【連載小説】星のあと 9
「焦土の中を歩いていた。進むごとに足元から灰が舞い散り、降りつのる灰と混ざり合う。周囲の熱気は重く、ざらざらとしている。苦々しく焦げくさい匂いがしていて、煙霞のために景色は不鮮明。時折、轟音と共に立ち昇る噴流が、煙の向こうに赤くちらつく。遠目にも分かるほど激しい炎上だ。溶解を伴い、原型を忘れかけた岩石が無作為に降り注ぎ、灰にまみれながら山坂を転がっていく。勾配は緩やかだが道のりは果てしない。どれほど歩いたか、時間という概念が無いので判然としない。しかしとても長い時間だ。自然に