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変わっていく自分と、変わらない自分     ~2023年の振り返り~


 こんにちは!VCラボ特別研究員の黒木です。皆様、どんなクリスマスをお過ごしになりましたか?今年は行動制限もなく、遠出をされたり、パーティーを楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。クリスマスが終わると、あっという間に年末になりますね。振り返ってみると、2023年は私にとって色々と変化のある年でした。会社員時代は、環境の変化を感じるのに精一杯で、自分の内面の変化を感じる余裕がなかったように思いますが、VCラボの特別研究員として「内省を深める対話」を学び、実践する経験を経て、今年は内面の変化を感じられる年になりました。そして、変化を感じると同時に、良くも悪くも、変わらない自分も感じているように思います。そこで、今回は、1年を振り返って、実感している変化と変化しない自分について書いてみようと思います。

~変わっていく自分~

違いに対する反応

 一番大きな変化なのではないかと思うのが「違いに対する反応」の変化です。会社員時代、結論を急ぐあまり、仕事相手との違いは「受け入れる」ものではなく、「合わせるもの」若しくは、「合わさせる」ものだったように思います。相手が「正しい」と感じたら「合わせる」、相手が「正しくない」と感じたら「合わさせる」。「正しい」「正しくない」という、白と黒の二色の世界で日々セカセカと答えを出し急ぎながら生活していました。心理学を学んでいる今、白と黒の間に、ぼんやりとした隙間ができてきているように感じます。「今、答えを出す必要があるのか?」「相手と違っていると、正しくないのか?」「そもそもなぜ違いが生じるのか?相手の考え方はどんなものなのか?」知らず知らずのうちにできていた自分の判断基準にのみ照らして答えを出すのではなく、相手の考え方を理解しようとするプロセスが私の内側に変化をもたらしてくれたように感じます。時として、自分の判断基準とは違う基準を持つ相手に対して、イライラすることもあります。今、このイライラがとても大切な反応になっています。あぁ、今私がイライラしているということは、何か自分の判断基準を通して相手と話してしまっているな、どこが違うのだろう?と相手の世界に目を向けるきっかけを与えてくれる、とても大切な反応になっているのです。相手の世界観をじっくり知ろうとしているうちに、このイライラは自然と収まってくるようになったのですが、違いに対して起きるイライラとした反応は、以前と比べ物にならないくらい自分の中に居場所を確保しているように感じます。

重なり合いを探して共感する力

 相手を理解をしようとすることと、相手に共感することは、とても似ているのではないかと感じています。もちろん、理解はできても共感はできない、ということも多々ありますが、理解するプロセスを経て、違いにしか目がいかなかった自分が、重なり合える、共感する部分に目が向くようになってきて、自分自身がとても楽になったように感じています。一つの答えにたどり着こうと無理をしていた自分が、「答え」ではなく、「重なり合い」を見つけようとすることで、「答えのない時間や状況」に少し耐えられるようになったのかもしれません。

 こういった変化を感じられるようになったのは、VCラボで「対話」とは何か、どうあるべきかをじっくり考える機会を頂けたことが大きく影響しています。対話とは、「結論を出すこと」にこだわるのではなく、「相手との重なり合いを見つけることを愉しむ」もの。対話を重ねていくと交わっていなかった平行線が近づき、重なっていくもの。「対話」の奥深さに触れれば触れるほど、他者との対話だけでなく、自分の内側の声と対話する機会も増えました。自分自身と対話し、自分が感じていることを見つけて言葉にする。このプロセスを経て、自分をより理解しようとするようになりました。だからこそ、内面で起きている変化に気づくことができるようになったのではないかと感じます。そして、自分への理解が深まると、他者に対しても違いや答えにこだわらず、理解や重なり合いにこだわりの目を向けることが、少しづつではありますが、できるようになっている気がしています。
 また、こういった経験を通して、「人は人の手を借りながら、必ず自らの力で成長したり回復することができる」という希望を持つことがいかに重要であるか、対人援助職を志す身として大きな学びを得ることができました。この希望は、曖昧さや答えのない状況への苦痛を低減してくれる強い味方であると感じています。相手の成長や回復のプロセスを尊重して、待っている自分、会社員時代には考えられないことでした。「対話体験を通してネガティブケイパビリティを高める」が、2023年一番のリスキリングだったかもしれません。

~変わらない自分~

相手がいるから頑張れる自分

 昔から、相手のためにできることには妙に頑張れる気がします。相手のために力が湧く感覚、今も昔も変わらず自分の中に居てくれている気がします。これからも大切にしたいです。

先延ばしグセ

 希望を持って待つことと、やりたくないことを先延ばしにすることは、全くもって異なるものであります。さも意味ありげでもっともらしく言ってみましたが、後者は、私が長年変わらない(変えられない)と自負しているクセです。前者と後者の大きな違いは、希望の有無です。後者には焦りしかありません。2024年も変わらないのか、はたまた希望が持てるのか、こんな自分とも、ほどよく、気長に付き合って行きたいと思います。

 他者や自分との対話を通して、「今」変化しないことにも、「相手なりの」「自分なりの」意味があるのだと気づけたように思います。そしてそれは、「内省し成長するプロセス」を通して、変わる必要があると感じた時に自然と変わっていくのではないかと希望を持っています。

 

2024年の抱負

 対話を通して得られたこういった変化、自分だけでなく、もっと多くの人や場に共有したいと感じています。例えば、職場。上司と部下…新規プロジェクトのメンバー…同僚…復職支援…新入社員…元人事屋さんの血が騒ぎます。2024年はVCラボの学びと経験を広めるにはどうしたらいいか、何ができるか、考えながら実践する年にしたいです。

 皆様、最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。今年は暖かな年末になりそうですね。ゆく年、くる年、2023年の自分を内省し、2024年の自分に希望を託しながら、新たな気持ちでまた皆様と来年お会いできるのを楽しみにしております!よいお年をお迎え下さい。


来年の事を考えると、鬼に笑われても、わくわくしちゃう♪


特別研究員プロフィール
黒木 貴美子  (クロキ キミコ) 
ビジョン・クラフティング研究所 特別研究員
某大学院にて臨床心理学勉強中
精神保健福祉士