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幻視する猫

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物理的じゃない思考
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深夜の大通りで寝そべってから、ひとつの小説を手に取るまで

深夜の大通りで寝そべってから、ひとつの小説を手に取るまで

人のいない公園、静まり返った大通り、誰もいない長い廊下、そんな場所が子供の頃から好きだ。

僕は、まだ少年の頃、深夜に家を抜け出してそういった場所を訪れては奇妙な高揚感を得ていた変な子供だった。
深夜、誰のために灯っているかわからない田舎の外灯が碁盤の目状に仕切られた住宅団地を等間隔に照らしているのが、人工的であるはずなのに超自然的に人の出入りを禁じている空間のようで、それが不思議と虚無感と高揚感

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電気ひつじが暴走してくる

電気ひつじが暴走してくる

今日はSFの話をしよう。
……嘘です。
SFの話全然しないです。
でも、なんかあんまり内容覚えてないけど有名なSF作品を履修しておきたいという欲求はあるよね。

もし自分が劇場型犯罪の犯人になったら、「ニューロマンサー」とか「ビッグ・ブラザー」とか呼ばれたい。
名作のタイトルとか用語とかが由来になってる犯罪者とか集団とか機械とかってかっこいいよね。

こういう「元ネタ」を知識として持っておくためだ

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創作は騙し合いだ

創作は騙し合いだ

まとまった文を書くとき、最初の一行をブランクにしてしまう癖がある。
別にそんなルールなんてないと思うのだけれど、なぜかやってしまう。
美的感覚というか、なんだろう、気になるとこれがスタンダードなのか確かめたくなる。
いや、どうでもいいか。
さて、らきむぼんです。お久しぶりです。

最近、久々に創作物を読んでもらう機会があった。
2020年の初夏に『リリスかく語りき』という短編を出したの最後で、それ

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