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石井朋彦『新装版 自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』を読んで

『新装版 自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド』石井朋彦  2023.9.26 発行 WAVE出版

内容
 アニメプロデューサー・石井朋彦。その真摯な仕事の根底にある「自分を捨てる仕事術」とは何か。
 「自分のなかには何もない。何かあるとしたら、それは外、つまり他人のなかである」という真実を、強い筆力で伝える1冊。
 スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫が若き著者に教えた、会話術、文章術、人心掌握術、トラブル対応ほか、具体的方法論のすべて。

WAVE出版より

 本書は、アニメプロデューサーの著者がスタジオジブリの鈴木敏夫氏から学んだ方法論をまとめた本。

 鈴木氏からの教えには、「自分を捨てて他人の真似をする」という仕事術が紹介されています。この方法論は、自分の主観や意見を排除し、他人を真似することで、ノウハウを学び、俯瞰的な視点を持ち、自分の強みを見つけることを目指します。

 仕事において自己流の壁にぶつかっている人々にとって、役に立つ一冊となっています。自分のいらないこだわり等を捨てて、本当の自分らしさを見つける必要性を説いています。

 本当に伝えようとしたことはシンプル。自分の考え、自分の主張にこだわっていてもうまくいかない。

 人の真似をすること

 自らを空にして、尊敬する他者を真似し、他人の意見を取り入れる。自己中心的なアプローチではなく、他者と協力し、成長し、共に学ぶことで、他者に必要とされる生き方を心がけることが重要であると述べています。

印象に残った文章

 とにかく1回、何も考えずに、自分がいいなと思った人、コンプレックスを抱いた人、負けた、と思った人の「型」を真似してみる。
 自分を空っぽにして、身体のなかに取り入れてみる。
 そのあとで、自分にとって有益なことは自然に残っていくし、違和感があったり、なじまなかったことは捨てればいい。
 いちばんよくないのは、「あの人は自分と違う」と決めつけ、いつまでも心のなかに、劣等感やマイナスな感情を抱き続け、その場にいとどまってしまうことです。

『新装版 自分を捨てる仕事術』石井朋彦 83頁

 「素材を起承転結の箱に分ける。その前に『枕』があるとなおよし」
 「枕」によって、読者の興味を喚起し、
 「起」によって、伝えたいテーマの根幹を書き、
 「承」においてさらにそれを深め、
 「転」において一見関係のない別の話題にふり、
 「結」においてそのすべてが結びつく。

『新装版 自分を捨てる仕事術』石井朋彦 107頁

 大切なのは余白と見直し。
 週のはじめに、その週にやるべき仕事を考える時間をつくること。
 週の真ん中で、煩雑になった思考をいったん整理すること。

『新装版 自分を捨てる仕事術』石井朋彦 125頁



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