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Netflix『バード・ボックス』“○○したら終わり”Ver.のサバイバル、視覚編 配信中

原題:BIRD BOX  ★★★★☆4.5

『スピード』で大ブレイクしたサンドラ・ブロックが、約四半世紀たった今、たったひとりで2人の子どもを抱え、目隠し状態で川も下る! 森を駆ける! ただ、生き抜くために! 

「いい、これから言うことは死なないために大事なことなんだからね、絶対守るって言いなさいっ」

語弊があるかもしれませんが、終始そんな調子のお母さんなのです。


『未来を生きる僕たちへ』『セリーナ 炎の女』「ナイト・マネジャー」などのスサンネ・ビアが、ジョシュ・マラーマンの同名小説を映画。

脚色を手がけたのは、あの『メッセージ』で米脚本家組合(WGA)賞で脚色賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされたエリック・ハイセラー。『メッセージ』は近年のSF作品の中で最も好きな作品のひとつです。原作短編「あなたの人生の物語」をよくあそこまで分かりやすく膨らませ、母と子の物語にしてくれた! と敬意を抱いております。

ハリウッドで実写映画化される『君の名は。』を担当することでも知られており、同じくNetflixの『エクスティンクション 地球奪還』(マイケル・ペーニャ主演)などの脚本を手がけています。


これまで、“音を立てたら終わり”→『クワイエット・プレイス』や『ドント・ブリーズ』などの系譜とはひと味違って、

本作の場合は、“見てはいけない”。視覚が制限されます。

何ものかは正体不明なのですが、それを目にした人類は自害行為を止められなくなるのです。

そんな終末世界で、思いがけず妊娠したアーティストのマロリー(サンドラ・ブロック)。母親になることに消極的で、性別さえも知りたくない、陣痛が始まりそうなのに認めたくありません。

何とか無事に生まれても名前さえもつけていません。

そんな彼女がやがて孤立無援となり、5歳になる子ども2人を抱えて、決死の行動に出ることに。

「すべての選択は子どもたちのため」そう強く断言する、マロリー役サンドラは、これまであまり描かれてこなかった母親像を演じ切っています(しかもバッチリなメイクで)。


本作の彼女ほどではないにしても、自分の過失のせいで子どもたちが傷つく、あるいは命に危険が及ぶかもしれないという状況になった場合、確かに悠長なことは言っていられません。

彼女が必死なのは、小さないのちを守りたいから、ただただそれだけなのです。

交互に描かれていく混乱が始まった妊娠中の過去と、現在となるその5年後。その変化に注目してほしいと思います。


目隠しをして激流を下るシーンは、思わず声を上げてしまったほど。撮影は過酷だったらしく、サンドラは実際に目隠しをしてカメラやそこら中にぶつかっていたようで、子役たちにも「お芝居だからね」「これから強くつかんだり、強い言葉でどなったりするからね」と言い聞かせていたそうな。












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