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This is UX Design.

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UXデザインについての記事や、「これはUXデザインだ!」という記事をまとめたものです。
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2018年4月の記事一覧

マニュアルのUXはどうあるべきか?

あなたはいま、フリマアプリを開いている。家の不用品を売るためだ。 出品したリュックが売れて、購入者に送付しようとしたが、その配送方法を変更したくなった。画面を探しても説明が書いていない。 できるのか、できないのか。マニュアルがどこにあるのか、お問い合わせが必要なのか。よくわからない。 購入者からは「明日には配送してほしい」とメッセージが来ている。あなたは焦ってしまう。出品額たかが1,000円のために、頭を抱えてしまう。 はて、一体どうしたものか... UIデザイナー

ユーザーに優しいマニュアルを作る5つのヒント

この記事は、「マニュアルのUXはどうあるべきか?」の後編です。 前編はこちら >> 例えばこんなことはないだろうか。 あなたは、カレンダーアプリを開いている。家族とイベント情報を共有したくなったが、どう操作すれば分からない。 膨大なマニュアルの中を探し、たくさんのページを開いたら、詳細なシステム仕様の中にほんの少しだけ「どうすればいいか」が書いてあった。 やれやれ、10分も使ってしまった。これなら家族にはLINEで伝えたほうが早かったよ。 マニュアルは資産であるマニ

UXデザインの眼を養うためには「気づきのストック」を作ろう

新しいことを始めるには良い季節になりました。 この春から、学びのストックを増やす「新しい習慣」を始めてみるのもいいのではないでしょうか? あらゆる創造的な活動にとって、「引き出しの多さ」が重要になってくるのはよく聞く話かと思います。 企画職でしたら「最新のビジネスモデルの事例を知る」、プロダクトデザイナーでしたら「色々なモノの構造を観察する」などです。 では、UXデザインに強くなるためにはどのような"引き出し"を増やしていけばいいのだろうか?ということについて、 ひとつの

どうすれば選びやすいリストのUIが作れるのか

ここ最近リストで情報を掲載するUIを作成していて、より良いリストをつくるためにどんなことをチェックすれば良いのかを考えていました。 リストのUIを作成したり改善したりしている人は多くいるのではないかと思いますので、「あー最初からちゃんと考えておけばよかったな...」と思ったことを書いていきたいと思います。 (「情報を掲載するもの」として、カード形式のものもリストと呼んでおります) ユーザーが意思決定できる情報かユーザーはリストの情報を見て、どれをより詳しく見たいかを決め

【THE GUILD勉強会】 ユーザーインタビューを制する者は恋愛を制す。

こんにちは、なまぬるいおにぎりです。 前回、「笑えるおとなの官能小説を書きたい」とかいうくだりから始まった ふざけた記事「本当は、ビジネスメールが怖い。」とは打って変わって真面目な記事です。(たぶん) 先日THE GUILDさんの「ユーザーインタビュー設計」勉強会に参加しました。 激戦の末note書く枠で当選するも、皆さんが既に神レポしているので、勉強会ででたテーマと絡めて自分が実際にやってきた中でのポイントや見解を記します。 ▼この記事はこんな人向け ・インタビュー

ゾゾスーツのUXデザインを5階層モデルで整理してみた。デザインを表層部分だけで判断しないようにしたいよね!という話

ゾゾスーツのドットマーカー(水玉模様)がダサい!という声がSNSで上がっていますが、自分はこの批判が納得いかないところがあるのでゾゾスーツのデザインについて整理してみました。 ちなみに、自分にはゾゾスーツはまだ届いていないので届くの楽しみ! 新しい水玉模様柄のゾゾスーツこの水玉模様に関して反対意見が出ているよう 自分は新しいゾゾスーツのデザインはダサいとは思わないし、どう感じるかは人それぞれだよね・・・と思っています。 一つだけ強く思うことは、表層のデザインだけでデザ

UX改善による本質的グロースハックのプロセス

グロースハック(※)が必要なのは分かっているが、実際にどうやれば良いか分からないという相談を頻繁に受ける。 というよりは相談の99%がそれだ。 多くのスタートアップがサービス成長の指針を描けていないという状況は日本のスタートアップ環境全体として憂うべき状況なので、グロースハックを具体的にどういったプロセスで行っていけば良いかを本記事でまとめて公開することにした。 タイトルの釣りっぽい「継続率4倍の効果!」だが、私が実際にインドのあるスタートアップをこのプロセスを使ってハ

なぜUXという言葉は広まったのか

2001年にデザイナーを目指すために会社を辞めるといったとき、ある先輩からは「その仕事儲かるの?」と言われ、上司には後悔しないかと何度も確認されました。でもそれは当然のことで、確かにその頃の多くの人の認識は「デザインはビジネスとは少し距離がある世界」でした。デザインは自分たちの仕事の延長上にあるものではなかったのです。 それと比べると、昨今のビジネスシーンにおけるデザインへの関心の高さには隔世の感を覚えます。事業課題としてデザインが議題にあがることは日常茶飯事です。経営者や

忘れていいUX

突然だが、「Evernote」の価値とは何だろう。 こう聞くと「何もかも記憶すること」と答えが返ってきたりする。 いいえ。Evernoteの最大の価値とは 「そこに書けば何もかも忘れていい」ということだ。 Elephants never forget - 象は忘れない人間の脳はそこまで多くのことをずっと覚えておけない。Evernoteを生活のデータベースとして使うことで、人間は「覚えておく」というプレッシャーから解放され、いま目の前にある生活にさらに集中することができる。

ユーザーインタビューの極意

ユーザーインタビューは、仮説検証の手段として今や一般的な存在になりました。 しかし、誰もがユーザーインタビューの経験が豊富なわけではありません。 中には、質が良いとは言えないインタビューを行い、誤って実際には存在しない空想上のインサイトを捉えてしまうチームも存在します。 そういった誤りに陥らず、良い仮説検証、良いインサイト発見を行うためにはどうすればよいのでしょうか? 最も重要な「人間」に対しての認識まず、ユーザーインタビューではヒアリング相手の言葉を信じてはいけませ

しなくていいUX

サービス開発において「ユーザーがしたいことをできるようにさせてあげる」という議論は活発だが、いっぽうで「しなくていいことをしないようにさせてあげる」分野はまだまだ発展途上だと思う。なのでここで思っていることを書いてみる。 赤信号に突っ込んで行くバスある日、私は近所でバスに乗っていた。 進む道の信号は赤であり、私はてっきりバスは速度を落として止まるだろうと考えた。 ところがバスは速度を落とさずそのまま赤信号に突っ込んで行くのだ。 私は仰天して、 わあ、なんということだ、交差点

見えない時間を見せるデザイン

アプリケーションにおける時間の表現はさまざまであり、人間の欲求と、置かれている状況を常に意識してデザインすることが求められる。 DBに入っているからと言って日付をそのままYYYY/MM/DDで出すということは、冷蔵庫に入っているトマトを洗わずに食卓にのせるようなものだ。 時間は目に見えない時間というのは、人間が勝手に決めた決まりごとである。人類が平和に暮らすために明示的にした、ただの共通認識だ。 「期限」の見せ方「期限」を知りたい時、時刻は重要でなく、自分がいま何をする