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江戸時代の『ねこぱんち』。『おこまの大冒険 朧月猫の草紙』金子信久


仕事先で見つけた、ボロボロの草子は調べてみると江戸時代の『猫ぱんち』こと、『朧月猫の草子』らしいです。全部はなくて、第三集の一部だけでしたが、一緒に茶箱に保存してあった他の漢籍と違って、ボロボロに読み込んであるのがリアルな感じです。

それもしても、日本人はなんでこんなに猫が好きなんですかね? いえ、私も猫好きですけど、なんで犬じゃないのかなと……

『朧月猫の草紙』という江戸時代の草紙。歌川国芳と山東京山の猫好きの二大スターが作り出して、人気を博した猫たちの冒険活劇だとか。原本は、国会図書館デジタルで、自宅にいながら見ることができます。ビバ! デジタル化!!

でも、現代人に読めるかと言うと、活字ならともかく、いえ、木版画でもくずし字は辛い。ところが、金子信久さんの本は、国芳の絵をそのまま使って、読みやすい現代語+解説付きで出版してくださっているんです。ああ、専門家バンザイ!

江戸時代に流行った心中モノとかをベースにしているドタバタなので、歌舞伎とか、江戸大好きの人には楽しいと思います。私は、そういう教養がないので、ストーリーのおもしろさは正直わかりません。ただ、「江戸時代も猫砂ってあったんだ」とか、「江戸時代から香箱座りって言葉を使っていたんだ」とか、猫好き細かい部分の発見がすごくおもしろかったです。なにより絵がステキ。

ねこ好きと、江戸っぽさを満足させてくれる1冊。内容がわからなくても、絵本としても楽しいです。気になった方は、ぜひ手にとってみてくださいませ、ませ。


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