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母子関係における性差

こんにちは。あすぺるがーるです。

今日はいよいよ、「母からの解放」考察シリーズ第一弾を書いていこうと思います。


Twitter上の発達障害当事者さんには、親子関係に悩む人がとても多いです。

かく言う私も、その一人です。


そのため、親に悩んでいる/悩んでいた当事者同士で親子関係の話をすると、本当に話がよく盛り上がります。


母子関係の「解決率」のギャップ

多くの当事者さんと話しているうちに、ある考えが浮かびました。

「母子関係、女の人の方がこじれ具合酷くない…?」


もちろん男性の発達障害当事者さんでも、母子関係に悩んでいる/いた方はいます。


ただ、どこかのタイミングで母親から物理的 and/or 心理的に離れることに成功したのが、極端に男性の当事者さんに偏っている気がします。



女性の当事者さんだと、母を含む親との関係にとても苦しんでいながらも、親に関わり続けるはめになってる方が多いのです。


(私より明らかに) 年上で (少なくとも私よりは) 仕事で稼いでらっしゃり、(前途多難ながらも一応) 一人暮らしされてる方でも、そうなのです。


症状は多様とはいえ、とりあえずみんな発達障害持ちで、とりあえずみんな定型発達の人より大変な生活を送っているはずなのですが…


「女性」であるゆえの拘束

「母からの解放」を読んで、このギャップは当事者さんやその親が「女性」として生を受けたことにある、と確信しました。

たいてい、女性として生きていくことは、男性として生きていくよりも多くのリスクを伴います。

そのリスクから逃れようとすると、母から離れるために取れる手段が少なくなってしまうのです。

・泊まるあてのない家出
・野宿
・計画性0の一人暮らし

なんてしたら、不審者の恰好の餌食になります。


また、母親の側にはこんな背景もあります。

そのため、自分が「女性であること」そのものに様々な負の感情を抱き、それを同じく女性である娘にぶつけるのです。


ところが多くの母親は、娘が女性として成長し、女性としての楽しみや喜びを味わうことを嫌悪し、妨害するのです。それは嫉妬よりもっと入り組んだ感情です。(P.44)

人間としても、女としても報われず、一度も注目を浴びたことのない人生。そんな彼女たちに唯一与えられたチャンスは、「母」として表舞台に立つことです。彼女たちは、人生の盛りを迎えようとする娘たちを決して主役にはしません。

メデューサの髪をよく見ると、無数の蛇がうごめいています。これが母親の「恨み」と「呪い」の数々です。また、目を合わせたものは石に変身してしまうと言われています。そのとおり、母親の屈折した思いをぶつけられた娘は、石のように固まってしまうのです。(P.48)


発達障害は、潜在的に親子ともに患っている確率の高い障害です。


発達障害やそれに伴う二次障害は、母娘関係において、母側から生み出させる負の感情の量や、娘側が受ける苦痛を何倍にも大きくさせるのです。


世間からの目の違い

母娘と母息子では、互いの距離感に対する世間の見方が大きく異なります。


母と成人済みの息子の距離感が近いことに関する世間の目は、決して良いものではありません。

社会的にも、母親と息子の仲がいいことは、マザコンと言われこそすれ、望ましいこととは考えられないからです。(P.85)


しかし、それが母と成人済みの娘となると、真反対になります。

ところが娘はそうではありません。母親と娘の間に距離がないことは、むしろ望ましいことだと考えられています。(P.85)

異性として距離感のある息子に比べ、同性である娘とは「マザコン」と言われるおそれもなく、隙間なく接することができます。(P.150)


そのため、世間に「母親が苦しい」と訴えかけたときの反応においても、女性は大きく不利になり得るのです。


息子と娘では大違い

幸い、私自身の「母がしんどい」という声に対しては、様々な立場の方から共感の声・応援・アドバイスがいただけました。

そのこと自体には、大変感謝しています。

(私自身の体験談に関しては、考察とは分けて書こうと思います)


ただ、いただいたアドバイスの中には「女性という立場の不自由さを分かっていないな…」と思うようなものが散在してました。


そのため、男性では可能な方法も女性にはできないこともある、というのを頭の片隅にでも置いていただけたらな、と思いこの記事を書かせていただきました。

逆もまた然りです。


社会は男女平等に動きつつありますが、身体的な男女の性差は、未だ埋まることのない壁として存在し続けています。

互いの身体的性差を無視するのではなく、なるべく理解・尊重しながら、異性と接するようにしてほしいと思います。

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