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受験に失敗して罵声を浴びせてきた親に、ギャフンと言わせた話 〜親子仲の修復〜

1月半ばを過ぎて、共通テスト(旧センター試験)を受けた受験生のツイートを目にすることが増えた。

このようなリアルなポストを見ながら、約15年前の旧センター試験に失敗して、親に言われた内容で絶望感を味わっていた自分がよぎった。

そしてそこが発端となり、親との確執ができ、その後乗り越えた経験がある。

もし今、進路のことで親に否定されて苦しい学生や社会人や大人の方でも親子関係に悩む人に参考になればと思い、生々しい実体験を共有してみる。


大学受験で失敗

私が高校3年生の2009年の春。今は共通テストの呼び名がまだセンター試験だった頃。当時の私は、九州・中四国の国公立大学のみを視野に入れて大学受験をした。(家庭の経済面を考えると私立に行く経済力はなかった。)

当時は第一志望は広島大学を目指していた。

そして運命の大学のセンター試験が終わって、採点後、絶望した。自分がこれまで出してきた平均点よりも低く「失敗した」と感じた。

そのセンター試験を元に各大学に二次試験を受けに行った。

が、国公立で前期・中期・後期と全て受けたが、合格したのは自分が当初志望していない大学だった。

親からの罵声、そして勘当されかけた過去

その後、親から「あんたは少しは頭が良いと思っていたのに、全くそんなことはなかった。あんたに失望した。中途半端なレベルの大学に行く位なら、お金が勿体ないので進学するな。(父親が整体師なので)開業してから保険が効く柔道整復師になれる専門学校に行け。」と心ない罵声を浴びせられた。

自分でも自分に失望していたのに…親にまでそんなことを言われるなんて。しかも自分が思っている以上に酷い言葉を言われて、絶望しかなかった。

親が言うことは腹立たしいけど、確かにもっと受験勉強頑張れば良かった、努力できなかった、すべて自分が悪いと思った。

だけど、大学に行きたかった。

なんだかんだそれまでの人生、中学校でも高校でも比較的成績は平均以上にいたので、自分のプライド的に大学には進学したかった。

それまで親に大きく歯向かったことはなかったが、そのプライドだけはどうしても譲れなかった。たとえ親が導く道でお金を稼げるようになっても、幸せにはなれないと思ったので、人生で初めて反抗をした。

親は大学の入学手続きのギリギリまで許してくれなかった。「もう出ていけ」「大学には行かせない、行きたいなら自分のお金でどうにかしなさい」と言って勘当をされかけた。

それでも私が「専門学校には絶対に進学しない」という意志で、認めてもらうまで口も聞かなかったので、「1年だけ大学に行かせるから、その間に将来を考えなさい」といって渋々行かせてくれた。

その後も親とは距離を取り、最終的にはちゃっかり4年間学費・一人暮らし費用も出してもらって卒業することができた。

大学ではそれまで以上に深い絆の友人に恵まれ、今でも連絡を取る子も多いので、本当に行かせてもらって良かった。人生の財産だと思う。

その後の就職

正直、私が大学では学生ライフを満喫し、アルバイト・サークル・ゼミ活動を人並みにやっていた学生だった。そのため就活では特出した強みがなく苦労した。その位、大学では普通の学生だった。

そして大学進学で親と揉めたこと&親元を離れ一人暮らしもしていたので、実家とも距離もあり関与されない状況だった。

そのため就職では自分がやりたいと思っていた、広告代理店で東京に就職した。

親には連絡を取るたびに、ずっと「柔道整復師になれ」と言われていたので、もちろん親には相談をせず、意思決定した後に事後報告をした。

親は「民間企業に行くなんて…」とネチネチ文句を言っていたが、就職先も決まっていたので「働きながら柔道整復師も考えなさい」と言いつつも、もう半分諦めた様子だった。

社会人になってから、母にギャフンと言わせる

今は社会人になって早10年。

その間も親には定期的に「民間企業に行ったから、そんなに大変なのよ」とネチネチ言われたりもした。

だけど親に反抗しながらも自分が決めた進学や就職先で、一生懸命仕事に取り組み、社内で信頼を得て、給与アップしたり役職に就くことができた。

そういったことを逐一親に報告し、「心配してくれたけど、今、私は幸せだよ」ということも都度伝えるようにした。

そして30代になった時に「過去に色々と言ったけど、りかは自分で決めた道を自分で正解にして、とても尊敬しています。」と言ってもらえた。

正確にはギャフン、ではないのかもしれないけれど(笑)

だけど「自分がやってきたことは間違っていなかったし、私、頑張ってきたな〜」と思ったり、「なんだかんだ子供が幸せだったら、最終的に納得してくれるのかな〜」と愛を感じた。

そういう実体験があるので、

大学受験がうまく行かなかったとしても、親に否定されたとしても、自分次第でその先の人生でいつでも正解に幸せにできる。

ということをお伝えしたかったし、下記のポストをした。

親との関係のために社会人になってやったこと

とはいえ、自分語りだけだと何も得られないので、効果的なアプローチや本も紹介。

①自分で決めたことを正解にするために、一生懸命頑張る(特に仕事)

私の場合は大学進学や就職を自分で決めたけれど、何かしらを得れるように目の前のことを一生懸命取り組むようにした。

大学では友達と遊びつつも学業は絶対に留年しないように勉強したり、バイトで稼いで職業経験や稼ぐという経験をしたり。仕事は与えられたことを一生懸命聞きながら食らいついたり。

大学・専門学校で何か熱中できる経験ができたらベストだけど、難しくても信頼できる友達ができるだけで人生良くなるのでそれでも良いと思う。それよりも就職して経験を積んだり、挑戦したり、スキルを習得して市場価値を上げていくことは、直接的に経済的な余裕や役職にも繋がるのでそこから頑張るでも良いかもしれない。

②本を読む

最後に記載するが、自分だけで考えていてもやはり親に向かって向き合うことに、抵抗感が出る人も多い。その場合は色々と本を読んで、いろんなケーススタディや知識を入れてみると、「怖いけど、向き合おう」という気持ちが出てくるので読んでみてほしい。

③親と話す

非常に難易度が高いが、親と直接話すことはかなり効果的。

私はこれをやってからかなり関係が進展して、かなり罵声を浴びせる親だったが、かなり優しい口調・やり取りに変わった。

具体的には下記3つ。

1.「親の心境・背景」も聞く
2.相手を尊重しながら、自分の意見を伝える(=アサーション)
3.生まれる時代が違うと理解しあえないこともあるので、
  「全部をわかってもらおうとせず、適度に距離を保つ」

1.「親の心境・背景」も聞く

1つは親の心情・背景を聞いてみることだ。

なぜ親がそういった感情的な接し方をしてくるのか?を聞いてみたり、答えてくれない・本人もわからない場合は生い立ちや性格、彼女の周りの環境(世間の常識や家庭環境)から考えてみる。

私の母だと書きのような例が挙げられる。


  • 親が高齢出産、私は一人っ子。そのため我が子は、自分達両親がいなくなると身寄りがいなくなるのでお金に困らないような仕事に就いてほしい。
    (これは昔から言われていた。)

  • 私の母は大学に行ける学力がありながらも、家が貧しく4姉妹の長女だったため、進学させてもらえず仕事と給料に困った。

  • お金を稼げる仕事に就くためには、優秀な学校を出ていないといけないという、昭和〜平成にかけての世間の風潮。


上記から罵声を浴びせるほどに、我が子の将来に対しての不安や焦りが発生したのだと考えられる。

そういったことが理解できれば、次の項のアサーションでも相手の考えていることを予想して寄り添うことができる。


2.相手を尊重しながら、自分の意見を伝える(=アサーション)

もしかしたら親との関係で悩んで来た方は、親に否定をされることを恐れて、意見を言えなかったりもしくは感情的に言葉を発したりしてくた可能性があるかと思う。

ただ我慢しているだけでは解決しないこともある。そういった時にアサーションを使うのが大事。

じゃあどうするのか?

例えば以前私の母に言われた、下記を例にしてみる。

「あんたは少しは頭が良いと思っていたのに、全くそんなことはなかった。あんたに失望した。中途半端なレベルの大学に行く位なら、お金が勿体ないので進学するな。(父親が整体師なので)開業してから保険が効く柔道整復師になれる専門学校に行け。」

その際にアサーションで返すならば、下記のイメージ。

私のことを心配してくれて、考えてくれてありがとう。だけど、私だって高校3年間、自分なりに勉強頑張ってきたから、そうやって全否定されたら悲しい。

あとお母さんの言ってくれている選択肢もすごく納得する。そこまで考えてくれて本当に感謝している。だけど私は大学に進学したい。自分の人生だから自分で決めて、責任を取りたい。その分頑張って卒業して、自分が納得いく企業に就職するし、大学も自分で奨学金を借りてバイトもして負担を減らすから、挑戦を応援してもらえないかな?

高校卒業後の私がここまで将来を考えて言えるかは別ですが、あくまでイメージで(笑)。

とはいえ、こんなことを急に面と向かって言うのが難しければ、LINEでテキストで送ってみるのも良いかと思う。

3.生まれる時代が違うと理解しあえないこともあるので、「全部をわかってもらおうとせず、適度に距離を保つ」

3つ目も地味に大事なので書いておく。

家族である以上、子供から親に対して、「自分がやりたいようにやらせて欲しい、家族なんだからわかって欲しい」と思いすぎる傾向がある。

でもこれは親から子に対しての「あなたのことを思って言っているのだから、言う事聞きなさい!(だから気持ちをわかって欲しい)」

という気持ちの押し付けを感じるのと同じことをお互いにやっているのだと思う。

「家族だからわかって欲しい」は、お互いのエゴのようなもの。

そして、生まれる時代が違うと理解しあえないこともある。

極端な話、江戸時代の人に「将来はエンジニアという仕事が稼げるようになるよ」と言っても理解ができないし、江戸時代にそんな仕事で稼いでいる人がいないのであれば理解できないのも当然。

江戸時代とは言わずとも、数十年違っても高度経済成長があった昭和・まだスマホもtiktokもなかった平成初期とは状況が違うし、ましては同じ時代でも東京と地方では価値観や仕事の種類なども違う。

そのため、説明をしたとしても理解ができないことも沢山ある。

話してみて話しが通じないのであれば、「全部をわかってもらおうとせず、適度に距離を保つ」の戦略を取っていくことが平和に生きれる。

最後に伝えたいこと

色々書いたが私は大学受験で失敗をし親からも勘当されそうになり「人生が詰んだ」と思っていたが、その後の人生で巻き返すことはできたし、親との関係も修復できた。

何より今幸せで、自分のあの時の失敗や選択をして、本当に良かったと思えている。

伝えたいことは下記だ。

「周りや親に否定されようと、自分の人生を生きてほしい」
「自分で考えて決めた選択を正解にし、自分で自分を幸せにしてほしい」

※注意:とはいえ、もしかしたら自分の力だけでは一筋縄ではいかない親子関係もあるかと思う(親が精神疾患などで専門的なケアが必要な場合があるため)。その場合は必要に応じて「毒親」「家族カウンセリング」など専門の方の本や機関を利用した方が良い。(私は専門外のため、ご自身で調べてみてください。)

大学受験が思うように行かず、もしくはそれ以外でも親に否定された人がいたら、何かヒントになれば幸いである。

おすすめ書籍

①「本当の自分」がわかる心理学~すべての悩みを解決する鍵は自分の中にある

こちらは幼少期≒親の影響がどのように今に繋がっているか、どのように向き合えば良いかの構造や方法がわかる本。少し読みにくいが、読む価値あり。

②親子の法則

こちらは親との関係に問題を抱えている人向け。どのように向き合っていくかのワークが充実している。ただ読んで満足ではなくワークを実践することで効果を発揮するので、実践してみてほしい。読みやすい。

③嫌われる勇気

登場人物の「青年」の話から、親など幼少期の経験が影響している様子や「課題の分離」などどうやって向き合っていくか?その思考が変えられるかは自分次第、という話が書かれている。日本人が書いており、ストーリー仕立てで読みやすさはあるものの、読み解きづらさもある。ただし、読む価値はあり。

④マンガでやさしくわかるアサーション

親と話す気になったらこの本で話し方の準備を。

親とは家族なこともあり、友達・知人以上に「家族なんだからわかって欲しい」や「家族なんだから、感情的になってしまっても嫌われないだろう」と甘えの気持ちから、感情的になりやすくなる。ただ感情的になってしまうと相手もシャットダウンしてしまうので、アサーションという「相手を尊重しながら、自分の気持ちを伝える」というコミュニケーションをしてもらうとスムーズ。この伝え方ができれば、家族以外の人間関係でも良い関係が築けるようになるのでおすすめ。

(ただ読んだだけでできるようになるわけではなく、練習が必要なので、粘り強くやってみましょう)

関連note

◎自己紹介
どんな人間が書いているかもし興味を持ってもらったらぜひ。

◎自責癖がある方に読んで欲しいnote

◎出会って半年で結婚した、30代の婚活戦略note


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