を描き、本国インドのほか世界各国で大ヒットを記録した人間ドラマ。レスリングを愛する男マハヴィル。生活のため選手の道を諦めた彼は、いつか自分の息子を金メダリストにすることを夢見ながら道場で若手の指導に励む日々を送っていた。しかし生まれたのは4人連続で女の子。意気消沈した男は道場からも遠ざかってしまうが、ある日ケンカで男の子を打ち負かした長女ギータと次女バビータの格闘センスに希望を見出し、コーチとして2人を鍛えはじめる。町中の笑いものになっても意に介さず突き進もうとする父と、そんな父にささやかな抵抗を続ける娘たちだったが……。主演は「きっと、うまくいく」のアーミル・カーン。(映画.comのあらすじに登場人物名を追記)

よく出来た実話ベースの物語だなぁと思う。笑えるし、泣けるし、感動する。歌って踊ってのインド映画とは言うけれど、ダンスというよりは音楽をBGMとして、楽しむ感じ。

個人的にオススメの歌曲は父の特訓が厳しくて嘆く娘たちの歌です。ツラそうな声色なのに、特訓映像がコミカルすぎて、見ている方は苦笑せざるを得ない。

それにしても、父マハヴィル役のアーミル・カーンの存在感がすごすぎ。今ではあまり流行らない、スポ根オヤジなんだけど、彼には彼の信念があって、娘たちは嫌々ながらも、父に従い、強くなっていく。

もちろん彼女たちが心身共に強くなる成長物語ではあるんだけど、実は父マハヴィルも気づかないうちに成長してると思うんだよね。だってレスリングをやらせるのは男だ…!と思い込んで、4人連続娘が生まれて意気消沈してるとこまでは、昔気質のフツーの父親だと思うんです。

でも娘に素質があると気づいてからは、男女の差無く、娘に接し、鍛えていくでしょう?娘たちの可能性をひたすら信じている。

ギータかバビータ、どっちの友達が言ったか忘れたけど、「女は大きくなったら即結婚って父親に言われて、自分の道も選べずに私は結婚させられる。だから貴女が羨ましい」と。

レスリングというレールは敷かれていたにしても、女性は結婚以外の道って難しいインド社会の中で、そういう道を歩ませる父マハヴィルは、知らず知らずのうちに、親として大きく成長していたんではないかな。当の本人は意識せずとも、それは娘たちをただひたすら信じていたから。そんな大きな愛も感じられる物語だと思います。

後半の面白さは、国際大会でメダルを獲るべくスポーツアカデミーへ入学してからの長女ギータの葛藤です。父から教わったやり方とコーチの指導の相違に自分を見失います。それでも父の執念はスゴイ!

もはやコーチが国や選手のことなど考えずに「悪役」に徹してるのがさすがインド映画! 笑えるほど自分のことしか考えていない。インド映画にはやっぱり悪役がいてこその面白味があるなぁとも思いました。

長々と書きましたが、実際に見てこそわかるこの作品の良さがたくさんあります。是非ご覧ください。

2018年36本目。TOHOシネマズ西宮OSにて。

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