見出し画像

コラム31 「検討の方向性」から2021年以降の介護保険のリハビリテーションを読み解く(11月1日・記)

2021年の介護報酬改定議論が行われている介護給付費分科会において、各サービスごとの「検討の方向性」という資料が10月に出されました。

介護保険領域で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が働いている通所リハ、通所介護、訪問リハ、訪問看護のそれぞれの今後のリハビリテーションの方向性について、これらの資料を基に2021年の介護保険におけるリハビリテーションの方向性を読み解いてみます。

これまでの改定からはっきりしていることは

介護保険的に在宅にいる方に対しての「リハビリテーション」というのは

通所リハビリテーション、病院や診療所・老健からの訪問リハビリテーションだということです。

通所介護や訪問看護のセラピストの働きはリハビリテーションではないと考えられています。

通所介護はリハビリテーションではなく「個別機能訓練」ですし、訪問看護ステーションからのリハは「看護の補完的役割」だと厚労省は考えています。

通所介護や訪問介護で算定できる、生活機能向上連携加算の連携先もこの考え方に基づいており、リハ職が在籍している事業所として連携可能なのは「通所リハ事業所」、「訪問リハ事業所」を有する施設であり、通所介護や訪問看護にいるリハ職は対象になっていないのです。

このことはここ10年くらいの介護報酬や診療報酬の改定ではっきりとしていることなのです。

「訪問看護でのリハをもっと認めてほしい」とか「通所介護のリハの存在をもっと認めてほしい」などではなく、在宅領域で働く理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、リハに関する事業を運営する経営者はもっと冷静に2021年以降の方向性を考えるべきだと思っています。

不満を言うだけではなく、冷静に読み解いて今後の方向性を考えることは事業所として生き残ることにつながるし、セラピストとしてのどう働いていくのかってことにつながる。

2021年以降のリハビリテーションの方向性について考えてみます。

以下のコラムで表示している画像はすべて10月に介護給付費分科会で出された資料です。(画像が見ずらい場合は、それぞれの画像下の部分からダウンロードすることができます。)

◆こちらのコラムもあわせて読むと役に立つと思います。


医師のいる事業所のメリット

ここから先は

3,684字 / 10画像 / 10ファイル

フリー作業療法士として日々書いております。サポートは励みになっています。サポートなくてもお買い上げいただけますが、あると嬉しい。