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人生は本当は大して面白いもんじゃないんだっていう。だから、音楽を聴いたり、絵を観たり絵を描いたり、本を読んだりしてるんで。(宮崎駿の言葉から)


「今から思うと五十半ばの人なんですけどね。
その人が十八の少年をつかまえて、酒を飲んでくれたんです。
で、『君、人生っていうのはそんなに面白いもんじゃないんだよ』って(笑)。

『だから、私はこうやって絵を描くんだ』って言うんだよね。
で、それがよくわかんなかったけど、なんか今はわかります。

人生は本当は大して面白いもんじゃないんだっていう。
だから、音楽を聴いたり、絵を観たり絵を描いたり、本を読んだりしてるんで。

そうじゃない、『人生は本当につまらないもんだよ。愚かなもんだよ』って力説するものを描く人もいるかもしれないけども。

まあ、それはそれでいいでしょうけど(笑)。
僕はとりあえず、やっぱりそっちには向いてないっていう」

風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡 Kindle版
宮崎 駿 (著)

宮崎駿監督は、人懐っこい笑顔で、いかにも優しい雰囲気だけれども、
ドキュメンタリーを見れば、怒ったり、イライラしたり、怒鳴ったり、
あの優しい笑顔の裏側が見えたりします。

宮崎駿さんのインタビューをまとめた『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』を久々に読んでいました。

この本で宮崎さんが、過去に出会った大人を回想しながら語った
冒頭に引用した言葉は特に印象的で、今でも時折思い出します

人生は本当は大して面白いもんじゃないんだっていう。
だから、音楽を聴いたり、絵を観たり絵を描いたり、
本を読んだりしてるんで。

人生って面白くないっていう前提は痛快で面白い
面白くないことが多いのに、全てが面白いことが前提になっていると
生きているのって結構苦しくなったりします

なぜならそれが本当は当たり前じゃないから
いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもない
これが現実だから

教育はいろいろな事を幼い子供に教えるけれど、
本当の希望は絶望と共存していることは、わざとかわからないけれど、
結構隠されている気がします。

どんなに成功した人も、絶望や挫折はあったわけで、
希望ばかりにスポットライトを当てて、影の部分を観ないで、
光しかないと信じるのは、やっぱりが無理があると思うのです

話は外れてしまってけれど、宮崎駿さんの言葉は、
人生の暗がりも話した上で、光を話しているから
聴いていて、読んでいてなんだか元気がもらえたりします

明るい映画に見えるトトロも、お母さんが入院していたり
ちょっとした影があって、それでも健気に生きる姿勢
あのサツキとメイ、そしてお父さんの直向きな姿勢に
毎回あの映画を見ると、になんだかジーンときたりするのです

太陽の明かりも、月夜の明かりも、どちらも美しいと思える
そんな心を持って日々を過ごしていきたいものです


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