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発達障害当事者がオーバータスクすると

こんにちは。あすぺるがーるです。


多くの発達障害当事者さんにとって、行動計画を立てるのは永遠の課題です。


・何をするにあたっても他の人より遅い
・やらなきゃいけないことを忘れる
・そもそも動ける時間が少ない

などなど…


そんな発達障害当事者さんが、他の人の力を借りて計画を立てたり、立てられた計画にもとづいて他の人と行動を進めるとき、気をつけなくてはいけないことがあります。

それは、「発達障害当事者と非当事者では時間の使い方が違う」ということです。


非当事者の時間の使い方

発達障害当事者でない人は、やるべきこと (ex. 仕事・課題) が増えると、それとは別のやりたいこと (ex. 趣味・娯楽) を大きく減らすことができます。


そして、やるべきことが増えても、身の回りのこと (ex. 家事) や睡眠ができなくなってしまうことがありません。


ASD当事者の時間の使い方

しかしASD当事者だと、そうはいかないようです。

自閉スペクトラムの人は、やりたいことをやる時間について、これ以上は減らせない最大ラインが存在し、そこから先は削れない。
やるべきことが増えすぎると、増えた分がストレスになる。そのストレスを発散するために、やりたいことをやる時間のさらなる上積みが必要となる。

結果として、やるべきことが増えれば増えるほど、やりたいことをやるのに必要な時間も増え、睡眠時間や身の回りのことをする時間を削ることになる。(発達障害の精神病理ⅠP.109)


「これ以上は減らせない最大ライン」というのは、図でいうとヨコ軸の「やるべきことにかける時間」を遮る、タテの点線です。

ヨコ軸がタテの点線を超えた分、「やるべきこと」の上の赤い⊿の時間は、ASDの人にとってはストレスになります。


そしてその時間に溜まったストレスを、「やりたいこと」の時間、黄色い⊿によって発散させようとします。

そのため、緑の「身の回りのこと」や青の「睡眠」の時間が、黄色い⊿、「やりたいこと」の時間で削れてしまいます。


つまり、「やるべきこと」のために「やりたいこと」の時間を削ろうとしてしまうと、睡眠や家事など、生活に必要な時間が少なくなってしまうのです。


え、「受験前にブログ書いてるお前もだろ」だって?

「本分」のために無茶をしない

この文献で触れられていたのはASDのみですが、私は、これは他の発達障害当事者さんにも言えることだと思います。

一定時間以上の「やるべきこと」──「やりたくないのにやらねばいけないこと」をやろうとして気が散った結果、ミスをしでかすADHDさんの姿がありありと浮かびます。


あいにく、私はその解決策を知りません。


高校までの私にとっては、学生の本分ともいえる 「授業」 「勉強」 は、「やりたいこと」の一環でした。

しかし志望外の学科に入って勉強が「やるべきこと」になってしまったので、私もタイムマネジメントについては模索中なのです。


そしておそらく、「やるべきこと」と「やりたいこと」のバランスは、実は発達障害の診断がない人にとっても大きな課題のように思われます。


ただ、ここで一つだけ分かることがあります。

それは「やるべきこと」のために無理して「やりたいこと」の時間を削っても、何にもならないということです。


もちろん、「やるべきこと」から永遠に逃れ続けることはできないでしょう。


しかし、いつか「やるべきこと」をこなすために「やるべきこと」から戦略的撤退をして、「やりたいこと」をやるのは、悪いことではないと思います。

どれだけ遅くなっても「やるべきこと」をやるためにやっているのですから。


そもそも、人生において「急いでやるべきこと」は、そんなにはないのかもしれません。

レポートが期限までに出せなくて単位を落としても、仕事が納期に間に合わなくてクビになってしまっても、その瞬間に死んでしまうことはないでしょう。


むしろ、期限に間に合わせようとして頑張りすぎて、過労死する人の方が多いように思われます。



大概のことは、ゆっくりやればいいんです。


野を越え山越え 大地を蹴って キリッと良い顔で 一歩ずつ 
空飛べるもの 歩み速いもの それでも僕を追い越して行くよ 
お先にどうぞ 僕にかまわず 自分の歩幅で皆行けばいい 空飛べずとも 歩み遅くとも 進み続けようと 
僕は決めたんだ

ゆっくりと、その代わり本当に大事なことだけを、ひとつひとつ丁寧にやることが最大のオーバータスク対策なのかもしれませんね。


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