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【わかばルームのすきま教材・ひらがな導入】線引き「よこせん」 (無料)

どうも、わかばルームです!ご閲覧、ありがとうございます!

小学生になって通室を始めたお子さんたちと勉強をしていて気付いたのですが、「消しゴム」が屈辱になっているお子さんがいます。なかなかの頻度で出会うことがあります。

屈辱なので、消しゴムで消すことをとても嫌がります。消すと自分の間違いを認めることになるので、そこを嫌がっているようであります。消さないで、間違って書いた上から間違ってなんかいないと重ね書きをするのですが、そうやっているとプリントやノートがぐちゃぐちゃになってしまい、学習したことが整理されにくくなる問題が起こってきます。

また、自分の間違いとしっかり向き合うことで前進できることが学習にはたくさんあるものですが、そもそも消しゴムで消さなければならないことを屈辱のように感じるものですから、ちゃんと消しゴムで消すように迫ると、向き合うどころかひたすら機嫌が悪いまま、間違ったことを引き摺り続けるようなことが起こってきます。間違えたことを大袈裟に考えすぎて必要以上に不快感を感じてしまうわけですから、本質的には自分の間違いを怖れているとも言えるでしょう。それ故、間違いが学びにつながっていかないのです。

さて、こうした消しゴム嫌いの問題は、幼児期の消しゴムを使い始める時期にもう起こり始めることにも気付けてきました。ということは、消しゴム使用初体験が重要であると意識せねばならぬことになります。

消しゴム使用初体験が、この線引き課題の場面でやってくる可能性は高いです。というより、線引き課題で消しゴム使用初体験をできるように意図するくらいの方が良いかもしれません。

線の引き方については次第に解説して参りますが、線が枠からはみ出たり、鉛筆が引き始めと引き終わりの点を外してしまったりして、子どもが「やっちゃった!」という気配を見せている場面で、「大丈夫だ、こういうときは消しゴム出動だ」などと言いながら消しゴムを出し、「これでここのところを消すね」と子どもに承諾してもらった上で、まずは指導者が「どうだ、すごいでしょ、これで大丈夫だよ」と消してあげるのが良いと思います。「消しゴムはすごいんだよ、消えちゃうんだよ、強い味方だ」とポジティブなイメージを言葉にして伝えます。なにより、「消しゴム出動」というフレーズが印象に残るように、消しゴムを出すときは必ず言うようにすると効果的です。救急車とか消防車とかパトカーが出動するようなイメージですね。子どもが消しゴムを面白がるようになったら、手指の巧緻性も考慮しつつ、いけそうでしたら本人に消してもらうようにすると良いと思います。その後、家でも子どもが「消しゴム出動!」と言いながら消しゴムを出して消すようになった…と保護者の方から報告していただくことはよくある話です。消しゴムが楽しくなってくれるのですね。これならもう、消しゴムは屈辱ではありません。屈辱どころか、これがいてくれれば間違っても大丈夫…と、安心感を感じているようでもあります。

ここは異論のある方もおられるようですが、私は子どもが自分の誤りや失敗を怖れなくなることがその後の発達や成長にとってとても重要であると考えるので、「消しゴム出動」はそうした姿勢を作るのに役立つ体験であると位置づけています。失敗は悪いことではなく、絶好の成長の契機なのです。どんどんたくさん失敗したネズミほど早く迷路を抜けるようになるという実験があります。それから、人工知能は失敗すればするほど賢くなるのが早いという話を聞いた時、やっぱりそうかと思いました。職人さんの中には、失敗するほど早く覚えるというので、敢えて弟子が失敗するのを分かっていて止めないようにしている方も多いそうで、それは伝統的な学習の方法でもあるようです。

そんなわけで、初めての消しゴム体験に「消しゴム出動!」をどうぞご活用ください。是非、子どもには「消しゴム」を好きになってもらいたいのです。

●ひらがな書字へと導いていくプロセスで良い助けとなることのある線引きの課題を、様々な難易度のステップでバリエーション豊富に練習できるように考え、このシリーズを作成しました。
●おうちをスタート、ねこちゃんをゴールにして、線を引く課題です。
●ひらがなへの導入を意図して作成しましたが、他の用途でもどうぞお使い下さい。
●本教材は、規約の範囲内であれば、個人、法人、公的機関、商用、非商用問わず、無料でご利用いただけますが、サポートしていただくことで拙相談室の活動をご支援下されば幸甚に存じます。
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