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週末の夜は映画をお供に『あのこは貴族』

週末の夜は早めに家事を済ませてソファに腰掛ける。
サブスクの海からみたい映画かドラマを探り当てるこの時間が好きだ。
部屋の明かりを暗く,さながら映画館のようにしてみるのがお気に入り。
今回選んだのはこれ。

2021年公開『あのこは貴族』。
東京を舞台に二人の対照的な女性が描かれており,内容的にもちょうどアラサー世代にささるテーマの作品だった。

この分類で言うならば私は完全に『外部』の人間であり,実際外部生という存在だったこともある。同じ場所で同じように過ごしているはずなのに,外と中の違いは時として,住む世界そのものも違うかのように感じられるから皮肉なものだ。

そして東京という街。
私は東京を知らない。
だって東京は遊びに行く場所だから。
住む所じゃない。

ずっとそう思って生きてきたし、多分これからもそうだと思う。
何かよっぽどのことが起こらない限り,東京に住むことはしないだろう。

私は育った街を18歳で出て以降,帰ろうと思ったことは一度もない。
でも,東京や大阪のような大きな街にでる勇気も度胸もなくて,実家からさほど離れていないところで暮らしている。

それでも時々自分は外様なんだなと思うことがある。
根付いていないような感覚。
それは私が独身で,いつでも自由に住む場所も暮らし方も変えられるからそう感じるのか,本当の居場所はここじゃないと思っているのか,それはまだわからない。

自分らしく生きていくこと,女性として生きていくこと。
この二つを両立させることだって,令和の世の中になってもまだまだ大変なことだ。日々もがいているが,時々自信をなくしちゃう。
これが私らしい生き方なんだろうか,とわからなくなることもある。

でも,生き方に正解はないし,何が不幸で何が幸せかは自分で決めたらよくて,それは客観的にみてどうとかいう話ではないこともわかっている。
それでもコミュニティの中で生きていくって時々すごく息苦しい。

そういう辛さや葛藤が詰まっていて,ちょっとしんどさもあったがそれもリアルで,隣の芝生ってどの世界でも青いものなんだなとしみじみしてしまった。

生きていくって難しい。
でも希望がないわけじゃない。
そんな風に思える良い時間だった。



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