知を愛すること

YouTubeより、国文学研究資料館館長ロバート・キャンベル氏のトーク「日本古典と感染症」。

  たまたま見つけた動画なのですが、改めてなぜ古典に惹かれるのか思い出したので、古典をよむことの意味について書きます。

 まず、古典籍って、外観が魅力的ですよね。色の褪せた古書はその物自体に歴史があって、触れるだけで広い世界・遠い時代の心が伝わってくるような、現代の日本に生きる若者の一人である自分が500年前、千年前の貴族や官吏と繋がる感覚を覚えます。「私」は今を生きることしかできないけれど、古典籍は時代を跨いで広い世界を教えてくれる。言葉と知識の海で溺れることができる。どんな思いで生きてきたのか、無機質な知識が生の言葉で息づいていく。色を持っていく。

“伝えたい、残したい”という先人たちの強い想いで受け継がれた古書から、遠い世界に思いを馳せること。“今”を距離を置いた視点で認識すること。今とは違う感覚、感性を知り、自分の視野が広がること。それが古典の醍醐味と感じます。


  知を愛する精神があれば、“今”に満足できなくなります。現代の私の生きている世界の狭さに気づいた時、古典の世界の扉を開けることになるでしょう。そうしたらもう元には戻れません。(怪しい笑)

新型コロナウイルスのパンデミック化で世界中が苦しい2020年ですが、“今”から離れた時代に思いを馳せること、同じような疫病で苦しんだ人たちの記録を見ることで、落ち着いた心を取り戻せると信じています。自分だけが苦しいと思う時、きっと古典が広い視点を取り戻してくれます。
こういう動画で古典を愛する人が増えるといいなぁ。

https://youtu.be/mmMCCiAF4hA


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