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【勉強系27】ビジネスマンが最低限の法律知識を得るために読むべき書籍10選

【Co-WARCサイトオープン】

WARCに所属している公認会計士・税理士の皆さんで組織された会計コンサルチームであるCo-WARC(コワーク)のサービスサイトがオープンしました。
是非御覧ください。


はじめに

社会人になると、多くの人が法律の重要性を認識します。
たぶん!

大人になるにつれて自分自身が契約の当事者になることが増えますから、その都度法律知識の重要性を認識させられるはずです。
更に年齢を重ねていくと、様々なトラブルに巻き込まれたり、他人が巻き込まれるのを見聞きするので、さらに法律の重要性を再確認させられることでしょう。

私生活上でよく発生する結婚、離婚、子育て、物品購入・売却、保証、賃貸、業務委託、請負、発注、受注、保険、相続、事故、入院、就職、転職、納税、旅行、恋愛トラブル……これら全てに法律分野が存在しますし、法律行為が隠れています。
我々が行う経済活動のほぼすべてに「法律」が関わっていて、法律が全く関係しない領域を探す方が難しいくらいです。

法学という学問領域は「知っている」ということそれ自体が武器であり、強固な盾にもなります。
私自身、年に数回は「法律やってて良かった!」と思うことがあります。
過去、法律を知っていることで損をしなかった金額又は得をした金額を総合計すると、かかった学費の10倍くらいはリターンを得ていると思います。
それほど、法律知識には価値があります

経済的メリットでいうと会計知識には敵わないと思いますが、全学問の中でトップ5以内には位置しているのではないかと思っています。
私の中では会計学→医学→法学→経済学(経営学含む)→心理学という順番で価値があると考えていますので、第3位に位置する学問です。

しかし、私は法律を専攻していない一般の皆様に「法学を学んだほうが良いよ!」とは言えません
なぜなら、中途半端な法律知識だと無益どころか有害にすらなり得るからです。
中途半端な知識で法律行為を行うと、結局大きな損害を被ったりするので、むしろ何も知らないままの方が素直に法律家を頼れるため損しない場合があります。

法学という世界は極めて広く、かつ、深いです😱
そのため、実際に経済的メリットを得るレベルまで学ぶのには、長い時間がかかります。
それに、生半可な気持ちで入ってしまうと沼にハマるか弾き返されるかで、結局何も得られずに終わることが多いです。

また、法学を所得の基礎にしようという発想もオススメできません。
なぜなら、法学で飯が食える人なんていうのは極々一部の人たちだけだからです。
相当高度な法学知識を有し、かつ、それを活用できるビジネスセンスがないと無駄になります。

そのため、私は他人にむやみに法学を勧めないようにしています。

今日は、それでもなお「社会人として最低限の法律知識がほしい!」と思っている人たち向けに書籍を10冊ほどご紹介したいと思います😁



【初級編】

初級編では、分野ごとに最低限必要な法律知識が得られる書籍をご紹介していきます。
社会人としての最低限の法律知識はこの初級編だけで十分です。
ここを超えると沼が広がっていて、下手をすると出てこられなくなります。
法学は金食い虫の学問なので、お金がいくらあっても足りません。
専門書レベルの法律書は1冊3,000~7,000円しますので、初級編で抑えておくことをおすすめします🤣



1.ビジネス実務法務検定テキスト3級

2.ビジネス実務法務検定テキスト2級



ビジネスで使う法学知識(法学分野ではこれを「ビジネスロー」といいます)の基礎的な部分は、ビジネス実務法務検定3・2級で得られます。
日商簿記試験を開催している東京商工会議所が主催している試験ですので、ある程度認知度もある資格です。

社会人が最低限の法律知識を得たいと思うのであれば、まずはビジネス実務法務検定の受験を検討すると良いと思います😁

上記2冊のテキストを読んでみて、イケそうだと思えたら取得を検討してみると良いでしょう。

問題集が別途販売されているので、それを3周くらいすれば誰でも合格できると思います。
早い人は1ヶ月程度で2級の取得が可能です。



3.みんなが欲しかった!FPの教科書3級

4.みんなが欲しかった!FPの教科書2級


続いて、身近な法律知識として、不動産、相続、税金、投資に関連する法の基礎的な部分についてはファイナンシャルプランニング技能士(通称FP)の3級と2級を学ぶのが最も効率的です。
FPは一応国家資格なので持っておいても損はないでしょう😁

私生活で必要となる最低限の法律知識がギュッと詰まっているので、非常に有益な資格だと思います。
これで食っていくというタイプの資格ではなく、あくまでも自分の私生活で活用できる法律・金融知識が得られる資格です。

ビジネス実務法務検定と同様、一度テキストを読んでみて、イケそうな気がしたら取得を検討してみると良いと思います。

早い人は1ヶ月程度で3級に合格すると思います。
2級でも2~3ヶ月あれば十分合格できるでしょう。
計算問題も一部ありますが、中学生レベルの四則演算ができれば問題なく解けると思います。
そもそも電卓使用OKの試験なので計算手順さえ理解していれば簡単です😁


【中級編】

続いて中級編です。
このレベルになってくると、かなり覚悟を持って読まないと読み終わらないだろうと思います。
法学の最大の弱点として、書籍が基本的に「面白くない」という特徴を持っています。
小難しい言葉でダラダラと説明が続くものが多いので、好き嫌いがはっきり分かれます。
なお、9割の人は嫌いだろうと思います🤣
それを覚悟の上で読みたい方はどうぞ!



5.最新版 労働法のしくみと仕事がわかる本


社会人になって数年経つと、労働法に興味を持つ人が増えます。
これは、自分が締結している労働契約の性質や雇用の仕組みに興味を持つからでしょう。
そこで多くの人が労働法の代表例である労働基準法等の勉強を始めようとします。

しかし、労働基準法はめちゃくちゃ面白くないです!

それもそのはず。
あれは国として最低限の労働条件を定めた法律で、どちらかというと手続や基準が定められている法律なので、学んでいても別に楽しいものではないのです😱

また、労働法はその下に連なる下位法令(規則等)が大量にあるので、暗記系科目になってしまいがちです。
そういう勉強をしてもあまり頭に入らないと思うので、まずは上記の書籍のように労働法専門の弁護士が書いた労働法全体の概要書を読んで、大雑把に趣旨から理解する方が有益だと思います。

全体像がわかるといろいろなところで活用しやすいので😁

ただし!
労働法を学ぶときにご注意いただきたいのは、労働法を武器にして会社と戦うという姿勢をあまりに出し過ぎると、自己にとって不利になることが多いという点です。

確かに、労働法は従業員を守るための法律です。
しかし、それを武器として使って会社に対して様々な要求をしてくる従業員を好き好んで雇いたい会社は少ないでしょう。
我々法律分野の人間の中で、労働法を悪用して会社に文句をつけるということをする人が圧倒的に少数であるのも、そういう行為にメリットが少ないからです。

もちろん、ブラック企業は法的な制裁を受けるべきだと思いますが、わざわざそれをするために長年の歳月と労力をかけるのはあまり得策ではない気がします。
時と場合によりますが、知識の活用場面と方法については慎重にご検討ください。



6.これだけは知っておきたい「著作権」の基本と常識

7.技術者・研究者のための 特許の知識と実務


続いて、最近重要性が増している知的財産法の書籍をご紹介しましょう。
知財法で重要な法律は、著作権法と特許法です。
この二つの知識は実生活でも使えますし、ビジネスでも極めて重要な知識となっています。
特に著作権法についてはある程度常識となりつつある知識が多いです。

自分の著作権や特許を守るためにはどうすればいいのか、そして、ビジネスマンとしてどこまでがセーフで、どこからがアウトなのかくらいは知っておいた方が良いでしょう。



8.ここだけ押さえる! 会社法のきほん


続いて、マネジメント層にとって必須の知識の一つである「会社法」に関する書籍をご紹介しましょう😁
会社法は法律分野の中でも難易度が非常に高い分野で、頻繁に改正されるがゆえにさらに複雑さを増している分野です。

その分野を極めてわかりやすく解説してくれているのがこの書籍です。
会社法の世界では神に近い存在として崇められている神田教授が書いた書籍なので安心してオススメできます。
非常に良い書籍です。


【上級編】

最後に上級編です。
このレベルになってくると、一般のビジネスマンにとっては荷が重いといいますか、どちらかというと不要な知識も多く含まれています🤔
そのため、将来法律家になりたいという奇特な人か、法務部員になりたいという特殊な方々が読むべき書籍です。
なお、今回はビジネスローに関する書籍だけご紹介しておきます!



9.ベンチャー企業の法務AtoZ


ベンチャー業界で最も有名な弁護士事務所と言っても過言ではないAZX総合法律事務所の書籍です。
出版されてから7年ほど経っているので若干古い書籍ではありますが、ベンチャー企業の創業者や経営層にとっては非常に有益な書籍だと思います。

ベンチャー企業にとって重要な法的観点、知識はある程度網羅されている書籍です。
こういうベンチャー法務に特化した良書は少ないので、先々経営層に行きたいと思っている方は一読の価値があると思います。



10.改訂3版 実践 契約書チェックマニュアル


最後はかなり実践的な書籍です。
ビジネスローで最も重要な知識は何かと言われれば、やはり契約に関する知識だろうと思います。
法人が行う経済活動は、最終的には何らかの契約書に落とし込まれます。
もちろん、一部の中小企業の取引では口約束で契約が成立していることも多いのですが、原則は契約書に落とし込むべきです。
それが紛争予防になります。

しかし、契約書というものは非常にわかりにくいものです😱

しかも、小難しい言葉を大量に使っているので読みづらいし、書きづらい。
過去に10,000通以上の契約書をチェックしてきた私ですら、未だに『この契約書は読みたくないなぁ』とうんざりすることがあります。

弁護士によって契約書の書き方が上手な人と下手くそな人いるので尚更です。
下手な人は何年弁護士をやっても下手ですからね🙄
弁護士でもそういう状態なので、経験の浅い法務部員の契約書は形式的にアウトのものも多いです。

一方で美しい文章で契約書を書いてくる弁護士さん、法務部員さんは神だと思っています。

ハイレベルな法律専門家は、契約書の編集が神がかっていて、一回読めばその人の思考過程や心理が読めるほどです。
優秀な法律専門家は、当事者間の公平性をしっかりと意識した上で最適な落とし所に調整してきます。
それを極めて短い文章で的確に表現してくださるので感動すら覚えます。

そういう契約書テクニックも、やはり経験がものをいいますし、どういう条項が存在し、どういう論点が存在するのかを知っていないといけません。
そういった契約書の基礎的な知識をギュッと詰め込んでいる書籍が本書です。
弁護士事務所の著書なので内容は正確です。
若干難易度は高いと思いますが、契約実務に携わる人、携わりたい人は一度読んでおくと良いと思います。



おわりに

ということで今回はビジネスマンが最低限の法律知識を得るために読んでおくべき書籍を10冊厳選してご紹介させていただきました😁
皆様の参考になれば幸いです。


ではまた書きます🎵


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この記事は、株式会社WARCの瀧田が担当させていただいております。
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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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