フェルメールAI美術館(Vermeer AI museum)

架空のフェルメール未公開作品を公開するという現代アートのインスタレーションを実践中です…

フェルメールAI美術館(Vermeer AI museum)

架空のフェルメール未公開作品を公開するという現代アートのインスタレーションを実践中です This account presents some of Johannes Vermeer's unpublished paintings! #フェルメール #stablediffusion

最近の記事

フェルメールの影響を受けた画家

かなり更新が空いてしまいました( ゚Д゚) さてフェルメールは非常に作品数の少ない画家としても知られています。 そこで今日は『もっとフェルメールっぽい作品を見たい』というあなたに フェルメールの影響をしっかり受け継いでいる画家の作品を紹介したいと思います! 1.ハブリエルメツー(Gabriel Metsu) え、これフェルメール作品じゃないの?というくらい似てます! 特にモチーフが同じ?? 左側の窓、格子柄の床タイル、ガウンを着た女などですね! でもそれは模倣と言うより1

    • フェルメールの新作を作って感じたこと

      ついにできました『フェルメールの新作:Lady with Perl Earring』 制作詳細は前回のこちらへ 実際作って感じたことは 『フェルメールって写真みたいでスゴイな~』 と思っていたフェルメールの絵画が実は基本的な油絵のテクニックによって作られている『いかにも油絵な絵画』であったことです。 意図的にボカシたり、白と黒で下絵を描いてから着色を重ねたり、実は結構筆致を残した描き方をしていたりという発見がありました。 また万能に思えるAIによる画像生成は細部を

      • フェルメールの新作油絵を作る!完成編(AI絵嫌いな方にも観て欲しい!)フェルメール転生プロジェクト第4話

        構想1年制作6か月のフェルメール新作油絵の制作が完成しました!( ゚Д゚) AIは良くも悪くも惜しい絵を描く AIが絵を描くと上手いのですがちょっと惜しい感じなんですよね。 だからAIが数万枚出力した中から、とっておきの作品を選んで、さらにAIでバリエーションを出力します。 そこでバリエーションをうまく組み合わせて一つの作品にします! これを元に下絵にしてキャンバスに描いていきます。 もちろんその前にフェルメール作品を模写して研究しておきます! 2.いよいよキャンバ

        • 洗濯する女/ヨハネスフェルメール(Laundry woman/Johannes Vermeer)

          使用人がアトリエの布を洗濯して干しているところと思われます。 洗濯する女は地味なテーマですが、実は様々な画家に描かれたテーマでもあります。 これは踊り子を主に描いてきたことで有名なドガが描いた洗濯女です。 光の当たる世界に生きる踊り子と対照的な貧しい労働する女を描いています。ドガが連作のように複数の「洗濯女」を描いていることはあまり知られていないかも知れません。 踊り子と洗濯女は一見すると正反対に見える女性像ですが、仕事に真剣に取り組む女性の様子を描いた絵という意味で共通し

        フェルメールの影響を受けた画家

          フェルメール来訪とフェルメール作品制作過程

          さてスープストックでまた『フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ』発売していたので行ってきましたよ(*'▽') 元になったフェルメールの絵はこちらです! この絵は「召使が硬くなったパンに牛乳を注ぐことでパンプディングを作るところ」を描いたものと言われておりで、スープを作ってるところではないのですが、この『フェルメールの“牛乳を注ぐ女”のスープ』実はなかなかしっかりと考察されて作られているようです。 例えば『当時のオランダではじゃがいもは使われていなかったので、スープにじゃ

          フェルメール来訪とフェルメール作品制作過程

          フェルメール新作(?)制作途中経過

          さて現在油絵作品の制作中ですが、AIが出力した『新たなフェルメール作品』を実際に油絵にしているところです! 最初のAI出力はこんな感じでした。 かなり粗い描画ですね!(/ω\)初期のstablediffusionではこれが限界でした。これをもとにAIでいくつかバリエーションを描いてもらいました。 襟部分のモヤモヤがコサージュっぽい飾りであることがわかりましたね! ただ眼がアニメみたいに大きい眼になってしまったので眼の部分だけ最初のバージョンに差し替えてみましょう。 か

          フェルメール新作(?)制作途中経過

          閑話休題「岸辺露伴MoMAへ行く」~記憶の固執に固執せよ~

          「美術なんか興味ない」 そんなあなたも時計がグニャリと溶けたような絵といえばわかるだろう。 溶けた時計をモチーフにしたシュルレアリスム絵画で有名になったサルバドールダリの名作が「記憶の固執」である。 そんなに有名な絵だから偽物があったらすぐわかるだろうと思うかもしれない。実際にネット上にあがっている絵、美術書に印刷されている絵を複数並べて見ると違和感を感じる人もいるのではないだろうか。 これが私の手元にある「西洋絵画の巨匠 (3) ダリ/岡村 多佳夫著/小学館」に掲載され

          閑話休題「岸辺露伴MoMAへ行く」~記憶の固執に固執せよ~

          フェルメール絵画を再現する(フェルメール転生プロジェクト)進行状況

          どうも!(*'▽') 『AIに手伝ってもらって、フェルメールの新作絵画を作る!』という計画ですが、 とりあえず前回『真珠の耳飾りの少女』を再現することができたので、 これからAI作品を油絵化していこうというところです!(*'▽') 油絵化するにはどうするか?というとまず、サイズを修正します。 具体的にはAI出力時には正方形でしたが、キャンバスサイズに合わせるために縦長の構図に調整していきます。 まずは、『真珠の耳飾りの少女の数年後を描いた』といわれる『真珠の耳飾りの女』。

          フェルメール絵画を再現する(フェルメール転生プロジェクト)進行状況

          科学的に正しいフェルメール真珠の耳飾りの少女の描き方(フェルメール転生プロジェクト第3話)

          https://www.youtube.com/watch?v=0bV-sANX4PI 今回はフェルメール作品の再現です! まずインプリマトゥーラ(下地:イエローオークル)を塗ったキャンバスに白黒コピーから原画(等倍)を転写します。 チャコールブラックをぬります。 なにげにこのチャコールブラック輸入品です。ちゃんと植物の炭から作った高品質の黒顔料ってなかなかないんですね。(※ボーンブラック:動物の骨を焼き砕いた顔料とする説もあり) 濃淡の絵ができます。 さらに白(鉛白

          科学的に正しいフェルメール真珠の耳飾りの少女の描き方(フェルメール転生プロジェクト第3話)

          結び髪の少女/ヨハネスフェルメール(Girl with knotted hair/Johannes Vermeer)

          1か月もお待たせしてしまいましたが、フェルメールの良作が入荷いたしました。 いつもの窓辺にいつものテーブル。いつもの柔らかい日差しに巨匠フェルメールのソフトタッチの筆遣いがさらに優しさをプラスしています。 未公開作品。制作年不明。収蔵元非公開。 さて『これらのフェルメール作品を実際に油絵として鑑賞できる形にする!』と言い出して長い日が過ぎましたが、ようやく油絵制作の環境が整ってきましたのでご報告を。 みんな『フェルメールは筆が遅くて作品が少ない』って言いますが、これそんな

          結び髪の少女/ヨハネスフェルメール(Girl with knotted hair/Johannes Vermeer)

          片付けられない女/ヨハネスフェルメール

          フェルメール家は、フェルメール、妻のカタリーナ、義母のマーリア、10名の子供たち、そして家事を行う女中たちで構成されていました。 自身の創作活動の他に宿屋の経営や画家ギルドの仕事で多忙であったフェルメールや多くの子供たちを妊娠する日々が続いていたカタリーナは家事をすることはあまりなかったのではないでしょうか。 そんな中ですべての家事と10名の子供たちの世話を行わなければいけなかった女中はかなり大変だったのではないでしょうか? 今で言うところのかなりのブラック企業ですよね?(

          片付けられない女/ヨハネスフェルメール

          自画像/ヨハネスフェルメール。フェルメールが自画像を描いたなら。

          フェルメールは一般に17世紀オランダの庶民的な美人画を描いた画家として認識されていると思います。 実際フェルメールの作品といわれる38枚中風景画を描いたのは2枚、男性のみの絵を描いたのは2枚だけでした。 そんな彼が自画像を描いたらどんな絵になるのでしょうか? 実は彼の自画像と考えられる像が2つあります。 『取り持ち女』に出てくる左の男性がフェルメール本人といわれ、また『絵画芸術』で絵を描いている画家がフェルメール本人といわれています。 ウチのフェルメールAIが描いた自

          自画像/ヨハネスフェルメール。フェルメールが自画像を描いたなら。

          (閑話休題)フェルメールなNFTを制作してみた!

          https://www.youtube.com/watch?v=_K-iNPVyIJY 私自身はNFTとかやる気ゼロだったのですが、フェルメール新作(?)油絵の制作に結構時間がかかっているのと、海外の方から「NFTで作品を買いたい」という問い合わせが多いのでNFT作品を制作してみました。 作品はAI作品出力時にフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」に似すぎていたためにボツにしていた作品を大量にモーフィングしたデジタル動画作品です。 いちいち小首を傾げてみせるのがちょっと生き

          (閑話休題)フェルメールなNFTを制作してみた!

          絵画と女(Woman with paintings)/ヨハネスフェルメール

          フェルメールの絵画には画中画(※絵画中に描かれた絵)が多くみられます。それには3つの側面があります。 1.当時のオランダでは庶民が家の中に絵を飾ることが流行っていたことによるもの。  それ以前の絵は王公貴族が己の権力を誇るために描かせたり、宗教施設が教えを広めるために描かせたりするものでした。17世紀のオランダはヨーロッパの他の地域より先んじて庶民の生活の中に飾られた庶民のための絵画が登場しました。  例えばフランスでは庶民のための絵画が描かれていったのは「印象派」の登場を

          絵画と女(Woman with paintings)/ヨハネスフェルメール

          青いターバンの少女/ヨハネスフェルメール(Girl with blue turban/Johannes Vermeer)

          青いターバンの少女というと年配(?)の方はこちらを思い浮かべるかも知れません。 そうです、『真珠の耳飾りの少女』は以前は『青いターバンの少女』と呼ばれて来ました。 それが『真珠の耳飾りの少女』と呼ばれるようになったのは映画にもなったこちらの大ベストセラー小説の影響といわれています。 ターバンは交易によってもたらされた海外由来のファッションであり、当時交易によって富を得ていた貿易商人たちの豊かさの象徴として描かれたと考えられています。 また当時は絵にタイトルをつける習慣

          青いターバンの少女/ヨハネスフェルメール(Girl with blue turban/Johannes Vermeer)

          フェルメールブルーと少女/ヨハネスフェルメール(Girl with Vermeer blue)

          フェルメールといえばフェルメールブルーと言われる青色が有名です。 「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」を始め、ほとんどの作品でこの青色顔料が使用されています。 フェルメールブルーと言われる青色顔料(絵の具)の正体はラピスラズリから精製した天然ウルトラマリンです。 当時のウルトラマリンは金と同じ値段がしたといわれています。 大変貴重な顔料であったので部分的に使用している作品がほとんどですが、 この作品は全体的に青色の部分が多いだけでなく、モデルに青色顔料自体を持たせている

          フェルメールブルーと少女/ヨハネスフェルメール(Girl with Vermeer blue)