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2022年7月の記事一覧

【読書】「海底二万海里」~深海の冒険は心の奥底の探索なのかもしれない~

【読書】「海底二万海里」~深海の冒険は心の奥底の探索なのかもしれない~

 ずっと気になっていました。
 気になっていたいけども、なかなか手に取れませんでした。
 本の厚さからして、相当な冒険だろうと思っていました。
 福音館古典童話シリーズ、11番目の作品、『海底二万海里』。
 少しでも読みやすいものをと思い、子ども向けの本棚から選びましたが、甘かったようです。

 「童話シリーズに入るんだね」

 700ページを超える冒険は、1冊の本にまとめられていますが、手に重く

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【読書】「アフガニスタンのひみつの学校~ほんとうにあったおはなし~」~学ぶ喜びは誰のもの?~

【読書】「アフガニスタンのひみつの学校~ほんとうにあったおはなし~」~学ぶ喜びは誰のもの?~

 日本では学校で教育を受ける権利があります。学校に行かないという選択肢を取る、学校に行けない事情がある場合を除いて、子どもはどこかの学校で他の子どもたちと一緒に勉強をします。地域には図書館や図書室が、たいていあります。本屋や古本屋さん、褒められた行いではありませんが、立ち読みができてしまいます。

 アフガニスタン、タリバン政権下では、女性が自由に教育を受けるのは、難しい状況です。兵士に見張られな

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【読書】「十年屋⑥~見習いのお時間です~」早く会いたい、いつか会える主人のために。

【読書】「十年屋⑥~見習いのお時間です~」早く会いたい、いつか会える主人のために。

 廣嶋玲子さんの十年屋シリーズ第6弾。魔法使いが出てくるお話ですが、どの魔法使いもとっても個性的。いらないものを魅力的なものにつくりかえる魔法。にごったものを美しい色にかえる魔法。お天気をつくりだす魔法。

 そのなかでも、本編に出てくる主人公、十年屋さんの魔法は、十年だけ大切な何かを預かる魔法です。預かったものは、十年間、色あせることなくとどまり、十年という時を超えて、お客様に手渡すことができま

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【読書】「水木しげるの日本妖怪めぐり」

【読書】「水木しげるの日本妖怪めぐり」

 夏になり学校の怪談、肝試し、ホラー特集、都市伝説。ちょっぴり怖いものから、心臓が凍りつきそうな話まで。夏の特権ではないと思うものの、もり上がる時期でもありますね。

 私は怖い話は苦手です。本格ホラーは、たとえ、小学校高学年が楽しんでいる話でも怖がるかもしれません。

 それでも不思議な話は好きですし、本当か嘘かわからない話には心がひかれます。

 「ホラーとはいわないまでも、何か読みたいな」

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【読書】『鏡の国のアリス』~夢の中と現実、どちらが奇妙なんでしょうね~

【読書】『鏡の国のアリス』~夢の中と現実、どちらが奇妙なんでしょうね~

 『不思議の国のアリス』に続いて、『鏡の国のアリス』を読みました。本をきちんと読んだのは大人になってから。さすがは名作ですね。大人だとしても面白いと思える作品です。

 『鏡の国アリス』では、アリスがチェスの駒となり、物語全体がチェスの盤となっています。チェスのルールを知らない私では、物語の面白さの半分も理解できていないかもしれません。

 とにかく、ラストではアリスが女王となるお話です。

 『

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