マガジンのカバー画像

ショートシュート

77
短編集を集めてみました
運営しているクリエイター

記事一覧

近未来の出来事(一分では読めない小説)

近未来の出来事(一分では読めない小説)

西暦20XX年
医学の進歩により、高齢化が急速に進み
少子化が加速し人口の分布バランスは
大きな歪みを描き出していた。
この状況下において、人工知能を備えたロボットが、
人間の職場に次々と進出し大量の失業者を作り出す。
しかし行政は何ら打開策も示さず、社会不安は日に日に深刻度を増していた。

…このままでは、人類は滅亡する。
少なくても日本は壊滅する…
不安を持ち悩む私の前に、少女が現れる。

もっとみる
君に届かない(一分で読める小説)➕追伸

君に届かない(一分で読める小説)➕追伸

君には届かない赤い糸
だって、左の小指が僕には無いから
散髪している時、間違って自分の小指を
切断したの。
あれから、赤い糸が結べ無いの。
縁結び神様が、そう言うの。
「一度切った縁は、結べない」
って。
神さまって、無慈悲なの。
だから仏様にお願いしたの。
でも、仏さまには、ほっとかれたの。
だから、
未だ知らない君には、
運命の赤い糸は届かないの。

追伸
🎵私が切った小指が痛い
昨日の夜の

もっとみる
不思議な女(一分では読めない小説)➕追伸

不思議な女(一分では読めない小説)➕追伸

ある日、初めて会った女から突然言いがかりをつけられた。

「貴方は、『私と初めて会う』って言ったけど
貴方は覚えてないのね!私が貴方に散々いじめれれていた事を」

「いじめていた!君を。いつ、虐めた。
今、会ったばかりなのに」
「そう、貴方は知らないのね?前世の事を!」
「前世だって?そんな事知るか! 
お前、頭が可笑しいのか?」
と、怒って言うが、女は薄笑いを浮かべ

「前世で、お前に虐めれ、

もっとみる
冷凍記憶(一分では読めない小説)(1140字)

冷凍記憶(一分では読めない小説)(1140字)

20XX年世界を驚かす画期的なマシンが発表された。
「これが弊社が開発しました、世界初の人の記憶を冷凍させるマシンです」

「冷凍させるって、記憶ですか?
脳ミソの中の記憶をですか?」
と、一人の記者が全員を代表するかの様に
疑問をぶつける。

「そうです、記憶を冷凍保存するのです。
優秀な科学者、医学者、各分野のそれぞれの
優れた記憶を冷凍保存し
時代を超え未来の人達に、
その知識やノウハウを残

もっとみる
白い靴を履いていた人(一分で読める小説)

白い靴を履いていた人(一分で読める小説)

白い靴が目立つ、あのお爺ちゃん
毎日この道を散歩している、あのお爺ちゃん。
私の家の前で、腰を下ろし休んでいた、あのお爺ちゃん。
「今日も姿が見えないな〜。
どうしたのだろう?
名前も知らないお爺ちゃんだけど、
会えないと、何だか寂しいなぁ。」

今日、何故かゆっくり走って行く
白い色の霊柩車
私の家の前を名残り惜しそうに通って行く。

霊柩車の中に目を向けると、
抱かているあのお爺ちゃんの遺影。

もっとみる
奥の細道(一分で読める小説)

奥の細道(一分で読める小説)

芭蕉は、いま悩んでいた。
自らの希望で全国巡る旅に出たのであるが、
目的地に辿り着く迄に多くの困難が待ち受けていた。
今までは、彼の長年培ってきた努力と忍耐と
並外れた体力で全てを乗り越えてきた。
だが、今回は違った。

芭蕉は、悩みに悩む。
…こんな事では目的地に行けない、
だからと言って、神にも頼れない
私自身が決断し選ばなければならない…

芭蕉は、天を仰ぐ。
頬に当たるは熱い風。
額には汗

もっとみる
完全犯罪(420字の小説)➕追伸(全部で四四四字)

完全犯罪(420字の小説)➕追伸(全部で四四四字)

「あのジジイまだ生きていやがる!」
ジジイが死ねば、遺産金は全部俺の物
医者はもう匙を投げているのに、まだ粘ってやがるあのジジイ
心臓に負担を掛けぬよう医者に注意さている
安静にしているジジイの心臓に
どの様に負担を掛けかるかを俺は悩む

そして完全犯罪を想いつく
安静の状態で心臓に負担を掛け
殺害する方法
そして俺は計画し、それを実行する
冷酷な手段で

毎日、俺はジジイを笑わせた
私のジョーク

もっとみる
この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(結)➕追伸(1600字)

この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(結)➕追伸(1600字)

突然、彼女はあの有名な「ボケ探偵団」の歌を口ずさむ。
この歌は今、爆発的に売れている
エロ河乱歩の小説
「買人二十円装と闘うボケ探偵団」
のテーマソングである。
その小説の説明はさて置き、

私は彼女の疑問に真摯に答える「その時」
が来ていると、感じていた。
それは、「釈尊が法華経を説く時」と、同じである

「君にもっと解り易く言うね。時計を想像して下さい。
小さな歯車が精妙に繋がりあい、リズムを

もっとみる
この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(転2)➕追伸

この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(転2)➕追伸

…この世の真実!この娘はすごく深い哲学を求めているのか?…
私は、彼女の手を取り立ち上がらせる。
スカートに付いた砂を払うことも無く、
じっと私の目を見てくる彼女。
その瞳の奥に、「この世の真実を知りたい」
と言う強い想いが感じられた。

「この様な難しい事を話すには、外での立ち話では出来ません。
だからと言って、ボケトリオのいるこの大衆食堂では無理だと思います。
少し落ち着いた場所に行きませんか

もっとみる
この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(承)(500字の小説)➕追伸

この世の真実(スター☆ボーン&貴福華衣)(承)(500字の小説)➕追伸

僕の目に飛び込んできたのは、あどけない瞳を持つ女性であった。
だが、苦しそうな姿は何を表しているのだろうか?
…この娘は、食堂から出てきたばかり、食べすぎたのか?…
と、僕の脳裏に閃光が走る。
「どうしたのですか?お嬢さん。辛そうですが」
と、優しく言ってみた。

「・・・・」
何も語らず、僕の顔を見つめる不思議な娘。
「どうしたの? 身体辛いの🥵?」
「少し、めまいがして・・・」
と、声が弱い

もっとみる
巧妙な詐欺(1分で読める小説)

巧妙な詐欺(1分で読める小説)

人間誰しも、簡単に信じてはいけない。
たとえそれが、
愛情持って育ててくれた両親であっても。

彼がある日、両親から家の購入の相談を受けた。
母親が云うには「2000万の建て売り住宅を購入したい」と云うのである。
だが、「両親とも高齢で住宅ローンが組めない。お前の名義でローンを組みたい。返済は私達が責任を持つから、
名義だけ貸してくれ」
と、頼まれた。

彼は熟考し反対したのだが、両親は執拗に食い

もっとみる
君に届かないコメント(一分で読める小説)➕追伸

君に届かないコメント(一分で読める小説)➕追伸

エブリスタで掲載している私の小説に、
あの娘の残したコメントがある。
あの娘が読んだ私の小説全てに、
感想が書いてある。
そして、私以外の人の小説にも、
あの娘は真摯に感想を残している

去年の7月16日以降、あの娘はそのサイトに姿を表さなくなった。
以前から体調不良をコメントに残しているので大変気掛かりだ。
あの娘の健康を祈りたい!
無事を祈りたい!

「文章は、その人の魂を宿す!」
彼女の書い

もっとみる
放課後ランプ (続編) (410字の小説)

放課後ランプ (続編) (410字の小説)

昨日の反省をした僕は、誓いを立てる。
…決して授業中に居眠りはしない…
と心に決め真剣に授業に臨む。
誰にも見つからずにランプに火を灯し、
神妙に授業を受ける僕。
僕の決意はかたく、
今日は一睡もしなかった。

直ぐに帰宅しランプを探すが、無い!
学校に忘れて来た。
火も消していない。
直ぐに学校に行き、
ランプを取りに行かないと!
心に思うが、睡魔が僕を襲い、
語りかけて来る。
「そんな物は睡眠

もっとみる
放課後ランプ(410字の小説)➕追伸

放課後ランプ(410字の小説)➕追伸

僕は受験生。
僕の家は貧しく、塾にも行く事は出来ない。
不安に思っていたある日、ある人からランプを貰った。
その人が云うには
「このランプを灯すと、授業中の記憶が蘇る」と云うのだ。
このランプ、「放課後ランプ」と云うらしい。
…そんなランプ、本当に有るのか?…
と、疑念が湧いたが、
授業の内容がもう一度確認できるのであれば、
復習するのに最適である。
そのランプの使い方は、
「授業中にそのランプを

もっとみる