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【インタビュー#9】失った仕事、ワンオペ育児。35歳パートママの地獄からの復活

こんにちは!保育園児2人を育てながらフルタイム会社員をしている、もり なつ です。みなさんは自分の役割が「妻、親」と増えることで、将来を悩んでいませんか?「ライフステージに合う働き方を見つけたい」そう思う人の少しでもお役に立てたらと考え、子育てしながら共働きをしている人たちの【奮闘真っ最中の今】をインタビューしています!

第9回目のインタビューは、7歳女の子、5歳男の子を育てながら働くゆず茶さん(35歳・愛知県在住)です!

皆さんは、子供のためキャリアを犠牲にしたことはありますか?もしくは子供中心の生活に喪失感を感じたことはないでしょうか。

いつも明るくSNSで発信を続けているゆず茶さん。ですが過去には大好きな仕事を辞め、知らない土地での孤独育児で生きる意味を見失った時期もあったそうです。どうして今は楽しく生活できているの?何がきっかけだったの?辛い日々や葛藤、そこから抜け出したきっかけをインタビューしています!

【こんな人に読んで欲しい】
・仕事と自己実現を両立させたい人
・専業主婦だけど仕事を始めたいと思っている人
・乳幼児の育児に疲労困憊している人




子供を理由に大好きだった会社を泣く泣く退職

―大学を卒業して、どんな仕事をしていましたか?
鉄道会社に入社をして駅員をしていました。鉄道会社を選んだ理由は電車が大好きだったからです。私には5歳下の弟がいて、昔から一緒に電車を見に行ったりプラレールを作ったりして遊んでました。だから電車に対する愛着が自然と芽生えたんですよね。

駅員の仕事は忙しい毎日だったけど「大好きなことに関わる仕事ができている」と、自身を誇りに思っていました。だから育休から復職するタイミングで退職したときは喪失感でいっぱいで。

―なぜ退職を?
長女の育休が終わるとき、色々と復職後の生活をシュミレーションしてみたんです。そしたらどうやっても復職生活がうまくいかないことに気づいてしまって。

駅員は早朝勤務があるんです。だけど当時の夫は仕事ばかりで、早朝勤務のときに子供を頼める状況では全くなくて。
それでも何とか復職しようと、ファミリーサポートの登録をしました。でもだからといって、全ての早朝勤務がカバーできるわけではない。両親も遠方で頼れないし、夫は転勤族でいつどこに行くのか分からない。考えれば考えるほど、両立は無理だなと感じて退職を決断しました。

保育園の内定はもらっていたし、一度は会社に復職しますと言っていたので「やっぱり戻れません。ごめんなさい」と伝えたときの心中は複雑でした。好きな仕事を子供が理由で辞めたという事実も辛かったけど、正規雇用を手放したことも悔しかったんです。

明日が来なければ良い。ワンオペ地獄の専業主婦生活

―主婦やパートは望んでいなかったんですね
そうです。その考えは私の母の影響もあるんですよ。母は専業主婦だったんですが父との関係が悪く、経済的に自立して離婚するために資格取得や勉強を頑張っていました。私が小学校高学年になった頃にはフルタイムで働き始めてたんですけど、頻繁に「これからは女も稼ぐ時代」と言っていて。その言葉が私の価値観の形成にも影響しているんです。夫の収入を頼りにするような生活はしたくないって、ずっと思っていました。今でも1日も早く扶養内妻から脱却したいって思っています。

だから、退職したあと「何の私の人生なんだろう」と思ったり、「ママが自由に働けない社会って何なの?」という憤りも感じていました。

ー専業主婦になってからはどのように過ごしていましたか?
とにかく毎日が必死だったことしか覚えていないかな。馴染みがない土地で知り合いもいない環境での育児。これからどうしていこうとか、どうしたいとか、そんなことを考える余裕はなかったです。

育児が辛すぎて「明日が来なければいいのに」って思ったことが何度もありました。ちょうど子供が2歳と0歳の頃です。当時はワンオペで夫の転勤先だったから知り合いもいなかったし、育児に疲れ果てて外に出る気力もありませんでした。

夜、必死に寝かしつけをしても、どうせ下の子は数時間後に起きてくる。朝になったらイヤイヤ真っ盛りの2歳児が、わけ分かんないことを言ってくる毎日が続く。そう思うと、朝なんて来なければいいのにと布団の中で思っていました。育児が苦しくて、私はこのままではどうにかなってしまう。誰かに助けてほしいって、児童相談所に電話したこともあります。

だけど数年たったとき、夫が転勤になったんです。その時「もうこんな生活は無理だ。転勤先にはついていかず地元に戻ろう」と決めました。その後、なんとか子供を保育園に預けることができ、食品会社のパートを始めて今に至ります。

ただ正直、仕事はぜんぜん楽しくない。一般事務っていうのかな?書類の整理をしながら「誰でもできる仕事だな」とか「なんで私がファックス送ってるんだろう」とか考えちゃいます。もっとワクワクする仕事がしたいなって。だけど小さな子供が2人いて、事務経験がない私を雇ってくれただけラッキーだと思い込むようにしています。職探しをしていたとき、どこも雇ってくれないんじゃないかって心配していたから。

目指すは、脱・扶養妻!もう一度、仕事で胸を張れる自分に

ー仕事は不満が残りながらも、仕事外ではとても充実して楽しいと毎日だと伺いました
そうなんです。SNSで発信を始めるようになったらたくさんの人と繋がりができて、その方々と交流することがとっても幸せです。

きっかけは育児にすごく悩んでいたとき、解決方法をインスタであさっていたことなんです。そしたらバブリーたまみさんという、育児あるあるをユーモアたっぷりに発信している方を見つけました。

彼女の投稿に共感したり励まされたりすることが多くて夢中になり、彼女の音声配信も聞くようになりました。そしたら、耳で情報をインプットすることに慣れてきて、オーディオブックで読書をするようになりました。それで偶然おすすめに上がってきたWeb 3関連の本を覗いてみたら、「へえ、こんな面白い世界があるんだ!」って興味が湧いて。

「Web3の世界は楽しそう、だけどなんだか難しそう」と悩んでいたとき、初心者向けのNFTコミュニティを見つけました。それで思い切ってそのコミュニティに参加してみたんです。そしたらNFTがどうこうというよりも、コミュニティで私の発信に周りがリアクションしてくれることが嬉しくて。

子育ては愛する子供の成長を見ることができて嬉しいけど、日々のほとんどは大変だし孤独です。もう嫌だ、逃げ出したいなと思うこともある。そんな日常の隙間時間にコミュニティでママたちに本音を言うとホッとするというかすごく気持ちが楽になるんです。最近ではwebイベントで役割を担うようにもなってきて、ますます活動が楽しいです。

ーSNSで見るゆず茶さんはイキイキしています
本来の私はこうだったかもしれません。出産してからこれまでの自分はちっとも自分らしくなかった。ママの殻に閉じこもって「母親なんだから我慢しなきゃ」という考え方に染まっていました。子育て中はやりたいことができなくてもしょうがない、耐えるしかないっていう思考です。だけどそんなことは全然ないんですよね。今はそんな思考から少しずつ脱却できている感覚があります。

会社を退職してから数年は、辛くて辛くてたまらない毎日だったけど、育児に悩みまくっていた地獄の時期があったからこそweb3の世界に辿り着き、今は楽しく過ごすこができていると思うと不思議な気持ちだし感慨深いです。

もしかすると「ゆず茶」としていろんなことに前向きにチャレンジできているのは、どんな経験も未来につながると経験を通じて学んだからなのもしれません。


私はもう一度、扶養内で働くことから抜け出し、経済的に自立したいんです。今はwebマーケティングに興味があるので、その関連で働ける仕事が見つかれば理想かな。

私は働いている自分が好き。出産を機に大好きだった仕事を手放してしまったけど、もう一度、自分が納得できる仕事をして経済的に自立したい。そのチャンスを自分の手で掴みたいんです。

**編集後記**
子供のためにキャリアを一時的に犠牲にすることは、多くの親が経験することなのではないでしょうか。その決断や自己実現との間で生じる葛藤を、ゆず茶さんは正直にざっくばらんにお話してくれました。悩みながら子育てをする経験を通じて自分自身を再発見し、新たな楽しみや可能性を見つけたゆず茶さんをみて、改めて未来は今の選択の連鎖できているのだなと感じました。


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