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1個買うと2個ついてくる出前館のキーマカレーと『PK』(連載予定(?)「映画とごはんとワンルーム」)

登場人物
僕:22歳、会社員。裏の顔はヒヨッコ映画監督。お姉さんのことが好き。お姉さんからはワンワンと呼ばれている。そろそろ本名を忘れられたかもしれない。
お姉さん:25歳、会社員。たぶん、僕のことよりお布団とごはんと映画が好き。僕からはお姉さんと呼ばれている。

本日の献立
・一個頼むともう一個ついてくる出前館のキーマカレーセット(チーズナンとプレーンナンつき)
・100円セールしてたファミチキ

世間は水曜日。戦士たちが1週間の後半戦に向かう頃に、僕らのわんぱく食卓で試合開始のゴングが鳴る。

食卓に広がるのは、お姉さんが昼間たまたま見つけちゃった出前館のキーマカレー。あの"1個買うと2個ついてくる"という謎システムで手に入れたもの。
ちょっと前に、駅からの帰り道で僕が「キーマカレー食べたいな」と言ったことを覚えてくれていたのか、今日の業務中に「まだキーマカレーたべたい??」という連絡がなんの脈略もなく唐突にきた。この瞬間、おそらくキーマカレーを食べたいのは僕よりお姉さんなんだけど、”キーマカレー"というワードを出せば僕が食べたくなることを知っているのか、それとも"この人の胃と私の胃のご機嫌は同じ"と信じているのか、はたまた両方なのか。わからないけれど僕はお姉さんのこういうところが好きだな、と思ったし、僕のお腹は晴れてキーマカレーの気分になった。

数種類から選ぶナンは、互いに気持ちの良い合意を図りそれぞれチーズナンとプレーンナンを選択。食卓には見事キーマカレーとナンのセットと、僕が帰り道に"1個100円"という垂れ幕を見てまんまと買って帰ったファミチキが並ぶ。
カレーとナンとフライドチキン。今日も平和にわんぱくだ。

今日のお供はインド映画『PK』。だいぶ前にTSUTAYAで、最低プレミアム会員こと僕が借りてきて、1ヶ月ほど放置していたやつ。カレーだし、インドだし、ちょうど良いので観た。

「宗教ならコレ」と言われる意味はわかった。
機能として、時にはビジネスとしての宗教について、"それっていいの?"と問いかけてくるお話。タイトルにもなっている主人公「PK」が、劇中その問題に真摯に向き合っていく様子がなんともピュアで面白い。というか、可愛い。
宗教によって安心していいし、神様のおかげで強くなれる日があっていい。ただ、宗教のせいで好きな人と結婚できなかったり、夢を諦めてしまったり、人が泣いたり苦しんだりするのって、本当にいいのかな?っていう意図の映画だったと僕は感じている。そんな映画を宗教大国インドで製作できるって、やっぱり『きっとうまくいく』がかなりうまくいきすぎたからできたことなのだろうか?

ちなみに途中、僕らはちょっと寝た。
今日ちょうど「バナナマンの日村さんみたいな我々は、日村さんみたいな人を恋しく思っちゃうけど、設楽さんみたいな人を探そう。多分運命の人ってそういう方です」(超ざっくり要約)というお話を読んで、床で寝ちゃう日村さんを「可愛いね」って笑ってたはずなんだけど、今日の僕らは二人とも床で寝た。

どっちかが設楽さんにならなきゃね、なんて思ったり、でも僕らは日村さんのままでいっか、と思ったりするけど、よくよく考えるとお姉さんの日村さんっぽいところは僕の設楽さんで補ってるし、僕の日村さんっぽいところはお姉さんの中の設楽さんが助けてくれてる。だから、『PK』を見ながら足の人差しを触り合って「指が長くてかっこいいね」って笑ってる日々で、日村さんのように映画の途中で床で寝ちゃっても、設楽さんのように状態を立て直してお皿を洗ってハーゲンダッツを出して後半戦を始められる僕たちなら、きっとうまくいく。

次は何を観ようか。

おわり

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