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LAMB/ラム

予告映像を観て話の大筋が掴めてしまった気がして劇場に観に行こうとは思っていなかったのだけれど、手を繋いでジャンプしてるアダのシーンが含まれた予告見せられたら気になって気になって…結局、公開翌日に観に行った。

やっぱり当初から予想していたストーリーになっていて、それには少し物足りなさを感じた。誰かが前に言ってた『予告見せすぎ問題』ってやつのせい。終盤の展開(これにはエッ?!と声が出そうになったが)以外は殆ど見せちゃってるもの。だから、ながーい予告映像を見ているような感覚だった。

とは言ったものの、たまたまネットである方の解説を目にして本作の評価がうんと上がった。私は全く何もこの映画の面白いところを拾えていなかった事に気付かされ、少しショックを受けたほど。この映画はギリシャ神話を知っていてこそ楽しめる作品のようだ。
マリアの夢に出てきた目をギラつかせた羊達、アダが音楽好きな事とその理由、開けっ放しのお風呂のドア、水面に映る自分の姿。何か意味があるなんて思いもしなかった。『性』と『誕生』の物語と解説されていて、本当それだなと思った。自然の豊穣の化身、欲情の塊、半人半獣の精霊サテュロス。覚えておこう。


ギリシャ神話を知らずに観ても、凄いモノ観た感はあると思う。ロケーションの雄大さ、羊の出産シーン(たぶん本物なんじゃないかな)、アダの愛くるしいルックとたまらない声。
極端にセリフが少ないが画の力に引き込まれて全く飽きない作りになっているし、常に不穏な空気が立ち込めてる中でのシュールな画にこっそり笑ってしまったり。アダが写っているシーンは勿論だけど、イングヴァルの弟のMVとかもうなんとも言えない気持ちにさせられてひきつり笑い(笑)

映えるけど味は普通のラーメン、でも写真に収められたからまぁ満足。しかし、映えに気を取られて深みあるスープの味に気付かず、様々な食材から出汁を取っていたことを後から知り、もっときちんと味わえば良かったと後悔…という謎のラーメン比喩表現を思い付いた。笑
そんな映画体験だった。
A24作品はやっぱり目が離せないな〜

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