弟・正造と眞一:箱根と日光、二つのホテル
1925年7月31日、世界旅行2カ国目の英国・ロンドンに到着した曽祖父・金谷眞一は、早速街を散歩しながら「弟・正造がいたら喜んだろうに」と日記に書きました。滞在中は正造のため、共通の趣味である釣具をはじめ、お土産をせっせと買い込み、ロンドンを出発する頃には荷物の重量は200ポンド(90キロ)超えです。この2人、どんな兄弟だったのでしょうか。
眞一には3歳違いの弟、正造(1882−1944)と、9歳違いの妹たまがいました。眞一13歳、正造10歳で母ハナを亡くして程なく、2人は