髪形やヘアカラーを変えるために、美容院に行くと何となく新しい自分に会えるような特別な感覚になるものです。

髪を切ればスッキリするし、ヘアカラーやヘアスタイルが変われば簡単に気分転換ができます。
昨日までと違った自分に生まれ変わるような、新しい日常が始まるような、フレッシュな気がするのです。

お年寄りにとっては、それはなおさらのようで美容院に出掛ける事で、元気が湧いてくるようです。

外出を控えている母は4ヶ月カットに行っていませんでした。
気合いを入れないと出掛ける決心がつかないのです。

最近は伸びきった髪が気になって仕方がないようでした。

「お母さん、そろそろ妖怪から妖精に変身しなくちゃね」と言うと、「そうよ、妖怪から脱出せんとね、大安の日にカットに行こうかなー」と出掛ける気になったようです。

美容院に行くと決めた日、母は朝早くからいそいそと準備をしていました。

昔から美意識が高い母ですが、美容院のオーナーには全幅の信頼を置いています。お気に入りの先生がいるのは安心です。
鏡に向かうと、母の眼差しは自宅にいる時とは違います。
カットが始まって、少しずつ整っていく髪を見ながら、嬉しそうでした。

カットを終えた母は、いつも以上にシャキッとしていてエネルギーが注入できたようです。

思い切って美容院に出掛けて良かったです。
美容院はお年寄りにとって、元気をもらう場所なのです。母の女子力が一気にアップしました。

【毎日がバトル：山田家の女たち】

《いろんな所に行ってみたなったわい》

※92歳のばあばと娘の会話です。

「髪を切った顔を見らた元気が出たわい、いろんな所に行ってみたなった、不思議なもんよ」

「お母さん、妖精になったけんね」

「やっぱり幾つになっても女性は女性よ、カットに行って良かったわい」

カット一つで母に元気がもらえました。ちょっとしたことでお年寄りは変わるものだとつくづく思った出来事です。

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