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紫乃の「俳句・大切な記事」

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俳句関連の大切な記事をまとめました。
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記事一覧

もっと写生したくなる虚子の俳論三部作

虚子の俳論三部作を読んだ。どれも薄いので、一気に読みやすかった。 結論、もっと早く読んでおけばよかった。 たまに話題になる「写生とは?」について、虚子がわかりやすく回答している。あと随所で「〜なのが俳句である」と、言い切ってくれるので、迷ったときに参考になりやすいと思う。さすがは大虚子! 『俳句はかく解しかく味わう』は鑑賞本に分類されるが、俳句論や実作に立ち入るポイントや、先人にダメ出ししているポイントが豊富なので、俳句論の本としても読み応えがあった。 僕なりに気づき

花が次々咲いて、あっという間に春が進んで…

夫とやって個人美術館が、半年ほどの冬眠から目覚め GWからオープンします。4月はその準備でバタバタしていたら、花が次々と咲いて、春が足早に進んでいます。写真は前回の投稿以来、時々撮ってはいたのですが、3週間も経つと植物も辺りの様子も変わって、周りはすっかり新緑に覆われてしまいました。 それにしても、今年の春の進み方は本当に速い… 3月〜4月の初めまでは、今年は春が遅くて、「関東では、久しぶりに入学式に桜が満開」などとニュースで言っていたのに、その後、春がスピードアップ。安曇

「杉田久女 全句集」を鑑賞

こんばんは。 春はあちこちで花が咲き、 気持ちが軽やかになりますね。 昼間はわが家の亀ちゃんも 活発になってきて、 嬉しく思っている、ちりです😊 さて、久しぶりに 先人の句集を読みました。 杉田久女さんの句集です。 以前、 高浜虚子さんの句集を読み、 「先人の句が面白い」 という記事を書きました。 そのおかげで 先人の句への抵抗がなくなり、 今は安心して読めます😌 久女さんは家庭内の問題や 先生の高浜虚子さんとの問題など 悲しい出来事も多かったようです。 が、

「震災詠」が出来てしまった

割と自明な話(俳人の野次馬性、暴力性) 俳人は基本的に野次馬であると思う。なにか俳句の「ネタ」を見つけて俳句にする。その中には、いかがなものかと思うようなものもある。身近な句会で見る例としては、手話・白杖などを題材にした(往々にして当事者以外による)俳句で、身体障害者の様子を「ダシに」して、自らの俳句にしようとするものだ。個々の事例によるので一概にNoなどということはできないし、やってはならないが、この例で言うと大多数が「野次馬的に」俳句のネタに身体障害者の様子を用いている俳

てのひらを零るるやうに年去りぬ

2021年の夏にnoteをはじめ、秋より俳句幼稚園にお世話になって、早や二年。 思えば、あっという間の日々だった。 今年一年も、私はやっぱり相変わらず、同じようなところをぐるぐる回って、同じようなことをうだうだと繰り返し書いてきた。 そうして泣いたり笑ったりしながら、それでもちょっとずつ、前を向いて歩くことができたように思う。 来年は辰年。 ガウガウと火を吹いて咆哮し、空高く舞い上がっていく(いろいろ間違っているよね?たぶん💦)夢を見ようと思う🔥 今年一年、お世話になっ

【俳句】文芸上の真とは 水原秋櫻子をよむ

 俳句は、現実を”ありのまま”に書くことのみが正しいだろうか。  例えば暑い季節、山中へ赴き、一本の滝を目の前にしたとする。水しぶきや滝の巻き起こす風が涼しいだろう。岩には青々とした苔が繁茂し、天は緑の木々に覆われている。  この景を俳句にしたい。滝、苔、木々、風も水しぶきもすべて込めた句にしたいと思うのが人である。しかし、およそ俳句は一点に絞ったほうがいいらしい。五七五のわずか十七音にいろいろと盛り込むのは難しいからだ。焦点がぼやけて、何が言いたいのか分からなくなってしまっ

自身の句境を深める選評とは 〜まのあたり句会2023秋を受講して〜

秋の大まのあたり句会に参加した。まのあたり句会は前々から気になっていたが、今回初めて参加した。 講師の先生方は、 【青山教室会場】 小川軽舟、堀田季何、神野紗希、岩田奎 【梅田教室会場】 岸本尚毅、山田佳乃、若林哲哉 である。豪華!若い! いわゆる先生同士の句会を見るのは初めてで、楽しく学べた。 本講座に参加して考えこと、感じたことをまとめます。 公開句会から考える、先生方の選評の特徴同じ句会の選評でも自分のような俳句初学者と、先生方では何が違うのか。3点挙げてみる。

【俳句教室】1年目の記録

2022年2月俳句を始めて、10月から俳句教室に通っています。(仕事の都合で半分くらいしか参加出来てないけど💦) 自句に直接添削して下さるのが有り難いです。先生は関西人なのでツッコまれまくっていつも爆笑しています(≧∇≦) 今月で1年たちましたので記事にまとめます。添削例としてご参考になれば幸いです。 ✍️・・・先生の添削 🐒・・・私の反省 *トップ画はアポロン様の絵をお借りしました。かわゆ! ≣≣≣≣≣✿≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣≣ 元句【蔦

「南風」誌掲載の津川絵理子さんの句から好きな句

新涼や歩く速さに街うごく(11月号) 息入りて笛あたたまる草の花(11月号) 天高し顎はづれたる鬼瓦(12月号) 木星の縞が見えさう猿酒(12月号) 砂に穴あけてゆく雨藪柑子(3月号) 冬の園チワワの眼剥き出しに(3月号) くちびるの幅に窓開く初氷(4月号) 笛に置く指の水平初稽古(4月号) 面接室ひとつは和室日脚伸ぶ(5月号) 風邪ひいて癒えて身長伸びてをり(5月号) あけぼのや男雛の袖の松林(6月号) えんぴつのどれも短し鳥の恋(6月号) 餅菓子に初代の名前桜咲く(7月号

シン・俳句レッスン1

今日から「俳句レッスン」を始めることにした。「シン・短歌レッスン」で「俳句レッスン」のウェイトが高くなってきたので、時間がかかるし長文になっているので切り離すことにしたのだ。「俳句レッスン」も「新興俳句の系譜」に入ってから面白くなってきている。俳句の見方も変わりつつあるのだ。 川名大『現代俳句』から「新興俳句の系譜」 虚子が正岡子規の「俳句」から「俳諧」的な伝統に戻したのは「花鳥諷詠」ということだった。ここで「花鳥風月」でないのに注意する必要がある。つまりそれは月的な夜の

房州オンライン句会 23年6月句会結果発表

「房州オンライン6月句会」の結果を発表します。今回も当季雑詠・1人2句までの条件で募集いたしました。 参加者は22名で、計43句が集まりました。ご参加いただいた皆さん。ありがとうございました! さて、今回は、天の座(得点1番)12点句で1句。地の座(得点2番)は9点句で1句。人の座(得点3番)は8点句で1句でした。点数は参加者の皆さんに「特選1句=2点」、「並選2~4句=各1点」にて選句していただき、集計しています。では早速…… 天の座(12点句)地の座(9点句)人の座(8

風のにおいとか歳時記とか☆つまり俳句☆

まだ年長だったか、小学校の低学年だったかもう定かではないけれど、ある朝起きて「今日から秋か~」とつぶやいたことがあります。窓を開けて寝ていたので外の空気が流れ込んできたのだと思います。そのあと親に確認したら本当に立秋だったのか、このときとても感動したのを覚えています。 今年の春も、やはり風の匂いから感じました。 □ さて『新版角川俳句大歳時記』、全巻揃いました♪ 春が発売されるとき、さすがに一か月もない『新年』だけは手が出ないな・・・と思っていました。一冊、一冊がわたしに

日曜日の小雨に

しゃるうぃーしゃるうぃー 焼豚麺 冗談みたいな傷跡 楽に取り出せないボルト 気前よくなし崩されて 一体ここからどうする ずっと眠っていたいかい 御伽噺になるのかい 飛びはねそうな天衣無縫 ぐっとおさえつけてくる思潮 つれないままでも溶け合おう あいらしく悶えさせておくれ しゃるうぃーしゃるうぃー トランスペアレントレッドオキサイド しゃるうぃーしゃるうぃー ぷーしゅーしゅー じっくり語らうまでもなく 果肉は甘くて味がある なぜここにきたんだってそりゃ いいね

俳句幼稚園通う:3音の名詞季語リスト

腕立ての三十回目日永かな 難しかったです!! 詠んだ後思ったのですが、もしかして今回の型って必ずしも中七の末尾で切って下五を独立させなくてもよかったりします……? 取り合わせで詠むって意識だとつい名詞や終止形で切れを入れちゃうのですが、今回の型でそれをすると下五がめちゃくちゃ窮屈ですね。 三音の名詞季語リスト例によって、季重なりチェッカーで検出できる季語の一覧から絞り込みをしています。 歳時記などで探せば別の季語も見つかるかも。 三春 春曙(春暁) 春夜(春の夜)