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趣味を趣味で終わらせたら もったいない

食事を改善しようと、『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』を読んでいます。

この本は一時期、流行っていたようですね。

ダイエットのために、朝は「バター入りコーヒー」を飲むべき、「果物とヨーグルト」は太る最悪の組み合わせ、などとダイエットの通説とは真逆のことを言っている本です。
ご存知の方もいるかもしれませんが、この本のレシピで、日本でも「バターコーヒー」が売られていたこともあるそうです。(ボクは知らなかったですが…)

このダイエット法自体はともかく、この本の著者は、もとはシリコンバレーのIT起業家だそうです。ビジネスで成功するも、肥満と体調不良に悩まされており、自分の身体で実験をして見つけたダイエット法をもとに、この本を書いたようです。そして、ベストセラーに。

本を読んでいて、彼のあくなき探究心と徹底っぷりにはビックリさせられますが、経歴を調べてみると、なんだか違う見方もできそうです。

この人、もしかしたら、最初からダイエット法を売り出すつもりで、ダイエットしてたんじゃなかろうか。

最初こそ体調不良の改善が動機だったのかもしれませんが、最高の、そして逆説的なダイエット法を見つければ売れるだろうという魂胆があって実験をしていたのではないか、と思えてきます。

本にはダイエット法ができるまでの経歴も書かれています。たくさんの論文を読み漁り、専門家にも聞き、自分の体で徹底的に実験を行い、このダイエット法を作ったようです。

その徹底っぷりが、少なくともボクには、並ではないように見えます。ダイエットに、こんなに徹底できるのかな。

追求しすぎてしまう彼の性格なのか、それだけ肥満と体調不良に悩まされていたのか。「ぽっこりお腹が気になるからダイエットしとこうかな」程度のボクには、少なくとも彼ほどの熱量はないし、誤解を招く言い方かもしれませんが、「ダイエットなんて趣味でしょ」と思ってしまっています。(本当に悩んでいる方には失礼な言い方かもしれません。すみません。)

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イソップ寓話に有名な「レンガ職人の話」があります。

一応、あらましを書きます。

昔、レンガ積みをしている男性3人がいました。それぞれに話を聞くと、
1人目は、レンガ積みを「させられて」いる。イヤイヤやってるから不満たらたら。
2人目は、生活費のためにレンガ積みをしている。頑張っている。
3人目は、歴史に残る大聖堂を作るためにレンガ積みをしている。活き活き働いている。

「目的意識によって、退屈でつらいレンガ積みという作業も、やりがいが大きく変わるんだ。だから高い目的意識を持とうね。」
以前よく参加していた自己啓発セミナーなどで、高頻度で紹介される話です。

ただ、この寓話、少し違う解釈もできそうです。

同じレンガ積みにしても、目的によって【作り方が変わる】だろうなと。やりがいなんて漠然としたもの以前に、単純に作業内容が変わりそうです。

ボクはこの3人のレンガ職人が何を作ろうとしているのか知りませんが、家を作ろうとしているのか、橋を作ろうとしているのか、大聖堂を作ろうとしているのか、後世にも残る大聖堂を作ろうとしているのか。作り方が全く違いそうです。

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ボクは最近、新規事業の立案を、会社から命じられました。会社のメイン事業は学習塾。だから、店舗ビジネスを考えています。ただ、新規事業立案の初心者のボクは、1店舗でなんとか採算をとる構想をしていました。

尊敬する知人の経営者に相談すると、最初から10店舗つくる想定で考えたら?とアドバイスいただきました。もちろん1店舗目でも採算がとれないと拡大はできないけれど、10店舗を前提に1店舗目の設計すると、全然違うビジネスモデルになるかもよ、と。

初心者のボクは、このアドバイスの良し悪しは分かりません。けれど、たしかに1店舗だけで考えるのと、10店舗に拡大する前提で考えるのとでは、1店舗目の設計が変わってきます。どんな人を雇って、どんな設備を導入して、どう社内の仕組みを作っておくのか、などなど。

しかも、ポイントは【労力は同じ】ということ。
1店舗前提の立案でも、10店舗前提の立案でも、市場調査の労力は変わりません。

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新規事業ではなく、日常生活に目を向けてみても同じです。

子どもを抱っこするとき、ただ子どもを抱っこするのと、筋トレを意識して抱っこするのとでは、抱き方が変わります。しかし、抱っこという労力は同じです。

新入社員として働いているとき、目の前の仕事をただ覚えようとするのと、いつか後輩に教える前提で仕事を覚えるのとでは、働き方が変わります。しかし、仕事を覚える労力は同じです。

新入社員の研修をするとき、その1人に研修するのと、新入社員研修のマニュアルを作るのとでは、研修の仕方が変わります。しかし、研修すること自体の労力は同じです。

日々の生活で、ただ生活しているのと、なにか気づいたことを文章にして発信しようとするのとでは、物事の見方や考え方が変わります。しかし、生活自体の労力は同じです。

趣味を楽しんでいるとき、ただ楽しむのと、いつか誰かに教えようとするのと、いつかビジネスにしようとするのとでは、趣味への関わり方が変わります。しかし、趣味を楽しむための労力(道具の掃除や情報収集や予約など)は同じです。

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『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』の著者が、もとからビジネスにしようと考えていたのか、本当に体調がヤバすぎて改善しようとしただけなのか分かりませんが、
今の趣味、生活、仕事を何かに活かそうとする意識でいると、関わり方が変わるかもしれないなと思いました。趣味を趣味として終わらせない。

趣味ってすごいと思っています。好きで続けてしまうこと。仕事で疲れていても、考えてやってしまうこと。同じことでもイヤイヤやっている人と比べて、大きな差があります。ボクにとってマラソンやトライアスロンは苦行でしかないのですが、楽しそうにやっている人がいます。趣味って素晴らしいです。なら、人に教える、ビジネスにする前提で動いてみると、実際にそうするかどうかは置いておいても、また違った面白さがあるかもしれません。

■■今日の教訓(ポイント)■■

大きな目的を持つと、やりがい以前に、単純にやり方が変わる。

労力は同じなのに。

なら、目的を大きくもつほうがお得じゃないか。

■■以上■■

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