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【詩】繭

僕の身体は
どろどろに溶けました。
小さな部屋に閉じこもったまま
跡形もなく溶けました。
生ぬるい空白に心奪われて
あさましく溶けました。

僕はどろどろの液体。
修復不能の液体。
みじめな細胞の混じった
濁りのある液体。

小さな部屋のなかで
再構築を繰り返します。
でも余白に埋れていくから
僕はどろどろに溶けたままなのです。
未完成に溶けたままなのです。



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