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ちょっと説明が長すぎたようだ

昨日は自宅では初めてかもしれない〈うどんすき〉をやった。

うどんすきというと、すき焼きの最後の〆のうどんと勘違いされることがあるが、断じて違う。
大阪の郷土料理、うどんの鍋のことだ。

といっても、鍋焼きうどんのことでもない。
鍋焼きうどんは、きつねうどんや天ぷらうどんなどさまざまあるうどんの一種であり、具もうどんもすべて入った一人用の小さな鍋を熱し、できたところを熱々のままヤケドしながら食べる。
これに対して、うどんすきは寄せ鍋だ。
白菜や鶏肉などの旨みがしみ出したダシにうどんを入れて少し煮ては食べ、また具やうどんを足しては食べる、というもの。

ふぅっ。
うどんすきの説明にこれほど字数を割くことになるとは。

急に寒くなったから、朝から心は鍋物に傾いていた。
鍋といえば僕は最後のおじやが大好きなのだが、昼に大量の炒飯を食べてしまったこともあり、夜はちょっと米から離れたかった。
頭に浮かんだのはうどんすき。
うどん、食べたい。

30年前、東京に住んで驚いたことの一つが、ゆで麺の値段の高さ。
うどん1玉80円などの値札に腰を抜かしそうになった。
当時、関西では1玉10円、高くても20円までが相場だったから。
小学校だか中学校で習った需要と供給の曲線の話が正しいなら、関西では麺を作りすぎているのかもしれない。
物価高のあおりを受けたとはいえ、昨日のうどんも1玉30円。
安くて旨いからこそ、うどんすきが郷土料理たりえるのだ。

うどんがメインのうどんすきにあっては、鶏や海老は前座のざこキャラ。
旨みをダシに放てばお役御免、さっさと食べてしまおう。

うどんすきなど初めての息子は「これどうやって食べるん?」
えっとな、まずこの鶏とか海老はな…ほんでからうどんは少し入れて2分ほどしたら麺がダシを吸うから…

あれ? 鶏は? これ? もう皮だけやん。
ん? 海老は? 1尾だけ残してくれたん? あ、ありがと…
ま、まぁまぁ、前座のざこキャラやし、えぇよ…
ちょっと説明が長すぎたようだ。

空いたその跡地に少しうどんを入れては、旨い旨いとすする。
トロトロしてきた白菜とうどんもまた一興。

暑い暑い、扇風機!
…前日片づけたばかりだ。

(2023/10/10記)

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