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リド ありがとう。カリスマ経営者の訃報に思う

辛辣な口調でもの申す伝説の経営者リー・アイアコッカ氏が亡くなられました。お悔やみ申し上げます。

訃報を聞き、彼の著作である『なぜ真のリーダーがいないのか (Where have all leaders gone?)』を今一度開いてみました。そうすると、この本を買ったときの記憶が鮮烈によみがえってきました。

その頃会社勤めをしていた私は、信用していた先輩に裏切られ、逆境の真っ只中にありました。今こうしてこの本を読んでみると、この本がいかに、その後の自分の人生に影響を与えていたのかを思い出させてくれます。

21世紀おける勇気は、気取りや強がりとは無縁であるはずだ。
本当の勇気とは、進んで交渉のテーブルにつくこと、そして話し合うことである。
真の友とは、なんでも無条件で賛成したり、言いなりになったりする人とはかぎらない。本物の友情は、対等であるべきだ。順調なときも苦境にあるときも、友情をもちつづけ、尊敬しあえる間柄でなければならない。その友人が自分と対立する立場にいるとき、もちろん迎合する必要はないが、だからといってあしざまに罵ってはならない。(中略)ときによって、相手が正しいと率直に認めることは、けっして弱さではない。
世界は一枚の大きなカンバスだと父はいっていた。仮に努力が報われず、人間関係がこじれたとりしても、かならずほかにできることがあり、出会える人がいた。
父はあるがままを受け入れる人だった。「逆境はあったほうがいい。でないと、うまくいっていても、そうだとわからないじゃないか。」~(中略)~悩みごとがあると、父は励ましてくれた。「リド、もっと柔軟に対応しないとだめだ。1年前の悩みを覚えているかい?」

読み返してみると、この本の数多くのところに蛍光マーカで線が引いてありました。引用はその一部ですが、そのときの感情を如実にあらわしているなと。そして、これら多くの言葉が、無意識に、私の中で金科玉条になっていったと思います。

自分がどんなにえらいと思っていても、悠久の時の流れのなかでは、人は時空間の立体スクリーンに映し出される小さな輝点のひとつにすぎない。
若い人たちといると楽しいし、未来に目を向けられる。年寄りは過去の話ばかりして、気が滅入る。若者といっしょにいるとき、私は常に自問している。孫たちに引き継がせたいのは、どんな世界か。それを実現するため、自分になにができるか。

世の中にはリーダーと呼ばれる人が星の数ほどいます。そして、その多くが現役世代の人たちだと思います。その中には優れたリーダーも数多くいると思いますが、しかし、リーダーと呼ばれるにふさわしくない人たちもいます。これはいつの時代にでもいえることなのでしょうが、このことをアイアコッカ氏は、この本でいつもの口調で痛烈に批判しているのだと感じました。

どんな時代でも、未来は次なる世代のためにある
このことをこの本で学びました。

#COMEMO #NIKKEI

前述のあの先輩は、彼が会社を去るとき、私のところに謝罪にきました。
それはもう遠い過去のこと。今は良き思い出。
それで膨大なものを失いましたが、今思えば、得たものの方が遥かに多いような気がしています。そう思うと感謝ですね。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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