見出し画像

真珠の耳飾りの女/ヨハネスフェルメール(Lady with a Pearl Earring)


真珠の耳飾りの女/ヨハネスフェルメール(Lady with a Pearl Earring)

フェルメール(Johannes Vermeer)の代表作『真珠の耳飾りの少女』(Girl with a Pearl Earring)から時を経て描かれたものといわれる。
フェルメールの特徴であるラピスラズリを使用したウルトラマリンの絵具を多用した作品である。現在のカメラの原型「カメラオブスキュラ」を用いたといわれる制作過程で光の粒子を白い点描で表現しているのも特徴的である。
『真珠の耳飾りの少女』と同様に補色(反対色)である黄色と青色がメインで使用されているが、『真珠の耳飾りの少女』では青色を使用されていた頭部のターバンが本作では黄緑色であり、黄色だった服装が青色となっており、意図的に入れ替えたような配色になっているのが興味深い。

補色を反対に位置させた色環(黄色の反対側に青色が来る)

当時の科学で補色の概念があったのかは疑問であるが(※ニュートンが色彩論を発表したのは18世紀)、光を描いたフェルメールのこと、経験則からこの組み合わせを選び出したのではないだろうか。
ここに描かれている女性が誰かは興味深い問題で、さまざまな説があり不明であるが「真珠の耳飾りの少女」のモデルと同一人物と考えられる。
未公開作品。制作年不明。所蔵元非公開。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?