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スマホなしで2時間、どう過ごす?

しばらく外カメラが壊れて使えなくなっていたので、写真は内カメラで撮るしかありませんでした。そのため今日の今まで、撮りたい方向にスマホの画面を向け、撮影ボタンを勘で押すという、変人にしか見えない独特の撮影方法を2週間くらい続けてきました。

回数をこなすたびに少しずつ慣れてはきたとはいえ、
・ズームができないこと
・勘でしか撮れないので構図もクソもないこと
・QRコードの読み取りができないこと
・たまにボタンを押し間違えてビデオやポートレートになってしまうこと
などのやむをえない理由から、流石に策を講じないと、と思うようになりました。

というわけで予約をとって今日、京都駅構内の伊勢丹の中にある店まで修理に行ってきました。どうやらカメラがスマホ本体に認識されていないらしく、接続し直してみてもうまくいかなかったのでカメラ交換の措置を取ることになりました。

「では2時間ほどかかりますので14時半ごろにお越しください」

店員さんにそう告げられ、そそくさと店を後にした僕。片道1時間かかる家に帰るわけにもいきませんから、どうにかしてここで時間を潰さないといけません。
それじゃ漫画アプリでも、と思ってポケットをまさぐっても、何も出てこない。
そうです、僕には今、スマホがないのだから。


やることないな…

エスカレーターを降りながら必死に頭を回し続けました。
「自分がスマホなしでできることって、一体何があるんだろう?」

買い物をしようにも伊勢丹はいわゆる百貨店、若者よりはお年を召された方のための少しお高めな衣料品やインテリアなんかが置いてありますから、そもそもそこまで興味をそそられるものがありません。もちろんマンガやゲームはできませんし、出先でよく聞くラジオも聞くすべがありません。

他に誰も見ていない伊勢丹のマップを眺めながら、ひとまず地下の食料品店に行こうと決心した僕は、11階分のエスカレーターを下って大人たちで賑わうデパ地下に足を踏み入れました。どれも普段買うわけがない、少し高い商品ばかりでしたが、見ているだけで楽しくて少しは時間を潰せました。
肉屋では一頭丸売りセールみたいなことをやっていて、豪華だけど人間って残酷だよな、と牛側の気持ちになってみたり。ラジオがないぶん日常にちょっとしたツッコミを入れる頭が残っています。

少し歩いて見つけたカルディで試飲のコーヒーをもらい、たまたま見つけた缶コーヒーを購入。レジの横にあるコーヒー豆の銘柄が、なんだか馬名と似ていなくもないとふと気づき、「これ、馬名?それとも、コーヒー豆の銘柄?クイズ」ができそうだな、としょうもないことを考えながら、久々の現金払い。周りよりは随分遅くにPayPayを始めた僕も、QRコード決済にかなり毒されてしまったみたいです。

あそこなら、間違いなく時間を潰せる…!

しばらく経って妙案が浮かびます。
そうだ、本屋だ。本屋なら、いくらでも暇つぶしができるはず。

伊勢丹にはあいにく本屋がなかったのですが、地下で繋がっているPORTAに小さな大垣書店さんがあったので吸い込まれるように入店。普段はほとんど本を読まず、手に取ったとしてもエッセイや自己啓発本が多めの僕ですが、1時間という長時間本と触れ合える絶好のチャンスということで思い切って小説コーナーに向かいました。

小説を選んでいる最中、絵本コーナーで子供とお父さんらしき2人が話をしていました。平日子供の役に立てないのを引け目に感じているのか、お父さんが「ほらこの本面白いよ、〇〇が〇〇で…」と一生懸命説明しています。しかしそれをよそに子供の方は全く話を聞いていないようで、30代くらいの男性の声が小さな書店に響き渡っていました。

ちょっとうるさいかなとは思っていたのですが、微笑ましいじゃないか羨ましいぜと思って背表紙と睨めっこしていると、ちょうど後ろの方で立ち読みしていた40代くらいの女性が「うるさいわ!」と冷たい一喝。現場は一時凍りつき、男性はやりにくそうにボリュームを落とし始めました。いや、まあうるさかったけど、そんなに怒ることでもなくないか、嫌なことでもあったのか、と想像上で自分の頭の横に汗マークを描きながら、ようやく読む本を決めました。

最近ANNのパーソナリティを特番で担当していたという安易な理由から直木賞作家・朝井リョウさんの本を選んだ僕。noteで文章を書くようになって感覚が変わったのか、「情景の描き方が上手いな」「伏線の引き方が綺麗で違和感がないな」「この文章を先に書くのか…」とか、小難しいことを考えながらではありましたが、高校生の青春物語をしばらく楽しく読んで時間を潰しました。

思った通り時間は飛ぶように過ぎて、約束の時間も迫ってきたので店を後にしました。「何様」は5分の1も読めなかったけれど、購入はしませんでした (という話を家族にしたら「いや買えよ」と言われました、すみません次見かけたら買います)。カメラも無事直って一安心。18,000円はかなりの痛手ですが、大好きな数字のついたスマホを買うため、あと2年は頑張って第三世代のSEを使い続ける義務があるので仕方ありません。

スマホって偉大ですね

わかりきっていたことでしたが、スマホなしで暇を潰すというのは相当辛いことでした。買い物もできるにはできたんですが、何せ買いたいと思っているものをスマホにメモしているので。値段の計算のため電卓を使うときも、本屋を探そうとマップを調べるときも、みんなスマホ。特に若者世代にとって、スマホはたった2時間ないだけでも生活に支障をきたすことが身に沁みました。そのこと自体に気づくという意味でも、デジタルデトックスの機会を設けるのは大切なのかもしれません。

それから、うるさいわおばさん。正直自分もビビったな。話には聞いたことのあることを実際に目撃する側になってしまいましたから。いやー都会ってコワイですねぇ。子連れおじさんになった時は気をつけないと。おっかないです。

ちょっとエピソードトークすぎてしまったかもしれませんが学びがあったので個人的には満足です。朝井リョウさんの文章を読んだせいでしばらく朝井さんっぽい文体しか頭に浮かばなかったけれど、ようやっと自分の文体が戻ってきたので文字に起こすことができました。でも学べることは無限にあったので、欲しいところは盗んでいきたいですね。そのうち本屋で買って読み切りましょうかね。また楽しみが増えました。


最近スキをたくさんいただいていて、月並みな言葉になりますがすごく嬉しいです。たくさんの方に流し読みでなくきちんと読んでいただいていること、よく伝わってきます。これからもなるべく質は落とさないように続けていきたいと思いますので、応援いただけると幸いです。

フォロー、コメント、スキ、全部うれしいです。励みになっています。それでは。

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