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2023関東大学ラグビー春季大会Bグループ:慶應対立正を簡単な数字で見てみた

皆さんこんばんは
スタッツシートを再度作り直した結果これまでの倍近く分析に時間がかかった今本です
データを細かく取りすぎた…

今日は4/30に行われた慶應義塾大学対立正大学のレビューをしていきましょう

まずはメンバー表から

今回は選手の名前を調べるのに花園の記録を引っ張り出しました
ベースボール・マガジン社さん、ありがとうございます

それではスタッツにいきましょう

えー、この画面では項目に変更はないです
記録用紙は毎回更新しているのですが、ここには出てこないわけですね

今回のキーポイントになったのは

  • ハイパントキャッチの精度

  • アタックのバリエーション

というふうに考えています
それでは順番にレビューしていきましょう

慶應のアタック・ディフェンス

慶應のアタックシステム

基本的には1−3−3−1のシステムで動いているのかなとは思います
15mライン上あたりでラックが形成され、さらにタッチライン間際までアタックを続ける時は狭いサイドにFW3枚で三角形のポッドを作っている様子が散見されました

ただ、敵陣の22mラインを越えたくらいからゴール前にかけては少し様相が変わり、CTBを交えたポッドを形成していわゆる9シェイプと呼ばれるような位置にCTBを含むポッドが形成されることが多くなります
特に12番の三木選手が1stレシーバーになる機会が増え、ステップを交えながら相手ディフェンスを翻弄していました

慶應のキャリー

キャリーの種類としては基本に忠実で9シェイプを当てることが多く(ゴール前でCTBが入る場合も含む)、78回の全キャリーのうち28回が9シェイプという結果でした
エッジ(15mライン~タッチライン間と定義)でラックを作った回数は少なく、試合を通じて3回のみです
大外のWTBの両選手は良いランナーではあるのですが、どちらかというと中央エリアでのキャリーを好む傾向にあるのかもしれません
とはいえ、今回のような集計方法を取り始めたのは初なので、これから他の試合を見ていくとまた違うかもしれません

慶應のパス

キャリー・パス比は約2:3と一般的な数値です
117回生まれたパスの内最も多いのがラックから9シェイプへのパスで、合計で32回でした
9シェイプのキャリー数とも近似値を取っていることから、9シェイプから後ろのBKへパスを供給するようなスイベルパスは4回と少ない回数となりました
つまり、9シェイプにパスをした時はほとんど1stレシーバーがキャリーをしているこいうことですね
実際にポッド内のパスは0回だったので、今のところは9シェイプに関してはディフェンスがしやすいかもしれません

慶應のキック

今回の試合で最も特徴的だったのは慶應のハイパントを交えた攻撃です
27回のキックインプレーのうち、10回がBoxやPuntといった相手と競り合うことを目的としたキックであり、前後半合わせて3回再獲得しています
14番の大野選手が空中での競り合いに強く、何度も精度の高いキャッチをしていました
Longに関してはもう少し飛距離が欲しいところですかね
以前見た永山選手に関してはもう少し伸びていたような印象です

慶應のブレイクダウン

慶應はブレイクダウンの精度は高いように感じました
まぁ筑波もブレイクダウンは強いんですけどね
ラックをキャリアー+2人のオーバーで完結させている回数も多く、アタックの質を高める要因の一つになっていました
ゴール前のテンポもよく、アタックは総じて良かったですね

慶應のディフェンス

タックルの質はやはり高いですね
成功率もほぼ90%と高い水準を示していました
更によくする点を挙げるとすれば、ダブルタックルの回数を増やしたりしてさらにブレイクダウンにプレッシャーをかけたり、オフロードをさせないようにボールを殺すような絡み方をしたりすることになるでしょうか

立正のアタック・ディフェンス

立正のアタックシステム

システムはおそらく1−4−2−1かなと考えますが、外側のポッドに関してはわかりづらかったので他の試合も見つつですね
ポッド内の誰にパスをするかはSHの判断のような気もしますね
4人のポッドに関しては並行気味に並んでいるのでどの立ち位置の選手にパスをするかはその時々で違うような印象を受けました

立正のキャリー

キャリー・パス比は7:8とキャリーの比率が多く、73回のキャリーのうち23回が9シェイプという結果になりました
また、傾向としてはグラウンドの中央レーンでラックを作ることが多いのが数値として見受けられました
良く言えば自信があるのかなと感じますが、逆にいうと相手からすると比較的読みやすいアタックというか、バリエーションはそこまで見られないようなアタックの様相でした
慶應よりはエッジでキャリーする回数は多かったと思いますが、意図してそこに運んだというよりも、状況状況の判断という感じを受けました

立正のパス

パスの多くは良くも悪くも9シェイプへのパスが多く、そこからスイベルパスを使ったりといった展開のあるアタックは見られませんでした
パス自体のバリエーションも少なめで、そこがうまくはまらない場合は完封されるかもしれません
ただ、リモリモ選手やヴェイタタ選手などオフロードを繋ぐことができる選手がいることもあり、何度かオフロードパスが見られ、その一部は効果的だったように思います

立正のブレイクダウン

日本大学戦の時に比べると良くなっているような印象を受けました
システム的になのかどうかはわかりませんが、オーバーが2人で足りていることも多く、以前に比べるとSHも楽だったのかなと思います
また、ディフェンシブなブレイクダウンに関してもジャッカルの回数が多く、強みを見せていました
まぁ筑波もブレイクダウンが強いんですけどね(2回目)

立正のディフェンス

今回のような試合展開になったのは、もちろん慶應側のミスやシンプルなアタック戦術によるところもあるかとは思いますが、立正サイドのディフェンスが機能していたことも要因としては挙げることができるかと思います
ダブルタックルも比較的実行され、相手にプレッシャーをかけることができていました

セットピース

両校ともに比較的安定していたような印象は受けますが、ラインアウトではジャンパーの胸元にスローがきているシーンも見受けられ、いわゆる最高到達地点を目指す余地はあるかと思います

モールに関しては、両校こだわっている様子は見られましたが、立正の方が一枚上手だったように感じます
慶應のモールディフェンスはなんとなく方向性が定まっていない印象もあり、相手としては真っ直ぐ押すことさえできれば、かなり優位に立てるような気もしました

まとめ

両校二試合目だったと思うのですが、前の試合からの変化は両極端だったような気がしますね
慶應は攻めあぐね、立正は少し光明が見えてきたような気がします

今後も春季大会の分析頑張ります

それではまた!

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