三島由紀夫VS福田恆存 いわゆる「暗渠論争」に決着をつける
文春版の全集の後書で、福田恆存は、三島由紀夫の国粋主義は「暗渠で日本に通じてゐる」と書いているのだが、それは脳梗塞を患い老耄したことによる書き損じであって、「日本」ではなく、「西洋」と書くつもりだったのだ、というまことしやかな説がある。とんでもないデマである。
「暗渠で西洋に通じてゐる」でなくては意味が通じないといっているのだが、それはみずからの理解力の低さを人に押しつける行為でしかない。死者と、のこされた著作にたいする許しがたい冒瀆である。たいがいにしとけよ、と私はいいた