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「自己啓発書は麻薬のようだ」は本当なのか?本の、もうひとつの可能性を考える。

自己啓発書やビジネス書と言われるものを読むと、
なぜか自分でもできるような気がする。
挑戦できるような気がする。
スピリチュアルな本はちょっと宗教色がするので、ここでは考えないことにする。

「僕はこうやって成功した、次はあなただ」
「こうやって働くと、うまくいく!」
「怖がってちゃ、一生つかめないままだよ」

そうやって、言葉を変えて、私たちを誘惑してくる。

自己啓発書を読んでも現状は一向に変わらない。

……そうなのだろうか??

確かに、本としては買ってもらって満足してもらう「ひとつの商品」だとするならば、良いことしか書いていないように思える。

しかし、ここで現実の世界を考えてみよう。

「私の最強プレゼンはこうやってするんだよ!!」
社内ナンバーワンの営業にこんな説教をされたら、
「そんなの〇〇さんだからできるんだよ。偉そうに」
と思われないだろうか??思わないだろうか?

その分、本ならば
「数々の大ヒット企画を成功させた脅威のプレゼン!」という本は、「俺のプレゼン失敗したな……どうやったら話くらいは聞いてもらえるようになるんだろう…」と悩んでいる人に「読んでみたい…!」と思ってもらえる。
名前も知らない他人から、
「あなたのプレゼンスキルを学びたいです!」と買ってくれるのだ。

リアルの世界では、説教している鼻につく人と認識されるのに。

つまり、本は「リアルの世界では聞くことがない言葉」をたくさん浴びることができるのだ。

起業したい??
「やめときなよ」
でも本に起業したいですと言えば、
「よし!じゃあ僕はこうやって成功したから、参考にしな!頑張れ!挑戦しなきゃ何も始まらないぞ!!」と返してくれる。
実際に、自分の成功事例と考えも併せて話してくれる。

リアルでは、同じ目標を叶えている人に会っても、全員には取り合えない。むしろ、2000円で教えてくれなんて、言えない。

リアルの世界は、否定的な考えの人も肯定的な考えの人も、色々いるから、時には気が落ち込んでしまう言葉もかけられる。

本を読むこととは、
リアルではかけてもらえることのない言葉をたくさん浴びることができるのだ。

「成功したいなら、同じような志を持った人と過ごす時間を増やしなさい」と自己啓発書は言う。
実際に行動に起こすことが最強なのだが、行動を起こそうとして、「変な宗教にでもハマったの?騙されてない?やめときなさい」そんな言葉で諦めてしまうことも多いと思う。

そんなことで諦めるなんて、最初から本気ではなかった?

…いや、環境は、人の人生を変えるほどのパワーがある。威力がある。
だから、成功者と言われる人たちは、口々に「あなたの夢に否定的な人とは距離を取れ」と言うんだ。

人にぶつかったくらいで「すみません」と言わないフランス人ですら、日本で暮らしていたら「すみません」と言うようになるんだよ?

海外から、「日本人はすぐにごめんとか連発する」と言っていても、環境はそんな常識も軽々と壊して、「郷に入っては郷に従え」のように人を変えてしまう力がある。

もちろん、本を読むだけで行動が変わらなければ、本は毒だとも言える。
自己啓発書やビジネス書を多く読んでいる人は、鬱傾向になりやすいというデータもある。

しかし、待ってほしい。

自己啓発書やビジネス書は決して悪ではない。
そればかり摂取すると毒になるのなら、歴史書とか科学の入門書を読んだりして、思考の偏りをなくす努力はできる。

本記事で主張したいのは、あくまで
「本ではリアルでは聞けない言葉が聞ける」
ということだ。

とある本で一念発起して、生き方が変わるかもしれない。
生きるための目的とか生きがいそのものが変わるかもしれない。はたまた、「自分のままでいいんだ」と勇気を貰えるかもしれない。

本とは環境である
と言うと言いすぎのような気もするけど、あながち間違っていないだろう。

もしあなたが、自分の夢を否定されて苦しいと感じるのなら。
やってみたいことがあるのなら。

リアルからちょっと離れて、
カフェで本を読んでみる。

自己啓発書みたいに精神を高揚させてしまう本は取扱注意だけれども、読んだ後の万能感を以て何か始めてみることはできる。

実用書でなくとも、
小説などの物語でもいい。
物語だと、没入しちゃった時に大変だから、二時間くらいは確保しておこう。映画館に行くみたいに。


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ここまで網羅的に編集してまとめた苦労に涙が出る。


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