私が料理を作るときに特に気をつけているのが、噛みやすさです。
92歳の母が美味しく食べられるように、適度な食感を残しながら、噛み切れことを条件に食材の下準備をしています。

年齢を重ねると、いつの間にか硬いものが食べにくくなるのです。

母は、あまり斬新な料理は好きではありません。純和風のメニューが好きなのです。そんな母の要望に応えるために作るのが、ゴボウとニンジンのキンピラです。

料理の下準備のために普通は包丁を使ってゴボウのささがきを作るのですが、私は最近ピューラーを使います。

出来るだけ薄く歯触りが若干残るように削って、ゴボウのスライスをたくさん作った後、ニンジンも同じようにピューラーでスライスします。

薄く削いだゴボウは水につけてアクを抜きます。この下準備が完了したら後は調理するだけです。

胡麻油でゴボウを炒めてしんなりしてきたら、ニンジンのスライスを加えて炒めます。

程よく火が通ったら、出汁を入れて煮込んだ後、酒、みりん、醤油、砂糖を加えて母が食べやすい柔らかさまで煮込みます。

お好みで鷹の爪の輪切りを少々加えると大人の味わいになります。

胡麻油とゴボウと甘辛い出汁の香りが立ち上って、出来上がりを教えてくれます。

盛り付けの時に、お好みで胡麻をトッピングして、出来上がりです。

炊き立てのご飯に最高に合う副菜が完成しました。

たくさん作って保存容器に入れておいたら、数日間副菜には困りません。母が大好きなイチオシのおいしい一品です。

出来立ても美味しいし、数日後も味に深みが出て美味しいですよ。

【毎日がバトル：山田家の女たち】

《柔らかいけん食べられるんよ》

※92歳のばあばと娘の会話です。

「あんたのキンピラ柔らかくて食感が程よくて、飽きん味なんよ、毎日食べても嫌にならん味じゃわい」

「ゴボウは体にもええしね」

「あんたがピューラーで一生懸命削ってくれとるけんね、最近特に美味しいよ、柔らかいけん食べられるんよ」

母のお気に入りがあって本当に良かったです。ピューラーのおかげです。

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