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読書感想文『メンタル脳』 「期待しない」が幸せを作る理由

この記事でわかること

・本の内容と為になるポイント
・精神的ストレスの減らし方と幸せを感じるための具体的方法


「誰かストレスを感じなくなる方法を教えてくれ!」

そう叫びたくなる日が結構ある。だがその方法は残念ながら無いらしい。
ただストレスを減らす方法と、幸せを感じるための具体的アプローチは嬉しいことにあるようだ。しかも科学的なお墨付きまでついてるらしい!
そんなうまい話あるの?と思ってしまうが、今日はそんなうまい話をやさしく解説した本をご紹介。


本の要約/為になったところ

タイトル:『メンタル脳』
著者:アンデシュ・ハンセン(ベストセラー『スマホ脳』で有名)

本の要約

・不安や恐怖などの感情・精神的ストレスは、脳が自分の身体を守るために作り出す生きる上で必要不可欠なもの。なので抑え込むのではなく、それを知った上で上手に付き合うのが大事。
・身体の強さ(運動や免疫機能)は心も強くし、運動はストレスを低減させる。やらなきゃ損。
幸せは求めるほど遠のく。過度な期待はせず、友人を大事にして意義を感じることに集中しよう。

為になったところ

ストレスの原因と対処法にとどまらず、「幸せを感じるための方法」まで論理的にわかりやすく説明している点


本の解説と考察

精神的ストレスへの処方箋となる本

著者はベストセラー『スマホ脳』で有名なスウェーデンの医師、アンデシュ・ハンセンさん。
スウェーデンをはじめ近年若年層の精神問題が大きくピックアップされているが、この本はその処方箋として脳科学の知見をもとにストレスとの付き合い方を中高生に向けやさしい言葉で書かれており非常に読みやすい。
スウェーデンでは国中の中学・高校に配布され20万人の学生が手にしている教科書のような存在だ。
最近では米国でSNSが原因で子どもを亡くした親たちがSNS各社を訴えた。ネット上の誹謗中傷に起因する事件はもはや日常化している。
日本でも近い将来、この本が教科書になる日が来るかもしれない。

科学的なストレス対処法とは?

著者は精神的ストレスを科学的知見から以下①〜⑤のように捉えている。

①人類はその歴史のほとんどの時間を「生きるか死ぬか」の厳しい環境で過ごした。そのため、脳は「生き残ることを最優先にする」ように進化した。

②精神的ストレス(不安や恐怖)は、生き残るために脳が生み出す本能的な機能。
脳が環境に対して「何かがおかしい」と感じた場合、少々の違和感や危険に対しても過度にアラートを鳴らす(例えるなら感度のよい火災警報器のようなもの)。その方が生き残る確率が高まるからだ。脳が発するそのアラートを、人は「不安」や「恐怖」などの精神的ストレスとして感じる。
ただ、その仕組みがわかったからといってストレスを感じなくすることはできないし(脳のアラート機能は強力)、抑え込むべきでもない。

③精神的ストレスに対してどれだけ強いか弱いかは遺伝子に左右される。
だが「運動」をすれば、誰でもストレスを軽減させることが科学的に証明されている。

④人は他者と話す、肌が触れ合う、一緒に笑うことでストレスが大きく低減する。なぜか。
それは私たちの祖先は群れで生きてきたから。
一方で孤立(※)は大きなストレスを生む。なぜか。
それは「もしもの時、誰も助けてくれない」という状況が意識を常に「戦うか逃げるか」の状態にするため。
(※本では「孤独」という単語が使われているが、私の認識として「孤独=自ら望んで1人になる」、「孤立=周囲に適応できず1人になってしまう」と使い分けているので、ここでは孤立という単語を用いた)

⑤人は何かをする際、意識せずに結果を予測している。その予測に対し結果が良ければ「幸せ」を感じる。また信頼できる他者との関わりや、自分の行動や人生に対して意義を感じることでも充実感を得られる。
よって幸せに生きるためには以下3点が重要となる。
・過度に期待しない(幸せを追い求めない)
・他者と関わる
・自分にとっても他者にとっても意味のあると感じることをする


une_penの考察

この本のエッセンスを1枚にまとめてみた。


これを書いてみて思った2つ。
①確かに「幸せ」を感じるのって「期待」が低かった時だ!
例えば、
予告編が微妙だったのに映画が面白かった時(その逆は確かに心底萎える)。
絶対落ちたと思った試験に受かった時。
ダイエットのカロリー制限が終わった後、マクドのポテト食べた時。
きっといないと思ってたのに、空一面に黄色いハンカチが舞ってた時。。。。以下略


②人生の意義や意味ってなんだ?
この「意味」とか「意義」って、人生になくてはならないものなのだろうか。
漫画『ひらやすみ』では主人公が無目的に映画を作る様子を詰問されて「意味がある必要ある?」と言ってたが、私も同感だ。
というより、目の前のことが「楽しい」のか「意味を感じる」のか。それを自分の中でどう整理して、どう解釈しているかが大事な気がする。
図にするとこんな感じ。
何をする時でもBゾーンにいたいけど、なかなかそうもいかない。
CをAやDに。DをBにするにはどうすればいいか。それも今後考えてみたい。


まとめ

とはいえ人生から期待を捨ててしまっては、ワクワクやウキウキなどの大事な感情も無くしてつまらない人間、つまらない人生になってしまう気もするので、ほどよく期待してあとは「集中」を大事にしたいと思う。
「人事を尽くして、天命を待つ」ってこういうことなのかもしれない。



以上、une_penの読書感想文でした!
それでは次回の投稿でお会いしましょう。

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