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「#いいことメモ」の効用

ツイッターで「#いいことメモ」というのをやっている。一日の終わりに、その日あった「いいこと」を箇条書きにして記録していくという試みだ。11月23日に始めたのだが、これがなかなかに良く、たまに書き忘れたりしつつも2ヶ月近く続いている。

私は根本的に内省的な性格をしている。この性分には自分でも困り気味で、過去のイヤな出来事が夜な夜な脳裏をよぎるのももはや定番イベントと化してしまった。特に今はやることがなさすぎるため(「やることなさすぎNASA杉くん」参照)、暇さえあれば「なんかいいことないかな〜…」と考えてしまいがちだ。なんかいいことないかな。なんもいいことないな。なんでこんなにいいことがないんだろう。

呪詛のように「なんかいいことないかな〜…」と唱え続けていると、ある日、「おいおいちょっと待てよ。本当に何一ついいことがないなんてことが人の人生において有り得るのだろうか?いくらなんでも一個くらいはいいことがあるのではないか?」と思えてきた。いいことが一個もないのではなく、本当はいいことは少なからず存在しているのに、自分の捉え方が問題でその存在に気付いていないだけだとしたら…?こんな馬鹿げた話はない。

この呪われし内省的性格が、日々の出来事の良くない部分だけを抽出・濃縮還元し、良い部分はすべて「いらないもの」として廃棄処理されているとしたら。私は仮説を立てた。考えれば考えるほどありえる話だ。むしろきっとそうに違いない。そういえば一個くらいいいことがあった気がしてきたぞ。くそう、私の性格め…!いいことがあるにも関わらず、一個もいいことがないような錯覚をさせやがって…!

そうして私の「いいこと探し」の日々は始まった。どんな些細なことであろうと、良かったな、嬉しかったな、楽しかったな、ということはメモに書き残すようにした。箇条書きにして、読みやすく、できるだけ多く、どんな散々な日であろうとも、むりやり、むりくりひねり出す。いでよ!我が脳裏に葬られししいいことの数々よ!!!

ぼわ〜ん…(いいことの記憶が現れる)

さて、ここまでいいことメモの発祥起源について説明してきたが、どんな感じのモノなのかは実物をご覧いただいた方が分かりやすいだろう。例えば、本日のいいことメモはこんな感じだ。

#いいことメモ 2019/1/14
・早めにお風呂上がれた🛀
・お昼にタコ焼きとゴマペチーノ買ってきてもらった😍
・あさが来た楽しい〜!
・千鳥の大漫才の茶番劇楽しい〜!
・昼間に1階降りて廊下ちょっとだけ歩いた!🐾
・いいお天気眺めた☀☁
・脚揉んでもらった☺️
・うり坊のおまんじゅうかわいい🐗💕
https://twitter.com/wataseshiano/status/1084786801284268033?s=20

なんやこの絵文字の多さは。私は愛想の良いギャルか。今まで割とドライな文体でエッセイを書いておきながら、ツイッターでは絵文字モリモリなんかい。キャラクターに統一感がなくて怖い。とつぜん異世界の雰囲気をお見せしてすみません。

しかしまあ、この絵文字使用は別に無理をしているわけではなく、自ら進んでやっていることで、人はいいことを思い出す時に潜在的なギャル要素が引き出されてしまう生き物らしい。それに、絵文字を添えておくと日が経ってから読み返した時に情景が思い返しやすいし、小さくてかわいいイラストがたくさん付いているとビジュアル的にも楽しい。どうやらギャルは楽しいらしい。私はいいことをメモすることによってギャルの楽しさの扉すらも開いてしまったらしい。ああ、私はギャルになりたい。

そして見逃せないのは、全体から漂うこのハッピーオーラである。たいしたことは書いていないのに、なんだか幸せそうで明るい印象である。私は陽気で明るい人に憧れを抱いているので、そういう雰囲気に近付けるのは願ってもなく嬉しい。

何より特筆したいのは、いいことメモを書いた後はなぜか精神的に落ち着くという点だ。いいことをむりやりひねり出しているうちに、頭に引っかかっているイライラやモヤモヤが晴れ、今日も楽しかったな〜と前向きな気持ちになれるのである。私は夜になると焦燥感が高まってしまう傾向にあり、無意味にスマホを触り続けては無駄に夜ふかしをしてしまったりするのだが、いいことメモを書くと不思議と「もう寝るか〜」という気持ちになる。素晴らしい効用だ。眠る前のいいことメモには安眠効果すらある。

書き留めた出来事は、どれも見方によっては「しょうもない毎日(aka しょうもない人生 by 霜降り明星のM-1決勝の時のツッコミ)」だけど、それでもなぜか嬉しくなってくる。なんや、意外といいことあるやん。いやなことばっかりじゃないんやん!毎日こう思うことによって、物事の明るい面を見るクセがついてきたようにも思う。モンティ・パイソンで言うところの、"Always look on the bright side of life" 戦法である。

心が弱った時には、「#いいことメモ」をタグで辿って、数十日分のいいことをズラッと眺めるのも楽しい。いいことの「見える化」だ。普通の日記とは違い、いいことしか書いていないので、当然いいことだらけで、いいことしか存在しない。いいことしか起きない、しょうもない毎日、しょうもない人生!!!なんだ、最高じゃないか。

「なんかいいことないかな〜…」きっかけで始めたいいことメモのおかげで、私は「なんかいいことないかな〜…」と思うことが少なくなった。この2ヶ月ほどでちょっと明るくなったし、よく笑うようになったと思う。あと意識的にお笑いを見まくるようになった。むりやりにでも笑え!笑いをひねり出せ!ということである。

「なんもいいことがねえ!」とお悩みのそこのアナタ。ひねり出してみればきっと、一個くらいいいことがあるはずです。

いいことメモ、始めて見ませんか?(謎の問いかけエンド)


P.S. 小さな「いいこと」であれば、自力で作ることすら可能です(美味しいお菓子を食べるとか☆)。


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