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GROWN UP

閃光が目を塞ぐ。

次に光を捉えた時、
降りやむことを知らない雨、
何も育たないような焦土が広がっていた。

途端に、轟音にも似た地鳴りが耳を劈く。

それは、まるで、いかづちへの合図。

応えるかのように、曇天の隙間が明るくなる。


耳を塞ぎながら、必死に避雷針を建て始める。

避雷針を建て終えて、息つく暇もなく、

地震によって、振り落とされ、

磁力にも似た強い力で、揺れる地面に押し付けられる。


立つことができない。

僅かに開いた目を、降りしきる雨が閉ざす。

まるで、バベルの塔で神の怒りを買ったよう。

成すすべなく、打ちひしがれていた。


時間と順応によって、徐々に大地は鎮まっていった。

立ち上がると、以前とはまるで異なる大地の姿。

一方で、大地の音を消すかのように降り続く雨。


それでも、その地で育つような、草木・果樹を植え、

大地の音を豊かにしようとした最中、

突発的に発生した台風によって、根こそぎ奪われ、地が裂け始めた。


だが、瞬時に、裂けかけた地が動きを止めた。


止めたのは、神でも、仏でもなく、人間。

お前はお前でいい。
ただ、それだけでいい。
苦しいなら、苦しいでいい。

その声は、崩れかけた地の裂け目を、雨で埋め、地に種を蒔いた。


次第に、雨は弱まり、地は潤い、

川のせせらぎなどの穏やかな地の音が聞こえ始めた。






ご覧になってますか?

種は、地に根付き、

美しい草木が育ち、

鮮やかな花々が咲いています。



私は、私を生きています。


ありがとう。先生。



Never forget, 14 th December, 2013.


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