見出し画像

医学生は何を学んでる? ①1年生ver.

 この記事は、医学生および、健康意識の高い一般の方向けに書いています。

「お粗末」な医学部教育

 ちまたに出回る健康本。インターネット上にあふれる健康情報。

 すべての社会人が、医療リテラシーを高めて、正しく自分の健康管理ができる社会を望んでいます。

 では、「社会人も医学部の学生が受けているような授業を受ければ良いのか?」と言われると、答えは「ノー」です。理由はシンプルです。あまりに日本の医学部教育が「お粗末」だと思っているからです(詳しくはここでは書きません)。自分が受けてきた医学部教育。これをいまも後輩たちが受けているのかと思うとゾッとします。
 だからこそ、医学部教育を変えないといけない。そして、健康意識の高い「バリバリ社会人」のみなさんにも「自力」で医療リテラシーを高めてもらえるような教材を作りたいと、本気で思っています。

ところで、医学部の授業ってどんな科目があるの?

 今日のテーマはこれです。医学部低学年のみなさんにも有用だと思うので、参考にしてみてください!

一年生

 多くの場合、いわゆる数学・物理・化学・第二外国語・心理学、ゼミのような普通の大学生と同じような一般教養を学びます授業は一言でいって「茶番」な授業が多いですよね。

 僕が出身の「単科大学の特徴」なのかもしれませんが、教員も「医学生はどうせ一般教養なんて興味ないだろ」と思っているフシがあり、授業が適当な気もするし、当然学生は学生で、「授業なんか単位さえくれればいい」と思っているフシもありますよね。お互いが、「形式的に授業・テストという『儀式』を約一年間かけて繰り広げている」光景は滑稽です。

 一般教養とはいえ、真面目に授業を受けて成長したい、と思っている学生にとっては、割とツライ時期です。周りの学生の大半はやる気がないので「お前マジメかよ」とちょっと馬鹿にしたような目で見られる。教員は「どうせ君たちやる気ないんでしょ、医学を学びに来たんでしょ」と形だけの授業になりがち(全例ぜはないと思いますが)。だから、マジメな学生にとって授業は分かりにくく面白くない。マジメな学生が次々に不真面目になっていく。流されていく。

 部活などが楽しくて、学業がおろそかになっている。部活の仕事も多いし、先輩からも「あんな意味ない授業受けてどうするんだ?」と言われる。結局、部活とバイトだけしている状態、それが一年生。

その後の大きな授業の流れ

 だいたい、二年生になるか、ならないか、あたりでいわゆる「医学」教育が始まります。別記事で書いていく予定ですが、おおまかな流れはこんな感じです。

二年生:基礎医学
 ・解剖学(+解剖実習)
 ・生理学・生化学・分子生物学
 ・病理学・薬理学・免疫学・微生物学など

三〜四年生:臨床医学
 ・各科別の授業(循環器・消化器・内分泌・代謝・腎・尿路〜のように)

四〜五年生:臨床実習
 ・各診療科をローテートして見学

六年生:卒業試験・医師国家試験
 ・卒業試験(医師国家試験の難易度を逸脱した、過去問で対策するほかない、茶番な試験のラッシュ)
 ・医師国家試験(いわゆる医師になる関門。試験という特徴のためか、割とマニアックな知識を問われることが多い)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?