見出し画像

【経営学1】経営学体系

【SYNCAオープン!】

経営管理部門・バックオフィス特化型の転職サイト「SYNCA」(シンカ)がオープンしました😁
皆様是非ご活用ください!

はじめに

経営学を最初に学び始めたのはいつだったか……🤔
初めて会社を立ち上げた頃なので、23~24歳頃だった気がします。
その当時から『わけのわからないカオス学問だなぁ』と感じていましたが、今でも全く同じ感想を持っています。

他の学問は、ある程度体系があって、学びやすくなっています。
法学なんてその典型で、非常にわかりやすい学問です。
憲法を頂点として、民事法・刑事法・行政法で分けて体系化することができますし、各法律の内部もかなり体系化が進んでいるので、テキストを読めば大体わかります。
ある程度ビジネスで使えるレベルまで学ぶなら、2~3年あれば十分に習得できると思います。

でも、経営学は2~3年では全然🤣
2~3年かけて基礎を浅くやれればいい方です。
5年くらいかけてやっと1科目をちょっと深く学べるくらいじゃないかと思います。

それでも「実務で使えるレベル」にはまだまだ程遠いです。
現に、経営学部を卒業した子たちが4年かけて学んでいるのに何も知らないでしょう。
MBAで学んだ人たちの多くが、ほとんど経営実務で役に立たないなんてこともよくある話です。
それが普通です。
それほど難しいし、広い学問です。

そもそも体系そのものがカオスなんですよ😨
いや、カオスどころか、体系がほとんどないようなものだと思います。

複数の学問分野にまたがっている科目が多く、私が知る限りでは、経営学体系はまだ確立されておりません。
しかも、次から次へと新しい領域が出てきているので、きっとこれからも確立しません😍
そんな終わりの見えない素敵な学問が経営学だと思っています。
個人的には、そういうところも含めて大好きな学問の一つです。

でも、体系がないと記憶しづらいですよね……。

そこで、今回はちょっと大きな挑戦ではありますけども、私なりに考えた経営学体系を作ってみたいと思っています。

経営学のすべてを網羅する体系は作れませんが「ビジネスで役に立つ程度の経営学体系」ならば、なんとなくイメージはあります🙄
今回の記事はその程度のものとしてお考えいただければ幸いです。


画像2

1.体系化の目的

そもそも「体系」とはなんでしょう。
goo国語辞書では「個々別々の認識を一定の原理に従って論理的に組織した知識の全体」と書かれています。

わかりにくっ😨

瀧田的表現でいえば、「体系」とは、「個々にバラバラになったものを何らかの機能や特徴でまとめて、一体として理解しやすいように類型化したもの」です。
そして、本記事では、バラバラのものをわかりやすいように、類型化することを「体系化」ということにしましょう!

そうすると、どのような切り口で体系化するかによって全体の体系も変わるはずです😁
そして、体系化するための切り口は、何を目的として体系化したいのかによって変わってきますよね🙄

ということで、体系化したい目的を考えてみましょう。

まず、私達ビジネスマンは学者ではないので「真理を探求するために」経営学を学びたいわけではありません。
あくまでも、「経営実務で活用して、ビジネスマンとして結果を出すために」学びます。

そうすると、無駄な科目を全部省いて、必要最低限の科目を把握し、実務で早期に活かしたいですよね😍

学者や研究者になりたい方は、もっと理論的な体系がお望みだと思いますが、私は実務家なので、どちらかというと必要最低限で済ませたい派です。
深い探求や最先端領域研究は、土日に行う趣味でいいかなと思っています。

そのため、今回の体系化も、この連載のコンセプトでもある「明日使える」くらい実用的なもののみに絞りたい。

だとすると、経営実務で実際に関わる学問分野を基礎にして体系化した方が有益でしょう。

ということで、経営実務でかかわる学問分野を先に明確にします

なお、このnoteはベンチャー界隈の方を対象にしているので、関わる学問分野もベンチャーを中心に考えます。


画像3

2.経営実務でかかわる学問分野

結論からいうと、私は、経営実務でかかわる学問分野は、以下の5つの学問分野に集約されると思っています。

・経済学
・法学
・会計学
・心理学
・組織論

以下、ざっくりと説明します😍

まず、ベンチャー企業といえども、経営戦略は練りますし、市場分析も行います。
競合調査もするでしょうし、どのような選択肢を取るのが最適なのかという点も経営会議で議論するでしょう。
これらの領域はほぼすべて経済学領域で研究されてきた分野です😁
ゲーム理論やエージェンシー問題なども全部経済学。
したがって、経営を行う以上、経済学からは逃れられないDestiny(運命)です!

そして、法学会計学からも逃れられないですよね😅
社会のルールが法律ですから、そのルールの範囲内でビジネスを展開するしかない。
そして、そのルールに基づいてビジネスを行った上で、利益を算出し、税金を収めるまでが一つのターンです。
この利益算出のルール、税金のルールは会計学の領域です。

さらに、最近では、人間そのものを大切にする文化が根づいてきていて、心理学の要素を経営に取り込む動きが活発になってきています。
組織マネジメントにおいても心理学的に分析していこうという動きですね😍
そのため、心理学も最近では超重要科目と位置づけられています。

最後に、経営学のコアとなる科目である組織論が入ります。
組織論は、組織を科学する学問です。
どういう組織にすれば効率的に会社経営が行えるのかという全体的な視点をマクロ組織論といいます。
一方で、個人に目を向けて、モチベーションやリーダーシップなどの解明に挑んでいるのがミクロ組織論です😁
これらの学問も極めて重要です。

以上より、経済学・法学・会計学・心理学・組織論の5分野が体系となります。

これらの学問分野のうち、心理学については別途「明日使える心理学」シリーズで扱おうと思っています。

では、それぞれの学問分野で、どのような科目を学ぶのかについて見てみましょう😁


画像4

3.具体的科目

以下、それぞれの学問分野について、具体的科目を見ていきます。

(1)経済学分野

経済学分野は、おそらく一番科目数が多いです🤔
MBAでも経済学系の科目ラインナップは相当数あるので、もし大学院に行くことがあれば、是非取ってみてください。
なお、数学的素養がないと発狂するほど難しい科目があるので要注意です。

そんな経済学系の科目(主に経済学分野で発展してきた科目)は、以下のようなものがあります。

- マクロ経済学
- ミクロ経済学
- 経営戦略論
- コーポレート・ガバナンス
- 交渉術
- ゲーム理論
- マーケティング
- 統計学
- 行動経済学

このうち、行動経済学は、心理学分野でも研究が進んでいるので、学際的な科目です😁
最近話題のコーポレート・ガバナンスも、「エージェンシー問題」という恐ろしく難しい経済学論点が出てきますし、その他法学領域・会計学領域でも研究が進んでいます。
この領域も相当なカオスになっているので、一度やってみるといいかも知れません。
あと、ゲーム理論も激難しいです😍
ゲーム理論領域では、ノーベル経済学賞を受賞したことで有名なジョン・ナッシュ教授の話もどこかでしたいなぁと思っています。

経済学は、社会科学(俗に言う文系)の中でも、最も自然科学(理系)に近い分野で、数学を多用します……。
そのため、最も難易度の高い領域だとお考えください。
私のこのnoteではほとんど扱わない予定です。
なぜなら、私の能力では「明日使える」レベルで説明できないから👍

どう頑張っても明日使えないです。
明日使えるレベルまで落とすと、物凄く浅い話になるので、書くべきかどうか悩み中です。
もし読者の皆さまが、実務で使えるレベルまで勉強したいと思うのであれば、高校数学をしっかりやり直した後で、2~5年かけて学ぶのが良いかと思います😣

(2)法学分野

法学は、極めて重要な分野ではありますが、難易度が高い+範囲が極めて広いため、MBAではあまり充実したラインナップとなっていません。
実務上、弁護士に任せる領域でもあるため、基礎さえわかっていればそれでいいと考えられているからでしょう😁
私自身もそう思っています。
下手に知識をつけると、調子に乗って自分でやろうとしますから、失敗の元です。

なお、大学院でこの領域をしっかり学べるのは、一橋大学院のビジネスロー専攻と筑波大学大学院の法学学位プログラムだけだと思います。
その2院でも、さらに領域ごとにコースがわかれているはずです。
それほど広い範囲です😨

科目としては、以下のものがあります。

- ビジネスロー
- M&A
- 組織再編
- コンプライアンス
- 知財戦略
- リーガルマインド
- ビジネス紛争処理
- 国際法

この中で、最も範囲が広いのがビジネスローです。
ビジネスローとは、ビジネスで使う法律の総称で、主なものでいうと、以下のような法律があります。

民法、会社法、消費者契約法、金融商品取引法、民事訴訟法、刑事訴訟法、著作権法、意匠法、特許法、商標法、不正競争防止法、個人情報保護法、独占禁止法、労働法、社会保障法、税法、行政法(山程ある)、電気通信事業法など……

これ、ほんの一部です。
私も学びはじめて8年ほど経ちますけど、基礎中の基礎くらいしか終わっていません。
科目によっては基礎もわからないです。
司法試験予備試験の範囲なんか、ただの準備体操レベルでした……。

ちなみに、一つの法律の中に、さらに専門分野がいくつもありまして、その分野だけで20年以上研究している先生達ですら「まだ終りが見えない」というほど広い分野です😍
全科目マスターするとか絶対に無理です。
来世と再来世に期待しても無理でしょうね。

私からのアドバイスとしては「法学分野には深く足を踏み入れないように!」ということだけです。
浅く広く、概要が分かる程度で十分です。
それ以上行きたい人は、一生変態で居続ける覚悟を持って行かないといけません。

(3)会計学分野

会計分野は、WARCにいっぱい専門家がいるので、私が書けることはほとんどありません😁
科目としては、以下のようなものがあります。

- 簿記・会計論
- ファイナンス(資金調達)
- ファンドビジネス
- キャッシュフロー経営
- 財務分析
- バリエーション
- インベストメント(投資)
- アセット・マネジメント
- リスク・マネジメント
- ポートフォリオ・マネジメント
- 金融数理

正直、ようわからん分野です😅
一通り本は読みましたが、法学同様、あまり深みに入ったらいかんなと思う分野でした。
私は、学問には「わかる・できる・教えられる」という3つの段階があると考えている派ですが、この領域は「わかる」までで十分だと思います。
それぞれ専門家がいらっしゃるので、その分野に精通している公認会計士・税理士に任せるのが一番いい。

ただし、この領域は一通り学んでおかないと、無知が大きな損失に直結する分野でもあります。
ファイナンスやバリエーションの基礎知識は経営者なら必須でしょうし、財務諸表が全く読めませんでは経営なんて絶対にできません😅

なので、基礎的なところは全部本を読んで「わかる」状態にしておく必要があります。
「わかる」とは、専門家に説明してもらったときに何を言っているのか大体わかるというレベルだとお考えください。
経営実務でも、ほとんどのケースで公認会計士等に頼む領域なので、アウトプットされた資料等を読み解けるレベルであればそれで十分です。
それだけでも3~5年かかると思います。

なお、CFOを目指す方、経営企画部長を目指す方などは、深く学んでおかないといけない分野です😁

(4)心理学分野

最近重要度を増している心理学分野ですが、その範囲は広大です😅
ただ、ビジネスで使う科目はそこまで多くありません。

最低限必要な領域で言えば、以下の科目があります。

- 組織心理学
- 認知心理学
- パーソナリティ心理学
- 行動心理学

これらの内容については、上述した「明日使える心理学」シリーズでお伝えします😁

(5)組織論分野

経営学といえば組織論です。
正直、他の科目は「経済学」「商学(会計学)」「法学」「心理学」のそれぞれ領域で本家がございまして「経営に関することだけを抜き出して経営学に無理やり入れました」という感じがします😅
実際、そういう感じです。

しかし、組織論だけは、唯一純粋な経営学といえないこともない😍
よくよく観察すると、経済学と心理学領域が多いけど、経営学だと言い張りたい!
そんな分野が組織論です(笑)

前述の通り、マクロ組織論・ミクロ組織論がありますので、それぞれ分類すると、以下のような科目があります。

【マクロ組織論】(組織全体)
- 組織論(構造分野)
- 人的資源論
- マネジメント
- プロジェクト・マネジメント
- キャリア・マネジメント
- 人材育成
- イノベーション(組織)
- ビジネスモデル

【ミクロ組織論】(個人に着目)
- リーダーシップ
- アントレプレナーシップ
- モチベーション
- 経営哲学
- ロジカルシンキング
- クリティカルシンキング
- イノベーション(個人)

いくつかは聞いたことがある科目もあるのではないでしょうか?
私はこの領域が大好きでございまして、ずっと学んでいても飽きない分野です😍

なお、マクロ組織論に入れている「ビジネスモデル」は、着目する箇所が違うと会計学に属することもありますし、ビジネスモデル単体で新しい分野を形成しているようにも見えますから、組織論に入れるのは適切ではないかもしれません。
ただ、どのように組織を組み合わせるのかという意味ではビジネスモデルも組織論的側面があるので、一応組織論に入れました😍


画像5

4.経営学体系まとめ

ということで、経営学体系は、以下の図のようになると私は考えています😁

経営学体系 (1)

ちょっとは理解しやすくなりましたかね?😨

少なくとも、これからこの5つの学問分野を修めないといけないんだということが伝われば私としては満足です👍
その上で、自分の専門分野を確定し、そこを深く学ぶ必要があります。
浅く広いだけの知識ではほとんど役に立ちません😁

なお、この体系はあくまでも瀧田説なので、一切学術的根拠なしです🙄
自分でここ10年くらい学んだことを体系化するとこうなるなという感じです。

これから、この体系に沿って、記事を書いていこうと思っています。
何年かかるかわかりませんけども……
山本さんが許してくれる限り書き続けようと思っています🙄


おわりに

それにしても経営学って、カオスですよね😑

「経営学部」とか「経営学研究科」という学部・科が最近では置かれるようになりましたが、昔は「経済学」「商学」が主流で、それぞれで経営領域の研究がされていたんですよね。
今でもおそらくそれらの学部が主流です。
だから現在でも、経営学研究科の教授の皆様は経済学や商学の博士が多いです。

かといって経営学の方が下なのかというと少し違います。
経済学や商学の先生方からみると学問的には下だと思いますが、私は性質の違いだろうなと思っています。
要するに、実務よりなのか、学術よりなのかの違いです。
経営学は、実務よりなのです😁
だからこそ、ビジネスマンにはちょうどいい学問だと思うんですよねぇ。

元々は、アメリカで大人気だったハーバードビジネススクールのエッセンスを日本でも取り入れて、ビジネス特化型の大学院をはじめて開校したのが慶應義塾です。
慶應はそれ以来ずっと先進的な存在です。
私もいつか慶應に行きたいと常々思っています。
今では一橋・早稲田もビジネススクールに本気出してきていますから、これから経営学研究科(MBAコース)は大流行すると思います🙄👍

だって、経営学面白いもん😍!

この面白さを少しでも皆さんにお届けできたら嬉しゅうございます。

そして、MBAホルダーやMBLA(ビジネスロー)ホルダーが集う会合とかいつかできたらいいですね。
経営実務を担うメンバーで知の共有ができたらもっと有益!

まだ1記事目ですが、50連載くらいまでは頑張りたいと思っています(笑)
どこまで体力が続くかわかりませんが、皆さんよろしくお願いいたします!


【お問い合わせ】

この記事は、株式会社WARCの瀧田が担当させていただいております。
読者の皆様の中で、WARCで働きたい!WARCで転職支援してほしい!という方がいらっしゃったら、以下のメールアドレスにメールを送ってください😁
内容に応じて担当者がお返事させていただきます♫
この記事に対する感想等もぜひぜひ😍

recruit@warc.jp

【WARCで募集中の求人一覧】

【次の記事】

【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
いつでも気軽に友達申請送ってください😍

Facebook:https://www.facebook.com/harukazutakita
LinkedIn:https://www.linkedin.com/in/harukazutakita/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?