見出し画像

なつの栞㉜ 親友にエールを

朝から、ミンミンゼミの鳴き声が聞こえます。
私の中では、ミンミンゼミが鳴き出すと「もう夏も終わり」という気持ちになります。

親友は、一年半前に一人暮らしの義母と暮らすため、横浜から名古屋に引っ越しました。
当地には、友達もなく、環境に慣れるのに必死でした。地域を知るには「働らこう」と仕事も始めました。
そんな矢先、義母が体調を崩します。彼女は元気づける為に、犬を飼い、一緒に庭でお花を育て、散歩に行ったりと義母を支えて来ました。

同居して一年経過した頃、食事を飲み込む力が「弱い」と感じました。物忘れも感じていたので医師に相談し、医師は「認知症かもしれない」と診断。

介護保険を利用して、デイケアと口腔リハビリを開始しました。
「義母のQOLを低下させたくない」と言う彼女の思いからです。

彼女の気持ちとは裏腹に、義母は「何の病気か不安だけど、家族に迷惑かけたくない。このままでいい、胃婁は作りたくない」と言います。

今年に入り、言葉が上手く話せなくなってきました。
「喉の筋力低下は、足の筋力低下から」と言われます。デイケアを増やしたり、散歩にも積極的に誘いました。
食事に関しても、義母の好きなもの、喉ごしの良いもの、バランスを考えながら彼女が作りました。
食事も、波があり、食べたり、食べなかったり。体重も1ヶ月に、数キロも激減してしまい、彼女は3月一杯で仕事を辞めて、更に義母を支える覚悟を決めました。
体調は思わしくなく、5月に検査を受けた結果、難病の診断が出ています。

夏を迎え、更に脱水が追い討ちをかけます。栄養失調、脱水、このままでは危険な状態。
義母は「何もしなくて、このままでいい」と言います。「このままにしていたら、思い出を作れるのは、1週間程度になります」と医師

二人の息子と彼女は「胃婁ではなく、点滴での治療を選択し、入院ではなく、在宅で介護する事」に決めました。
義母の「何もしないで(このまま、そっとして欲しい)」との気持ちを、無視して医療行為をすることに、母の意に反してる。しかし、このまま、希望通りにしたら、もう会えなくなってしまう。悩んだ末の決断です。

その決断を、義母に伝えた時に、涙を流して喜んでくれたそうです。

医師と訪問看護師やケアマネジャ、彼女と息子たちが、力を合わせて義母を支えています。

彼女は、両親を若いときに亡くし、出産や子供たちの相談も、義母が優しく、彼女をサポートしてくれたのです。
彼女は、その恩返しにと、これから訪れる辛い出来事も含めて、受け止める覚悟を決めたのです。

8月11日、今日は「ガンバレの日」です。
心を込めて、がむしゃらに頑張っている彼女に、熱いエールを送ります。
どうぞ、無理しないで、後悔しないように「命の時間」を大切に過ごしてほしいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?