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身内に"左利き"という新風が吹き荒れる。

4歳のいとこの子どもが左利きだ。

わたしの周りには左利きの人が何人かいる。だから何とも思わないのだが、うちの親世代はみんな気になるらしい。
身内には左利きが1人もいない。そのせいか、特にその子のおばあちゃんが熱心で、口を酸っぱくして「右、右」っていうのが気になってしまった。
一応、字を書くときと食事をするときは右手を使うようにするっていうのを決めたみたいだけど、ママ的にはどっちでも良さそう。

試しに子どもとキャッチボールをしてみたら、確かに左手のほうがコントロール良く投げられる。キャッチするときも、体勢がシェーってなってしまって運動オンチ感は否めないけれど、とっさに手が伸びるのは左手だった。

教えてもいないのに左手を使うのが上手なのは、遺伝子レベルで合ってるってことなんじゃないのか。
右手を使うのは果たして正しいことなのか。凝り固まった習慣の押しつけになってしまっていないか。
別に悪いことをしてるわけでもないのにいちいち注意されるのは、子供からしたら否定されているような気分にならないのだろうか。

左利きってもう珍しくないよね?

毎年担当している新卒研修でも、採用人数は変わっていないのに左利きの数はだんだん増えている。統計が正しければ、今年の左利きは4人入社してくるだろう。布を裁断するときに使う裁ちばさみにも左利きのものがあるので、それを事前に把握して用意しておく必要があるのだ。

裁ちばさみのように、左利き専用に設計された道具は増えている。ざっと検索しただけで、カッターナイフ、計量カップ、定規などが出てきた。手帳もある。
中には左利き専用どころか、左右どっちでも大丈夫なデザインも出てきている。これからもっともっと開発されていくだろう。
それだけ左利きは少数派じゃなくなってきている。

確かに昔から伝わる文化として、日本語の書き順は右手で書きやすいようになっている。ステーキをナイフとフォークで切るときも、右利きだと左から食べやすい。
いっそのこと両利きになったら便利なのかもしれないけれど、先天的に左手を好んで使うのなら、無理して矯正する必要もないんじゃないかなぁ。
うまく使えないほうの手を無理して使って、ぶきっちょ扱いされるのも嫌じゃん。左手使わせてくれって思うよね。

食事するたびに、絵を描くたびに、ボールを投げるたびに「右手を使うのよ」と注意される4才児をみて、君も大変だね、と思わず同情してしまった。
何をしてやれるかは分からないけれど、おばちゃんと一緒に新しい風吹かそうな。

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