#連続小説【アオハル】〜第四章・薩摩実業 2 〜

入学式が終わり生徒と保護者達はそれぞれの教室へと案内された。教室の扉の上に付いてる札には1総cの文字が貼り付けられていた。

(1総c…これが俺の教室か。気合い入れてナメられないようにしねぇとな…)

俺の席は教室後方の角だった。にしても席数が多い。1クラスで55席は詰めすぎじゃないのか?圧迫感がありすぎて窓を開けたい気持ちだ。

暫くすると担任の先生がやってきたのだが…入学式で見たあの教師だった

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あなたに幸福を祈ります!
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#連続小説【アオハル】〜第四章・薩摩実業 1 〜

4月、俺は入学式に出席するためお袋と薩摩実業高校に来ていた。薩摩実業は野球やサッカーで全国制覇を果たすスポーツ学校であり、文理科は有名国立大学に現役合格者を出せる文武両道な学校だ。

入学式は体育館で行われるのだが、そのデカさは半端なくてバレーボールコートが三面も取れる程、俺は入った時の天井の高さと広さに呆気にとられてしまった。

(デカッ!俺、とんでもねぇ所に入学しちまったかも…)

「1年生は

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火傷するぜ〜
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境界線のオパリオス(2)

第一話はこちら

「ねぇ、こっちにおいでよ」

空虚に微笑む、お前。
仮面のように張り付く微笑は、作られた美術品のような美しさ。
けど、その微笑みは、毒に満ちていることを俺は知っている。

俺を誘おうとする甘く芳しい蜜を、お前は俺に向けている。

さしずめ俺は、艶やかに咲き誇る毒花の蜜の誘惑にあらがおうとする虫に過ぎない。
勝手に足が一歩を踏み出す。
蜜にからめとられそうになる。

だが、内側で声

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ありがとうございます!!
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境界線のオパリオス(1)

眼鏡をはずす。
視界がぼやけ、簡素な家具しかない部屋がぼんやりと滲む。

瞬きをする。部屋が歪む。泡の音が耳の奥で響き渡る。

現れるのは、あの日の君。

浮かぶ私。沈む君。

名残惜しげに頬に添えられた君の手は、びっくりするほど、あたたかい。

陽炎のように揺らめく、美しい君の髪。
月光を黒水晶に閉じ込めたような、輝く瞳。

細められた君の瞳は、薄暗い世界で、唯一、輝くものだった。
吸い寄せられ

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良ければまた読んでやってください🎶
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#連続小説【アオハル】〜第三章・願い 5 〜

「マイク〜!おめでとう!薩摩実業受かったんだって?俺はお前と工業に行くって思ってだんだけどな〜まぁしゃあないか!」

「まぁな。シャンはこれから受験だろ?勉強しなくて大丈夫なんかよ?」

「足し算と引き算が出来たら入れる高校に、かけ算と割り算までマスターしてる俺が、受からない訳ないだろ?アハハハ!」

「イカレてる…でもお前は何とかしちまうからな…まぁ頑張れ…」

あの言葉通りに真也は、勉強を全く

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火傷するぜ〜
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#連続小説【アオハル】〜第三章・願い 4 〜

駐車場へ戻るとニッちゃんが満面の笑みで出迎えてくれた。

「今朝は騙すような事をしてごめんね!テストどうだった?」

「分かるのだけ書いてきた。まぁ…50点いくかどうかも怪しいくらいかな…」

ニッちゃんの笑顔に報いたくて、一瞬嘘をつこうかと思ったがそれはやめた。結果は見えてるから嘘ついてもしょうがないと思ったのだ。

「そう。難しかったの?」

「考えなくても分かる所だけ書いてきたんで難しいかど

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今日も一日幸せだ〜
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#連続小説【アオハル】〜第三章・願い 3 〜

試験はどうやらホールではなく、いくつかの部屋で行うようだ。受験する高校の名前すら受付するまで知らないでいたのだが、俺が受験するのはスポーツで全国に名を馳せる有名私立校らしい…

(私立薩摩実業高校…俺でも知ってるレベルの有名な学校じゃん。)

ビッグネームに驚いた俺だったが、今の目的は試験に落ちる事である。適当にやって時間を潰すだけ。俺はそれで親孝行したって自分に言い聞かせる作戦にでたのだ。

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オレもスキなんだよな〜
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#連続小説【アオハル】〜第三章・願い 2 〜

「優人君。工科学校はダメだったけど…高校は出なきゃいけないと先生は思うの。自分の成長を止める事はしない方がいい。勉強だけじゃなく社会経験としても役に立つから。考え直してみない?」

「俺の家はほら…貧乏だしさ弟も妹もいるから…だから金の掛からない所が良かったんだよね。」

「お母様はお金の心配はしなくていいって先生に話してくれました。優人君が卒業するまで絶対に支払うんだって言ってたんだよ?お母様の

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あなたに幸福を祈ります!
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#連続小説【アオハル】〜第三章・願い 1 〜

学校に行かなくなってからどのくらい経つのか…まぁ数えてなんていないし、そうする気も起きない。学校に行ったところで不合格の不の字が消えることなんて無いのだから。

あの日から俺の1日は惰眠。ゲーム。漫画。テレビ。食事。のサイクルで回っていた。ニッちゃんや真也がしょっちゅう家に来るのだが玄関先で少し話すだけで外に出ることは無かった。

受験までの短い時間で出来る事は全部やったし、手応えは確かにあった。

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オレもスキなんだよな〜
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#連続小説【アオハル】〜第二章・壁と腐った林檎 5 〜

あの日から俺は、勉強+ランニングをしていた。一番嫌いな事をやって行こうと思ったからだ。自分に勝つために雨が降っても行った。
その甲斐あってかは分からないが、期末テストでは自己最高得点を達成する事が出来た。たしか…合計で400点は越えていたと思う。いい流れで入試当日を迎えれたのは最高だ。

「忘れ物はない?」

「筆記用具も受験票もある。大丈夫。」

家から試験場まで車で1時間は掛かるので忘れ物をし

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これからもよろしくね!
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