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2024年 2月議会代表質問に登壇しました!

0.はじめに


今回用意した36問を無事に終えました。
お忙しい中傍聴に来てくださった皆さん、オンラインで聞いてくださり温かいメッセージを寄せてくださった皆さん、心より感謝いたします。
当日夕方のニュースで、ミルク、おむつ、生理用品の現物備蓄が一部の自治体でできていないこと、木造住宅の耐震化に向けて高齢者宅を戸別訪問するなどの事業を県が開始することを取り上げていただきました。

災害発生初期に最低限必要な「ミルク、乳幼児用おむつ、生理用品」 宮崎県内の一部の自治体で現物の備蓄なし | MRTニュース | MRT宮崎放送 (1ページ) (tbs.co.jp)
○UMKさんでは木造耐震化率が全国平均より低い、という指摘を取り上げていただきました!
宮崎ニュースUMK|UMKテレビ宮崎

いただいた感想で一番多かったのは、最後に読み上げた性加害を受けた元非常勤講師のメッセージです。また随時更新・投稿させていただきます。

○宮崎県議会HPより動画をご覧いただけます!
宮崎県議会インターネット中継 - 発言内容 (discussvision.net)


1.知事の政治姿勢

2024年2月26日(月)13:00~

①県民の感情に寄り添う宮崎県政へ~ヒマラヤユキノシタ

【山内】
県民連合立憲の山内佳菜子です。

コロナ感染で療養し、ご迷惑をおかけいたしました。感染防止のためマスク着用のまま質問します。お聞き苦しい点もあるかと思いますが、ご容赦いただけますと幸いです。

自宅の庭にピンクの鮮やかな花が咲きました。

寒い冬にも雪の下で耐え忍び、春には花を咲かせることから「ヒマラヤユキノシタ」と言います。花言葉は「秘めた感情」。

県民からは低い所得や物価高騰が続く苦しい生活、政治への怒り、男女格差やハラスメントが依然として残る社会の中で、声を上げられない、上げても変えられない、という状況に耐え忍ぶ、または、耐え難いという声もお聴きします。

宮崎で暮らす一人ひとりの県民の感情に寄り添い、政策として解決を目指す存在でありたい。

河野知事をはじめとする宮崎県政も、同じ思いであると信じています。

県民の声をご紹介しながら、会派を代表して質問してまいります。

知事、関係部局長におかれましては、県民の心情に寄り添う答弁をお願いたします。

自宅に咲くヒマラヤユキノシタ

②「政治とカネ」問題、知事はどうみているのか?

【山内】
最初に、政治とカネの問題です。
自民党の調査結果によると、いわゆるキックバックの不記載などがあった国会議員は85人、総額5億7000万円を超えているといいます。
16日からは確定申告も始まりました。30年続く賃金の低迷、物価高騰に歯を食いしばり、必死の思いで税金を納めている国民の怒りは、ごくまっとうな感情ではないでしょうか。

①自民党のいわゆる「派閥」による「裏金」問題について、知事の所見を伺います。
また、政治への信頼回復のために何が必要だと考えるか、伺います。
 
以上で壇上からの質問を終え、以下の質問は質問者席から行います。


【知事】
今般の政治資金パーティー収入を政治資金収支報告書に適切に記載しないなどの政治資金規正法に違反する不適切な会計処理により、国民の政治不信を招く事態となっていることについては、大変残念に思っております。
政治は国民の信頼の上に成り立つものであります。政治資金については、国民に疑念を抱かれることのないよう、透明化を図りながら、公明正大に取り扱うことが重要であると考えております。
政治への信頼回復を図っていくためには、今回の事案を踏まえ、国において実効性のある再発防止策が講じられることが大切であり、今国会においても議論がなされております。私としましても、その議論の行方を注視してまいりたいと考えております。


【山内】 
「『国民は増税、自民は脱税』というような国民の不安の声が渦巻くことがないように、岸田総理は考えられる全ての対応をすべきではないか」。
私たち立憲民主党宮崎県連の代表を務める宮崎1区選出の渡辺創衆議院議員は、国会の予算委員会の場で、岸田首相に述べました。国民が今希求している率直な思いです。
政治臨倫理審査会の開催は決定するものの非公開が希望されているなど、国民の理解は得られ難い状況が続いています。原因や使途の真相の徹底解明、政治資金規正法見直しなど実効性ある再発防止策が必要です。
 
 

③2050年には、県内11市町村で働き手が半減


【山内】
次は、働き手が激減するという厳しい報告を取り上げます。
2050年時点の15~64歳の生産年齢人口を2020年と比べたところ、宮崎県では11市町村で半数未満に落ち込む、という厳しいデータが公表されました。
そこで質問します。
②生産年齢人口の急激な減少が見込まれることについてどのように受け止め、今後どのように対策を進めていく考えか、知事に伺います。
 
【知事】
議員御指摘の推計では、本県全体でも生産年齢人口が約3分の2に減少するとされており、 地域における暮らしや産業の維持がますます困難になるものと、強い危機感を抱いております。
 私は、就任当初から人口減少対策に真正面から向き合い、子育て環境の整備にも様々な対策を講じてきておりますが、 さらに、来年度からは、日本一挑戦プロジェクトを本格展開する中で、男性の育児休業促進をはじめ結婚・子育て支援を改めて強化するなど、 日本一生み育てやすい宮崎県を目指していくこととしております。
 加えて、デジタル技術等の活用による担い手不足への対応はもとより社会減対策も大変重要でありますので、 付加価値の高い産業の振興や地場企業の育成、働き方改革や女性が活躍できる社会づくりなどを通じて、魅力ある雇用の創出や県民の所得向上につなげてまいります。
 これらの取組を通じて、特に若い世代が未来に希望を持ち、安心して働き、暮らし続けることができる宮崎の実現に、引き続き全力を傾けてまいります。

④県内99.9%の中小企業の賃上げを実現するために~山口県の先行事例

【山内】
知事から「県民の所得向上につなげていく」という言葉もいただきました。
本県の1人あたりの県民所得は2020年度の228万8千円で全都道府県のうちワースト2位。全国平均を約70万円も下回っています。今年の春闘も本格化する時期ですが、賃金をいかに上げるか、知事の本気度が問われています。

③賃上げの実現に向けて、知事の決意と今後の取組を伺います。

【知事】
政府は、長引くデフレから脱却し、経済・産業の継続的な成長を実現するため、賃上げを喫緊の課題として、税制の拡充や助成金制度などにより促進しているところであり、今後も、賃上げの動きは強まるものと考えております。
 一方で、企業にとって、賃上げ原資の確保は大きな課題であり、特に中小企業・小規模事業者がほとんどを占める本県では、持続的な賃上げをいかに実現できるか、切実な状況であると受け止めているところです。
 このため、県といたしましては、県内企業の「稼ぐ力」の強化を図るため、
生産性向上を図るための設備投資等を重点的に支援するとともに、労務費などのコスト上昇分を適切に価格転嫁できる環境づくりのための予算措置を今定例会にお願いしているところです。
 また、「プレミアム付商品券等発行事業」などにより、物価高対策として生活者支援にも積極的に取り組む考えであります。
 今後とも、関係団体等と連携して、様々な施策に複合的に取り組むことで、
 県民生活の安定、地域経済の活性化につなげてまいります。

【山内】
長期的、根本的な取り組みと合わせて、強いメッセージも必要です。
山口県は本年度、賃金引上げと働き方改革をセットで取り組んだ事業所に奨励金を支給する「賃上げ環境整備応援奨励金」を設けました。予算枠ほぼいっぱいの約440件の申請があり、その半数は10人以下と小さな事業所でした。事業所側には元手もかからない上に、就業規則すらない事業所に社労士を派遣して応援してくれる事業で「これまで取り組みたくても取り組めない小さな事業所が申請しやすかったのでは」という話も山口県の担当者から聞きました。
「賃上げしたくてもできない」「自分は無給、賃上げするなら人を減らすしかない」
宮崎で必死に頑張っている中小企業、事業所の皆さんを全力で後押しする知事の強い姿勢に期待します。

2.能登半島地震の教訓から宮崎へ~防災減災

①「女性ゼロ自治体」解消を~防災・危機管理部局18自治体、防災会議5自治体

【山内】
続いて、防災減災の観点から5問質問します。
これまでの議員も取り上げられていますが、能登半島地震で注目された課題である「震災関連死」「耐震化」の視点で、確認します。
 
災害関連死のリスクを回避するには、高齢者、障がい者への配慮はもちろん、女性の視点が必要です。内閣府の調査によると、災害対応の部署に女性職員が1人も配属されない「女性ゼロ」自治体は全市区町村の61.1%、本県はそれを上回る69.2%で、26市町村のうち18自治体は「女性ゼロ」です。

そこで、
④本県の防災・危機管理部局、防災会議の女性の割合とその全国の状況について、危機管理統括監に伺います。

【危機管理統括監】
内閣府男女共同参画局の調査によりますと、令和4年12月31日現在、防災・危機管理部局に配置されている女性職員の割合は、本県は7.1%で、全国都道府県平均は11.1%、県内市町村は10.6%で、全国市区町村平均は9.9%であります。
また、防災会議の女性委員の割合は、本県は16.4%で、全国平均は21.0%、県内市町村は8.6%で、全国平均は10.3%となっております。

【山内】
防災会議の女性委員割合が県、市町村とも平均を下回り、女性委員ゼロも5自治体あります。
宮崎日日新聞での連載では、さまざまな場面での男女格差が地方からの女性流出の一因との問題提起もなされています。女性ゼロ自治体の解消を求めます。

②女性消防職員への対応を確認する~消防学校女性寮整備へ


【山内】
次に、女性の消防職員について確認します。
県内の女性消防職員は2023年度現在16人でわずか1.3%。国が掲げる「2026年度に5%」を達成するには、消防学校の環境整備は不可欠です。
前回11月議会で「積極的に改善を図る」と答弁いただきましたが、

⑤消防学校の女性の初任科生が今年度より増えても、受入れは可能なのか、危機管理統括監に伺います。

【危機管理統括監】
消防学校では、初任科研修などにおいて女性消防職員の受入れを行う必要が生じたため、学生寮を一部改修して女性専用の部屋を設けるとともに、
小浴場を女性用とするなどの対応を行っております。
 来年度入校する女性の初任科生は、今年度と同程度の人数と見込まれることから、部屋割りの工夫や備品の追加を行うことなどにより、受入れに支障はないものと考えております。
 しかしながら、近年、女性の消防職員や消防団員が増加しており、今後も増加が見込まれることから、新たに女子寮を整備することとし、今議会でお願いしている「消防学校訓練機能強化事業」により、来年度、設計と地質調査を行うこととしております。

【山内】
今後増える女性職員が訓練に専念するためにも、整備のスピードアップを求めます。
 

③現物備蓄なし~ミルク8自治体、乳幼児用おむつ5自治体、生理用品3自治体

【山内】
次に備蓄品について伺います。
「妊産婦や乳児用の備蓄が全国的に進んでいない」との報道を目にしましたので、確認します。

⑥災害備蓄品の基本8品目のうち、ミルク、乳幼児用おむつ、生理用品を備蓄していない県内市町村数を、危機管理統括監に伺います。

【危機管理統括監】
平成28年12月に県が策定した「宮崎県備蓄基本指針」において、市町村は、災害に備え、議員お尋ねのミルク、乳幼児用おむつ、生理用品のほか、食料や毛布など、発災初期に最低限必要な基本8品目を中心に、高齢者や乳幼児、女性等に配慮し、地域の実情に応じて、現物備蓄又は協定に基づく民間業者等からの調達、いわゆる流通備蓄からの調達に努めることとされております。
 現在、ミルク、乳幼児用おむつ、生理用品について、現物での備蓄をしていない県内市町村数は、ミルクが8、乳幼児用おむつが5、生理用品が3でありますが、いずれも流通備蓄からの調達を行うとのことであります。

【山内】
災害時は流通がストップする恐れもあります。
引き続き、安心安全な避難所づくりへ取組を進めてください。

④能登半島地震後の県民による木造耐震化問い合わせ346件~しかし申請期間外で耐震化につながらず 

【山内】
続いて、耐震化について確認します。
能登半島地震において石川県で亡くなった方のうち9割は家屋倒壊で亡くなりました。
今回の被害に不安を感じて、自治体への問い合わせも増えたようです。そこで、確認します。

⑦能登半島地震の発生を受けて、木造住宅の耐震化に関する問合せ状況について、県土整備部長に伺います。

【県土整備部長】
木造住宅の耐震化の窓口となっている市町村には、能登半島地震の発生以降、県民の皆様から多くの問合せが寄せられております。
 宮崎市の156件、都城市の40件、延岡市の29件など、各市町村への問合せは2月14日現在、合計で346件となっております。

【山内】
346件もの問い合わせが来た。しかし、既に耐震化の補助申請期限は終わっている時期で、耐震化の手続きは結果的にできていない、と聞いています。非常にもったいない状況です。

⑤本県の耐震化84%~全国平均の87%を下回る

2日に国土交通省が発表した耐震化率によると、90%を超えているのは10都道県。九州内でも佐賀、熊本は前倒しして2025年度の解消へと急ぐ一方、本県は84%で、全国平均の87%すら下回っています。
そこで
⑧県民の関心が高い今、木造住宅の耐震化の取組を進めるべきと考えるが、知事の考えを伺います。

【知事】
今回の能登半島地震の被害の大きさと、南海トラフ地震の恐れがあるという中で言うと、私はもっと問い合わせがあっても良いのでは、というほどの危機感を抱いています。
県民の木造住宅の耐震化に対する意識が高いこの時期に、耐震化の取組を更に加速していくことは大変重要であると認識しております。
 このため、今議会に上程しております木造住宅耐震化緊急啓発事業におきまして、テレビ、新聞など様々なメディアを活用して集中的に周知・啓発を行うとともに、木造住宅の耐震改修に関する新たな相談窓口の設置や、ニーズに応じた戸別訪問を行うこととしております。
このうち、戸別訪問につきましては、自宅の耐震性に不安をもつ高齢者等からの要望に応じて、専門家が直接訪問して、耐震化の必要性や補助制度について丁寧にアドバイスすることで、耐震改修に取り組みやすくなるよう
相談体制の充実を図るものであります。
 今後も、南海トラフをはじめとした大地震から県民の生命と財産を守るため、木造住宅の耐震化の推進に取り組んでまいります。

【山内】
高額な費用がネックとなり、高齢化や過疎化が進んでいる地域ほど耐震化が進んでいない、との指摘もあります。補助のかさ上げなど補正予算後も引き続き迅速な対応を求めます。
 

3.子ども・若者

①県内高校生の提案「選挙権年齢引き下げが女性議員増加につながる?!」

【山内】
次に、子ども若者をテーマに7問質問します。
県内の高校生5人が昨年9月、研究に取り組みました。テーマは「女性議員を増やすぞ計画」。本県がジェンダーギャップ指数の政治分野で都道府県最下位であることに注目し、前屋敷えみ県議と私にもインタビューしてくれました。
そこで、5人が若者の政治参加への意欲を生かす策として提案している、
⑨ 被選挙権年齢引き下げについて、知事の所感を伺います。

【知事】
高校生が政治や選挙に関心を持って検討し、提案していただいていることを大変心強く思っております。
被選挙権年齢の引き下げに関しましては、政治家として様々な意見を調整し、方針を決定するには一定の経験が必要との意見もあるところです。
一方で、若者の政治への関心や政治参加意識を高めるため、選挙権年齢は既に18歳以上に引き下げられております。
そのため、被選挙権年齢についても引き下げを行い、未来を担う若者に政治家としても参画していただき、国や地域の将来のあるべき姿を共に描いていくことは、大変意義のあることだと考えております。
各政党の公約にも被選挙権年齢の引き下げ検討が盛り込まれておりますので、引き続き国会において活発に議論されることを期待しております。

【山内】
非常に前向きな答弁をいただいたと思います。
若い皆さんは社会へ参加する機会を求めています。若者対象のモニター制度も含めて、県政に生かす取り組みを進めてください。

②多様な性に悩む児童生徒を守る~ジェンダー・ダイバーシティ課 黒木瑞季代表の言葉から


【山内】
次に、多様な性について伺います。
ある民間団体の調査によると、10代の性的少数者のうち2人に1人は自殺を考え、1割超が自殺未遂に陥ったというデータがあります。同年代の約4倍の高さで、相談できず、孤立や孤独を深めている状況がうかがえます。
今月9日、性同一性障害当事者の黒木瑞季(くろぎ・みずき)さんが代表を務める民間団体「ジェンダー・ダイバーシティ課」が河野知事を表敬訪問し、同席しました。
黒木代表は県内の中学生から「ジェンダークリニックに行きたいが親が連れて行ってくれない」と相談を受け、宮崎では相談や医療につながりづらいという課題を知事に訴え、知事も「学校の体制強化と相談窓口の仕組みが大事」と応じました。そこで、

⑩「多様な性」に悩む児童生徒から学校に相談があった場合の関係機関との連携について、教育長に伺います。

【教育長】
現在、「多様な性」に悩む児童生徒から教職員が相談を受けた場合のマニュアルの作成を進めています。
「多様な性」の悩みは、一人一人違うため、児童生徒の良き理解者となるよう対応することが重要であると考えております。
そのため、マニュアルでは、まずは、児童生徒の意向を踏まえることを最優先としております。
さらに、学校として組織的に対応をするよう示しており、その際、必要に応じて、相談や医療などの専門的な知見を有している関係機関と連携することも示しています。
今後は、マニュアルを年度内に配付し、多様な性」に悩む児童生徒が、新年度、安心して生活できるよう準備してまいります。

【山内】
マニュアル作成は本県では初めての試みです。当事者や民間団体、医療関係者の助言を大切に進めていただくよう求めます。

③ 「性に関する指導参考資料」2012年以来の改定

【山内】
男女格差、多様な性。
これまでの質問に共通する課題を解決する一つの手段として、ユネスコが2009年に提唱した「包括的性教育」があります。
包括的性教育は、生殖機能の学習だけでなく、どうしたら良好な人間関係が築けるのかというコミュニケーション方法や、多様な性、価値観や文化の尊重、ジェンダー平等も含め、5歳から幅広く性について学ぶ考え方です。
男女格差、ハラスメント、性暴力の改善が必要な日本、本県こそ、必要な教育だと考えます。
ここで、県の性に関する教育について確認します。
教職員向けの資料を2012年以来、改訂すると聞きました。
そこで、
⑪「性に関する指導参考資料」改訂の経緯と内容、その周知について教育長に伺います。

【教育長】
平成24年3月に、命を大切にする教育を基盤に県教育委員会が作成した
性に関する教育の参考資料については、学習指導要領の改訂や社会環境の変化に伴う新しい課題等への対応が必要になったため、改訂を進めております。
その内容については、性情報の氾濫や未成年者の性感染症の増加などの
現代的な実態や課題に応じた指導ができるよう性に関する指導の考え方や進め方、更には、各種資料に最新データを掲載することとしております。
学校において資料の活用が推進されるように、各学校へのデータの送付や
教育研修センターのホームページへの掲載に加え、各種研修会等で活用するなど周知を図ってまいります。

④人口中絶率全国ワースト~「教育」は取り組んでいる、では「福祉」は?

【山内】
ご説明では、学校で性に関する指導がされている。
にも関わらず、本県の人工妊娠中絶率は4年連続全国ワーストなど厳しい状況が続いています。そこで福祉面の取り組みを確認します。
 
⑫人工妊娠中絶率の改善に向けては、こどもへの性に関する教育に関係する機関の連携の強化が大切であると考えますが、県の考えを福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
人工妊娠中絶率の改善に向けたこどもへの性に関する教育については、教育機関との連携が大変重要であります。
このため、教育委員会と連携を図りながら、中高生のうちから、妊娠・出産の正しい知識を身につけることを目的とした、助産師やピアカウンセラーとして養成した大学生による思春期健康教育の実施、また、よりきめ細かな啓発を行うための、中学・高校の各世代に応じたリーフレットを作成しているところです。
 今後とも、教育委員会や医師会、助産師会、大学、市町村など関係機関相互の情報共有や意見交換をより一層密にし、さらに連携を強化してまいります。

【山内】
「教育でも取り組んでいる、そして福祉でも取り組んでいる」というご説明があった。しかし、いまだ改善には至っていない。
人工中絶率の話は、岩切県議をはじめ多くの議員が取り上げていますが、そろそろ本格的に原因究明と対策に乗り出すべきではないでしょうか。

⑤秋田県は性教育で人工中絶率を改善~宮崎県はなぜ改善できないのか、それを見つめ直す時~包括的性教育


【山内】
秋田県も1990年代に人工妊娠中絶率が全国平均より高かったため性教育に力を入れ、2011年に3分の1まで減少しました。本県も成果につながる取り組みを模索するべきです。そのためにも、生きる力を身につける教育=包括的性教育は有効だと考えます。

⑬学校における包括的性教育の取扱いについて、教育長に伺います。
 
 【教育長】
ユネスコは、包括的性教育を提唱し、健康と福祉、人権の尊重、ジェンダー平等を促進することを目標としていると認識しております。
学校では、学習指導要領に基づき、保健体育の授業で、心と体の発育・発達
性感染症などの性に関する指導を行っております。
また、道徳の授業や学校の教育活動全体をとおして、人間関係の醸成や価値観、人権などの「いのちを大切にする教育」を実施しております。
性に関する内容を包括的に取り扱うことは、大切な視点だと考えておりますので、今後も児童生徒の実態に応じ、学校の教育活動の様々な場面において、効果的で柔軟な性に関する指導が行われるよう取り組んでまいりたいと考えております。

【山内】
2021年6月議会の井上紀代子議員も同内容の質問をされ、ほぼ同じ答弁でした。
都道府県別のジェンダーギャップ指数の教育分野37位、男女の賃金格差37位、DV、児童虐待の多さ、若者や女性の県外流出。過去の取り組みが今の結果として表れているとすれば、これまでの教育を見つめなおす時期ではないでしょうか。
 

⑥子ども自殺2022年9人~本県過去10年で最も多く

【山内】
続いて、子どもの命について考えます。
⑭本県における子どもの自殺者数について、過去5年間の推移を、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
厚生労働省の人口動態統計によりますと、統計上、年齢区分がされております19歳以下の本県の自殺者数は、平成30年が4人、令和元年が4人、 令和2年が7人、令和3年が8人、令和4年が9人となっております。

【山内】
2022年の9人は過去10年間でも最も多く、非常に胸が痛む状況となっています。

⑦オーバードーズ問題から考えるべきこと~確実につながる支援とは

【山内】
宮崎日日新聞では薬の過剰摂取について連日報道されました。
県に問い合わせましたが、「薬の過剰摂取」の定義はなく、搬送件数を把握していないとのことで、本県の傾向をつかむ貴重なデータと感じています。追い詰められた若者たち、それを見ている現場の関係者の思いは切実です。そこで確認します。

⑮薬の過剰摂取を防ぐため、医薬品販売店や若年層に対しての取組を強化すべきと考えますが、県では今後どのような取組をしていくのか、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
薬の過剰摂取を防ぐためには、薬局等の医薬品販売業者が法令を遵守し、適正に販売することが重要であることから、県としましては、国とも連携して、医薬品販売業者に対し、監視指導を行っております。
 また、薬の正しい理解も重要であるため、特に乱用が懸念される若年層に対しては、保護司・薬剤師等の薬物乱用防止指導員や保健所職員が、中学・高校等での薬物乱用防止教室で、大麻等の乱用防止に加え、薬の適正使用に関する啓発を行っております。
これまでの取組を充実させるとともに、国における今後の動向についても注視しながら、引き続き、薬の過剰摂取の防止に取り組んでまいります。

【山内】
「搬送して終わり」でなく、消防、医療、福祉、教育で連携して必要な支援につながる体制づくりを早急に求めます。

4.教育・福祉 

①特別支援学校スクールバスへの看護師同乗は九州初~新年度予算から


【山内】
次に、教育・福祉で6問お尋ねします。
はじめに、
⑯医療的ケア児専用スクールバスの整備について、取組の概要と今後の方向性を教育長に伺います。

【教育長】
今議会にお願いしております特別支援学校通学環境整備におきまして、更新時期を迎えた中型バス1台を替えて、7名乗りの福祉車両4台を導入し、通学時間の短縮や車いす座席の増加を図ります。
また、そのうち1台につきまして、看護師が同乗した医療的ケア児専用スクールバスとして試行的な運行を計画しております。
この専用スクールバスを医療的ケアが必要な児童生徒の在籍の多い清武せいりゅう支援学校で運行することとし、乗車マニュアルの作成や緊急時対応など、課題を整理しながら運行のあり方を検証してまいります。
今後とも保護者の負担を軽減できる通学支援について研究してまいります。

【山内】
保護者から強い要望がある中で看護師同乗は九州初です。拡充をお願いします。
 

②放課後等デイサービス、過去5年間で1.7倍へ

【山内】
続いて、医療的ケア児や発達障がい児など障がいがある6~18歳を放課後や長期休暇中に預かる「放課後等デイサービス」、「放デイ」について伺います。
⑰7県内における放課後等デイサービスの過去5年間の事業者数と利用者数の推移について、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
県内における放課後等デイサービスの指定状況は、平成29年度末の121事業所に対し、令和4年度末では206事業所となっており、5年間で約1.7倍に増えております。
 また、利用者数については、平成29年度末の1,679人に対し、
 令和4年度末で2,880人となり、こちらも同様に約1.7倍に増えているところです。
 
【山内】
共働きやひとり親、障がいや特性のある子が増える一方で、その受け皿となる放デイも急速に増加。利用者の争奪戦が起きているようです。

③「最後の砦」~「寺子屋MOMO」の利用者の声

【山内】
不正の報道のたびに国の求めるハードルが年々高まり、「運営が厳しくなっている」「人件費高騰に報酬単価が見合わず、より不正が横行するのでは」と懸念する声も聞こえてきます。
放デイは、学校や放課後児童クラブといった集団では目や手が十分に行き届かない子どもたちも含めて、一人ひとりに応じた適切な療育を提供することで、社会の中で生きていく力を身に付け、学ぶ楽しさを味わうことができる場所です。
中には、本来の機能ではないものの、多忙な児童相談所の支援からこぼれ落ちて命の危険すら迫っている子を支える放デイもあります。
また、「学習支援」は子どもや保護者のニーズが非常に高いものの報酬単価が厳しくなっており、「必死で存続しているが、度重なる国の制度変更に運営方法の転換も余儀なくされ、子どもや保護者、事業所も振り回されている」と悲鳴や怒りの声も聞こえます。
そこで確認します。

⑱放課後等デイサービス事業所をどのように拡充していくのか、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
現在、令和6年度から3年間の各市町村のサービス見込量などを踏まえ、本県の障がい福祉サービスの提供体制等を定める「第7期宮崎県障がい福祉計画」の策定を進めております。
 この中で、放課後等デイサービスについては、支援ニーズの高まりから今後もますます利用者数が増加していくものと見込んでおり、引き続き、事業所の拡充が必要であると考えております。
 県としましては、今後も市町村と連携を図りながら、事業所の開設に必要な管理者等の養成など、人材の確保や質の向上への取組を進めることにより、
放課後等デイサービス事業所の充実・拡充に努めてまいります。

【山内】
疲弊した親子の「最後の砦」のような放デイの一つに、宮崎市の「寺子屋MOMO」があります。「MOMOがあったから私たち親子は救われた」という保護者もいました。運営者からは「子どもや保護者に寄り添う利用者ファーストの社会の実現を」という強い思いを伺いました。県には現場の実情を把握し、国への要望や県としての取り組みをご検討いただくよう、求めます。

④不登校等対策強化事業
スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー~予算倍増も人材確保の難しさ 。限られた中での効果的な取り組み

【山内】
続いて「不登校等対策強化事業」に関連して3問質問します。
一つ目は、要望が強いスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーへの予算をほぼ倍増するという事業です。
1年更新の会計年度任用職員という不安定な雇用な上、生計が立てられず兼職も多いため活動時間の確保が難しい、公認心理士や社会福祉士など有資格者の確保が難しいとの指摘もあり、予算は確保できても人材は確保できるのか、資質向上も課題です。
そこで確認します。
⑲スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーについて、今後の人材確保と資質向上に向けた取組について、教育長に伺います。

【教育長】
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーについては、その増員を、不登校対策の一環として今議会において、お願いしているところであります。
 人材確保については、これまでの臨床心理士会や社会福祉士会等の関係団体への協力依頼に加えて、本年度は、説明会を県内各地で実施し、教職経験者を含めた幅広い方々に対して、仕事内容や募集要項等について説明し、
新規の採用者の確保を図っています。
また、資質向上については、年2回の合同連絡協議会で、専門家による研修を実施したり、スーパーバイザーを配置して、個別の事案に対する専門的な指導や助言を受けられる機会を確保しております。
 今後も引き続き、これらの取組を充実させてまいります。

【山内】
2022年の不登校児童生徒2668人、暴力行為263件、いじめ認知件数8289件と課題は山積しています。課題共有や効率的な活動、ピアカウンセリングの場としてSC、SSW同士で横のつながりをつくることができないでしょうか。
名古屋市ではSCなどを常勤化しています。問題が起きたら即時対応、未然防止にも取り組めます。何より学校内ですらSC、SSWの役割が知られていない中で理解が深まったという利点が指摘されています。限られた人数の効果的な配置・役割・活動について研究を求めます。
 

⑤学びの多様化学校~福岡県は全国初の県立学校設置

【山内】
不登校の児童生徒のため、学習指導要領に縛られないカリキュラムが組める「学びの多様化学校(旧不登校特例校)」について延岡市、宮崎市が中学校を開設すると公表しました。
義務教育で自動的に卒業できる小中学校と違って、高校は単位修得できなければ留年。卒業できないという点を何とかクリアできないか、という要望が保護者や不登校支援団体からも上がっています。福岡県は全国で初めて、県立高校としての設置を決めました。本県は11月議会に「現在、設置する予定はない」と答弁していますが、あらためて確認します。

⑳県において、学びの多様化学校の設置に向け取り組む考えはないか、教育長に伺います。

【教育長】
不登校対策の一つとして、授業時間数を減らすなど、子どもの実態に応じた教育課程を編成できる「学びの多様化学校」の役割は、大変重要であると考えており、現在、2市(延岡市、宮崎市)が設置を発表しましたが、今後も、求めに応じて適切な情報を提供し、対応してまいります。
なお、県において「学びの多様化学校」の予定はありませんが、次年度、不登校支援の要として「県教育支援センター」の設置を予定しております。
特に、高校生については、ICTを活用した遠隔授業の送受信による、単位修得の研究等も行ってまいります。
今後も、不登校の児童生徒へ、確実に支援を届けられる体制の整備と居場所の確保に努めてまいります。

【山内】
このような形で高校生の単位修得を確立した施設はまだ全国にはなく、研究に取り組んでいただき感謝します。ただ、オンラインで修得できる単位には上限があり、それだけでは卒業できません。遠方の児童生徒の通学が大変という問題もありますので、引き続き、学びの多様化学校を含めて児童生徒の多様な学び、生きる力を支える研究をいただくよう求めます。

⑥フリースクールなど民間団体との連携~支援は全国で拡大、本県は?


【山内】
次に、今年度本格的な取り組みが始まった連携について確認します。
㉑フリースクールなど民間団体について、今後どのように連携を図っていくのですか、また、財政的支援を行う考えはないか、教育長に伺います。

【教育長】
今年度、フリースクールなどの民間団体及び市町村教育委員会を交えた連絡協議会を2回開催しております。
その中で、連携の在り方を協議したり、出席扱いについて、国の示す要件を基に相互に確認したところであります。
県教育委員会といたしましては次年度も引き続き、連絡協議会において、フリースクール等との意見交換などを行ってまいります。
また、今後は、フリースクール等の情報をホームページやリーフレットに掲載すること等をとおして広く県民に情報を提供してまいります。
今後とも、国の動向を注視しながらフリースクール等にどのような支援ができるのか研究してまいります。  

【山内】
連携には情報共有が不可欠です。県や市町村の不登校対策の取り組み、出席扱いの基準作成状況、連絡協議会の開催概要などの積極的な情報公開を求めます。フリースクールへの財政的支援は11月議会で紹介した福岡県以外にも徐々に拡大しています。ご英断を求めます。
 
これで教育・福祉についての質問を終わり、福祉・保健について7問お尋ねします。
 

5.福祉・保健

①産後ケア事業~全市町村実施済みだが、質のチェックも必要


【山内】
少子化対策、誰もが安心安全な子育て環境を整えるための「産後ケア事業」について伺います。
こども家庭庁の事業で今年度末までに全国での実施が目標と掲げられており、本県も既に全市町村で実施されていると聞いています。
ただ、その実態は各自治体に委ねられており、県としてつかめていません。
広島県では、県が主導して医師会や助産師会、産婦人科医、理学療法士や保育士、心理士など多職種で連携し、提供内容や実施率の把握、ケーススタディなどの情報共有や情報交換ができる場を設けています。県全体で質の向上を図ることが必要です。
そこで、
㉒産後ケア事業の質的な評価の必要性について、県の考えを福祉保健部長に
伺います。

【福祉保健部長】
出産後1年以内の母子に対して心身のケアや育児のサポートを行う産後ケア事業は、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う上で、大変重要な取組であります。
 産後ケア事業には、短期入所型、通所型、居宅訪問型の3つの実施方法があり、現在、県内全ての市町村においていずれかひとつ以上の方法により事業が実施されています。
 県では、現在、各市町村の実施状況の共有等を行っているところですが、
 今後、産後ケア事業を更に効果的に実施していくためには、質的な評価も重要となりますことから、実施主体であります市町村や関係機関とも連携し、
評価の実施方法等について検討してまいります。
 
【山内】
評価方法を検討いただけるとのこと、ありがとうございます。幅広い職種が関わる事業ですので、情報交換ができる場づくりもご検討ください。


②産後ケア事業~県内市町村格差をなくす 


【山内】
産後ケア事業の実施主体は市町村ですが、医療機関や助産院がない中で実施できない市町村もあります。
来所した利用者にサービスする「通所型」の実施は22市町村、利用者の自宅に行く「居宅訪問型」の実施は21市町村、また、病院や助産所に宿泊して休む「短期入所型」は14市町村実施ですが、残り12市町村ではサービスを受けることができません。
そこで伺います。
㉓産後ケア事業における市町村に対する県の支援を、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
県内全ての市町村で様々なニーズに応じた産後ケア事業の充実を図るためには、人材の育成や、支援を必要とする方が希望するサービスを利用できるための体制が必要です。
このため、県では、市町村の保健師などを対象として、専門的な知識を身につけるための研修や、市町村及び医師会等と実施状況や課題などを情報共有するための意見交換を行っております。
 また、市町村によっては、委託先となる医療機関等がないとの声もありますことから、医師会や助産師会等の関係機関と連携し、広域での実施に向けた支援に取り組んでまいります。

【山内】
市町村域を超えてサービスを受けられないか検討いただけるとのこと。日本一産み育てやすい宮崎づくりのためにも、ぜひ実現させてください。

③医療的ケア児の受け皿へ県が独自支援~要望が実を結ぶ

 【山内】
次に、医療的ケア児等短期入所拡大促進事業について、22日の山下議員から事業所や家族会による要望、厳しい運営のお話をいただきましたので割愛しますが、医療型と福祉型を対象とするのは九州初で、皆さん大変喜ばれております。私からも感謝申し上げます。
この事業は短期入所施設数を増やすことを成果指標に掲げていますが、
㉔「医療的ケア児等短期入所拡大促進事業」を活用し、短期入所施設をどのように拡充していくのか、福祉保健部長に伺います。
 
 【福祉保健部長】
県では、医療的ケア児等を受け入れる短期入所施設の受入拡大のため、受け入れ実績に応じて事業者へ助成する新規事業「医療的ケア児等短期入所拡大促進事業」を今議会において提案しております。
 また、これまで医療的ケア児支援センターにおいて短期入所施設の利用に係る相談に対応するとともに、事業者への施設・設備の整備に対する補助や
医療的ケアに対応できる人材の育成なども行っております。
これらの事業を今回の新規事業と一体となって取り組んでいくことにより、
本県における短期入所施設の拡大促進が図られ、医療的ケア児等の受入体制の充実に繋がるものと考えております。

【山内】
人材育成については、医療的ケア児の命を24時間預かり、移動や入浴、着替え、吸引などを身に着けるには、最低2週間程度の実地研修が必要と支援団体が提案しています。また、情報不足で「支援が必要な医療的ケア児・家庭と事業所がつながることが難しい」との声も聞いていますので、県の医療的ケア児支援センターを核とした実態調査の実施やケース会議での情報共有、当事者と支援者、事業所をつなぐ体制づくりに向けた取り組みも要望したいと思います。

④4月施行の女性支援新法に向けて

【山内】
つぎは、4月に施行される女性支援新法について伺います。
女性が安心して自立への道を歩めるよう、就労や住宅の確保など一人ひとりの必要に応じて支援するための法律です。本県の女性相談所は女性相談支援センターと名称も役割も大きく変わる節目です。
そこで、
㉕困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行にあたり、本県の課題とその対応を、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
困難女性支援法では、女性支援を行う民間団体等との協働による切れ目のない支援の実施が、基本理念として掲げられており、その実現に向けた支援者間の連携体制の構築が今後の課題と認識しております。
このため、民間団体同士の横のつながりや役割分担による支援などを議論するための意見交換会を、今年1月に初めて実施するなど、法律上の支援調整会議設置の準備を進めています。
 また今年度から、多様な一時保護先を確保するため民間シェルターの環境整備を支援しており、令和10年度末までに、一時保護委託先を、現在の倍の10箇所とする目標を設定しました。
 今後も、女性相談支援センターを中心に、民間団体とより緊密な連携体制を構築し、女性支援に取り組んでまいります。

【山内】
女性支援新法では民間との「連携」よりさらに一歩踏み込んだ関係性を示す「協働」という言葉が使われています。
1月の意見交換会は非常に好評と聞いていますので、ぜひ続けていただきたい。
受け入れる女性に必要な支援に応じて、県が持つ一時保護所と、民間団体が持つシェルターで役割分担を行うとのことで、今後の協働に期待しています。また、先日NHKで報道されましたが、役割が増えたのですから、沖縄県のように人員体制の増員、処遇の改善が必要です。
今朝の朝刊でも、自治体職員の非正規職員が6.9㌽増えたとの報道もあり、いまや5人に1人の時代です。県民生活を支えるために、それを支える職員の体制も強化してください。

⑤コロナワクチン接種後遺症~医療とつながることの難しさ 

【山内】
続いて、コロナワクチン接種後遺症について2問伺います。
県内在住の方からコロナワクチン接種後、体調が悪い日が2年経った今も続き、新型コロナワクチン接種後遺症と診断されたと相談を受けました。

そこで、
㉖本県の新型コロナワクチン接種に係る国の健康被害救済制度への申請及び認定状況について福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
令和6年2月19日現在、累計で81件の申請が行われており、このうち認定が38件、否認が7件、審査中が36件であります。
 
【山内】
私に相談してくださった方は、接種した医療機関に受診しても「異常なし」、2件目で血液検査などしても異常はなく、その後ようやく診断書をもらえたとのこと。「たらいまわしや気のせいと言われ、診断してくれる医療機関はなかなかない。申請の書類準備も大変で、認定もとても時間がかかっている」と非常にご苦労されています。
そこで確認します。
㉗健康被害に悩まれている方々へのフォローが重要であると考えるが、県の取組状況について、福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
県では、新型コロナワクチン接種後の健康被害に悩まれている方への相談窓口を設置しているところです。
相談窓口では、看護師等の専門職が内容をお聞きした上で、必要に応じて、かかりつけや接種した医療機関を受診するよう案内しております。
これらの身近な医療機関での対応が困難な場合には、総合的な診療が可能な医療機関へ紹介を行うなどの診療体制を構築しております。
今後も、ワクチン接種後の健康被害で悩まれている方が、円滑に受診できるよう、また、国の健康被害救済制度を通じて、必要な医療費等の給付を受けられるよう市町村と連携しながら、引き続き、診療体制の確保や救済制度の周知を行ってまいります。

【山内】
昨年度、県はコロナ後遺症の実態調査を実施しました。ワクチン後遺症についても実態調査を行い、必要な診断・治療ができる医療機関へ確実につながる仕組みづくりを求めます。

⑥高次脳機能障がい実態調査~結果は次年度へ。家族に寄り添う県政へ

【山内】
続いて、1年前の2月議会でも取り上げましたが、本年度、初めて県が行った
㉘高次脳機能障がい実態把握調査について、進捗状況及び今後の取組を福祉保健部長に伺います。

【福祉保健部長】
県では、昨年9月から11月にかけて、県内の医療機関や、障害福祉サービス事業所、相談支援事業所、当事者の方々などを対象に調査を実施し、
今月14日に、宮崎大学医学部や、理学療法士会、作業療法士会などから、各分野の専門家にお集まりいただき、調査結果に関する検討会を開催しました。
 現在、検討会でいただいた御意見等を踏まえ、報告書の取りまとめを進めており、次年度の「高次脳機能障がい支援連絡会議」において、その内容を報告することとしております。
 今回の調査により、当事者のニーズを把握するとともに、支援機関の連携に関する課題を明らかにすることで、地域支援ネットワークの構築に向けた検討を進めてまいります。

【山内】
検討会議の資料の提示を求めましたが、集計に精査が必要としてもらえない。回答数すら、ご回答いただけませんでした。
当初の予定では年度内にはまとまると聞いていました。
今日も家族会の方が傍聴されています。高次脳機能障がいのご本人、ご家族の困っていること、求めていることどれだけ寄り添えていますか。
どのような思いで結果や取り組みを待ち望んでいるか、知事にしっかりと受け止めていただきたいと思います。

6.環境


 ①平和台公園のこれから~専門家、地元自治会も交えて検討へ

【山内】
続いて、環境の観点から3問うかがいます。

県立平和台公園。樹木が美しい半面。平和の塔からは市街地を見ることができません


私が住む大宮地区の県立平和台公園は緑豊かで展望も良く、観光客や県民に親しまれています。一方、樹木も成長して「展望を良くするために伐採できないだろうか」などのご意見をあり、レストハウスの老朽化も目立ちます。
そこで伺います。
㉙県立平和台公園の整備方針について、県土整備部長に伺います。

【県土整備部長】
県立平和台公園は、昭和32年に開園し、観光地として、また、レクリエーション施設や自然とふれあうための施設もあることから、広く、県民の憩いの場として親しまれているところであります。
 一方、開園から70年近くが経過し、レストハウスや、はにわ館等の老朽化のほか、樹木による展望の阻害が課題となっております。
 このため、現在、建物の健全度調査や来園者へのアンケートを実施しており、今後、検討会を設置し、有識者や地元自治会など様々な立場から建物の整備や樹木管理のあり方について意見を伺うこととしております。
 県としましては、多くの方が訪れ、これまで以上に、親しまれる公園となるよう計画的な施設整備や適切な管理に取り組んでまいります。

【山内】
地元住民や専門家を交えて今後のあり方を協議する場をつくっていただくとのこと、今後の公園整備に期待しています。
 

②全国初の沿道美化修景条例が生まれた宮崎~本県で生まれた花や種苗家をもっと活かす


【山内】
緑や花に囲まれた美しい景観が保たれているのは、宮崎交通の岩切章太郎翁の取り組み、続いて本県が全国で初めて制定した沿道修景美化条例が背景にあると伺いました。
近年では、ラナンキュラスやビオラなど宮崎で生まれた花や種苗家が全国の花の愛好家に愛されており、国内外から観光客を呼び込む宝にもなると思います。国スポでも全国から来県する参加者に売り込むチャンスです。
そこで確認します。
㉚これまで沿道修景美化条例に基づき、道路環境の保全に努めてきていますが、令和9年に開催される国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けての取組について県土整備部長に伺います。

【県土整備部長】
 県では、道路は風景であり、情景を創る生活空間であるという沿道修景美化条例の理念に基づき、花と緑にあふれた道路環境の創出や保全に努めてきたところであります。
 特に、国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けましては、空港や駅、競技会場周辺、沿道修景植栽地区を中心として、魅力的な沿道環境の整備に取り組むこととしており、現在、県道宮崎空港線での県民との協働による花植えや熊本方面からの九州中央自動車道につながる国道218号での大会を彩る樹木の植替えなどを計画的に進めているところです。
 県としましては、引き続き、美しい宮崎づくりの取組と連携しながら、おもてなしの心で多くの方をお迎えしたいと考えております。

【山内】
引き続き、お願いいたします。

③宅配ボックス設置補助を求める~2024年物流問題


【山内】
2024年物流問題を前に、私たち県民連合立憲は、市議とも連携して勉強会を開催しました。労働時間の上限規制などにより、本県では2025年末に輸送能力が32%不足するという深刻な試算もある中、県内の物流、宅配を担う業界の労働組合トップにもお越しいただき、本県の再配達率は約12%で、「数%下がるだけでも、労力的にもCO2削減にも大きな効果が期待できる」という、厳しい現状をご報告いただきました。

県内の物流、宅配を支える労働組合トップの意見も伺った宅配ボックス勉強会

【山内】
再配達で消費される労働力は約1.8億時間。再配達のトラックから排出されるCO2は約42万トンという国の試算もあります。
そのような中、2024年問題対策、環境対策のために、1回で受け取りが可能になる宅配ボックスの設置を補助する動きが国やほかの自治体で始まっています。隣の大分県でも実施されていますが、宮崎県、県内市町村には現時点で補助事業はありません。
宮崎県第4次環境基本計画にも「宅配物1回受け取りの推進」が明記されていますが、
㉛再配達に伴うCO2排出削減に向けて、補助事業などにより宅配ボックスの設置を推進する考えはないか、環境森林部長に伺います。
 
【環境森林部長】
ネットショッピングの利用拡大、単身や共働き世帯の増加に伴って再配達が増えることで、CO2排出量が増加することになります。
このため、県では、テレビCMやパンフレットを通じて、県民に対し、宅配ボックスの活用や、配達日時の指定などによる再配達の防止について、
普及啓発を行っているところです。
また、運送事業者の配送におけるCO2排出削減策として、電気自動車の導入経費を補助する補正予算を今議会に提案しております。
 引き続き、議員からご紹介のありました他の自治体の宅配ボックス設置に係る支援の事例も参考にしながら、関係部局と連携して、再配達に伴うCO2排出削減策を検討してまいります。

【山内】
各課で連携して前向きなご検討をお願いいたします。

6.図書館~専門家を交えた中長期的検討を


 【山内】
次に、9月議会から質問させていただいている図書館に関連して3問伺います。
今日の宮日でも報道された電子図書館サービス拡充事業の事業設計にあたり、県立図書館として初めて市町村立図書館の電子書籍や収蔵率の実態調査を行ったと伺いました。
そこで、
㉜市町村立図書館における電子書籍の導入や図書収蔵率の状況について教育長に伺います。

【教育長】
県立図書館が、新たに電子書籍を導入するにあたり、令和5年12月から令和6年1月にかけて実施しましたアンケートによりますと、電子書籍は、現在、2つの市(宮崎市、延岡市)において導入されており、その他の市町村においては、検討中、または、未検討という状況でありました。
併せて、図書の収蔵状況についても調査したところ、多くの図書館において、高い収蔵率にあるとの回答を得ております。

【山内】
続けて、
㉝市町村立図書館における電子書籍の導入や図書収蔵率の状況を踏まえた取組について教育長に伺います。

【教育長】
電子書籍につきましては、今議会で県立図書館への導入をお願いしており、
県が導入することにより、居住地の市町村にかかわらず、すべての県民の方に利用していただくことが可能となります。
現在、各市町村立図書館の状況やニーズをもとに導入する電子書籍の内容等について分析を行い、県民が利用しやすい電子図書館サービスの在り方について研究しているところです。
また、各市町村立図書館の図書収蔵率の詳細につきましては、さらに聞き取りを進めてまいります。

【山内】
答弁では、具体的な数字、現状、今後の取組が見えず、残念です。
今後、別途、本格的な全県調査を行うと伺っています。その際は図書館の利用者である県民にも明快に現状や課題が分かるような説明、データ、情報公開が必要であり、強く求めます。

【山内】
引き続き、伺います。
㉞県立図書館の整備について、中・長期的な視点での今後の取組を教育長に伺います。

【教育長】
県立図書館は、県民の皆様にとって大切な学びの場であり、子どもから大人まで生涯にわたって読書に親しむ重要な施設であると考えております。
 教育委員会といたしましては、導入する電子書籍や図書の収蔵について、
他県の情報を収集するとともに、関係団体や有識者などを交えた協議会を設け、中・長期的な方向性についての研究を進めてまいります。
また、市町村立図書館のほか、大学図書館等を含め、全県的な図書館の役割分担を踏まえた新しいネットワークを構築し、県民に愛され、親しまれる図書館づくりを目指してまいります。

【山内】
有識者を交えた協議会を設けて研究いただけると、前向きな答弁をいただきました。
「知の拠点」であり、憩いの場でもある図書館が今後どうなるかは県民の関心も高いテーマです。協議の内容を積極的に公開し、県民が「私たちの図書館」と当事者意識が持てるような協議の形を模索いただくよう求めたいと思います。
 


7.ハラスメント

つらい思いをした、その後の対応にも苦しみ続けた。
それでも「二度と自分と同じような思いをしてほしくない」と今も行動を続ける女性がいます。今回の質問で、県教育委員会が懲戒基準について昨年夏の刑法改正(特に性犯罪)を受けて見直している、ということを確認しました。女性の歩みを止めない行動に心から敬意を表するとともに、あらゆるハラスメントをゆるさない、万が一起きても被害者が救われる社会に向けて、私もともに歩み続けたいと思います。

【山内】
最後に、ハラスメントに関連して2問伺います。
昨年7月、刑法が改正されました。
「魂の殺人」と言われる性犯罪について被害者などから実態に合っていないという声が高まり、同意がない性加害が犯罪になりうるとして「不同意性交罪」「不同意わいせつ罪」が新設されました。
本県の教職員の懲戒処分の基準では、教職員が性的言動を行った場合、児童生徒が相手の場合は児童生徒の同意の有無に関係なく、最も重い「免職」です。
しかし、児童生徒以外の例えば教職員間の場合、「相手の意に反することを認識の上で」行った場合という条件づけがなされており、今回の法改正の趣旨に沿った内容であるか、疑問が残ります。そこで、確認します。

㉟教員間のセクシュアル・ハラスメント事案について、関係法令等の改正を踏まえた県教育委員会の対応について、教育長に伺います。

【教育長】
セクシュアル・ハラスメントの防止につきましては、 コンプライアンス推進上の重要課題の1つと認識しており、定期的な自己点検や研修等を実施してまいりました。
また、児童生徒への対策として、関係法令を踏まえた啓発資料を作成し、研修で活用するなど、教職員の意識をさらに高めているところであります。
教職員間のセクシュアル・ハラスメントにつきましては、相談窓口の周知など、組織として対応する体制づくりに努めてきました。
現在、令和5年7月の刑法の一部改正を受け、 セクシュアル・ハラスメントに係る懲戒処分の基準について、見直しに向けた検討を進めているところであります。
今後も関係法令等の動向を踏まえながら、適切かつ厳正に対応してまいります。

【山内】
知事部局をはじめ県庁組織内でも法改正や時代情勢に応じた、柔軟な改正を求めたいと思います。
私がこの質問をしたのは、県内の学校に非常勤講師として務めていた女性との出会いです。メッセージを預かったので、読みます。
2016年に被害に遭い、この3月で8年、教育委員会からの二次被害を受けるようになり、 7年が経ちます。本当に苦しく長い時間です。
たくさんの子どもたちの成長に携われることの喜びと感謝をもって、誠心誠意働くことができた小学校での教員生活は私の誇りでした。私が受けた性被害と教育委員会の対応は本当に「教育に携わる人たち」が行うことなのだろうかと、信じられない気持ちと虚しさで胸が押しつぶされ、私だけでなく、家族までをも苦しめていることが、今でもとても辛く、悔しく、絶対に許せません。忘れることもできず、終わったことにもできません。
当事者として真実が知りたいという思いをかわされ続け、問題が何ら解決されないまま時間が過ぎています。学校の仕事も失い、ひどい挫折感に打ちのめされ、生活が、心が壊れました。
私の日常は「教育に携わる人たち」によってあっという間に狂わされ、将来に対する希望どころか当たり前の毎日を失いました。
この7年間、
①被害を申告した時
②市教委、県教委の聞き取り時
③開示請求について問い合わせた時
④開示請求をし、黒塗りの報告書が届いた時
⑤代理人を通して文書訓告について問い合わせ、回答を得た時
⑥労災を申請した時
⑦係争中、教育委員会側の主張を読み、最終的に合意も和解もしない姿勢をとった時
何度も心を踏みにじられ、非常勤講師だった私はねじ伏せるには何でもない、なかったものにできるとされているようにしか思えませんでした。
今でも「職場における性暴力に対する認識」が変わる可能性を信じたい気もちと、教育機関として、自浄作用のある組織になってほしいという望みを捨てきれないでいます。
そこで、改めて、お願いしたいことがあります。
相談者や聞き取りの対象となる人が管理・監督者であるか否か、正規雇用者であるか否かを問わず、誰もが加害者又は被害者になり得ることを前提に、実質的かつ実効性のある方法を実践し、全ての職員の心身の健康が守られる職場環境の実現に努めていただきたい。
そのためにも、相談者に対応する担当者には、公正・中立な配慮、事実調査や手続き説明の際、心情やプライバシーに適切に配慮いただくよう、お願いいたします。
身近に起こりうる性暴力について、知事、部局長、教育長など強い立場にいる方々から自分事、自分の家族の身に起こることとして考え、被害者が職場を追われることがなくなるよう、性暴
力を許さない、被害者も加害者も生まない社会になることを心から願います。
以上が、女性からのメッセージです。
そこで、知事に伺います。
㊱職場におけるハラスメントへの対応と防止について、県民に向けた知事のメッセージをお願いします。

知事
メッセージを重く受け止めたいと思います。
職場におけるパワハラ、セクハラ等のハラスメントは、職場での優越的な関係などを背景に、個人の人格や人間らしく生きる権利を傷つけ、共に働く方々の意欲も著しく損なう、許されない行為であります。
このため、県といたしましては、今議会に上程しております宮崎県人権施策基本方針(案)において、「働く人」に関する項目を新たに盛り込み、官民が連携して、啓発・研修や相談・支援体制の充実等を進めることとしております。
ハラスメントが疑われる事象が発生した場合には、県も組織内の事案にはしっかりと対応してまいりますが、各事業者におかれましても、当事者に寄り添い、事案に応じて責任ある対応をしていただき、安心して、やりがいを持って働くことのできる職場づくりに取り組んでいただきたいと考えております。
また、県民の皆様も、差別や偏見をなくし、多様性を認め合うなど人権が尊重され、ハラスメントのない社会づくりに協力していただきたいと考えております。

【山内】
セクシャルハラスメント、マタニティーハラスメント、パワーハラスメント。
あらゆるハラスメントに今も苦しんでいる皆さんに思いをはせて、私からの代表質問を終わります。ありがとうございました。

8.おわりに~女性からのメッセージ

質問後、直接やメッセンジャーでも「最後のメッセージに胸が締め付けられた」「応援したい」という温かい言葉を多くの方からいただきました。そのことを女性にお伝えしました。女性から皆さんへのメッセージをお願いして、書いていただきました。温かい言葉をくださった皆さん、ありがとうございます。私からも感謝いたします。

~女性から皆さんへのメッセージ~

今回、山内議員を通して皆様の温かいメッセージを受け取ることができ、寄り添っていただいていることを感じ、とてもうれしく思います。本当にありがとうございます。

私は教育に携わる中で、たくさんの素晴らしい出会いや経験がありました。そして、自分が生きがいを感じて、一生懸命に子どもたちと向き合ってきた学校生活の中で、子どもたちへの思い、未来への希望を強く感じていきました。

子どもたちが正しい性教育を受けるには、教職員が正しい性教育の知識を身に着けることが必要不可欠です。

例えば、「口や、水着で隠れるプライベートゾーンは自分だけの大切な場所で、他の人が自分の同意もなく見たり、触ったりしてはいけない」ということや、「性的な行為や発言を積極的に望むお互いの意思を確認する」という性的同意など、正しい認識をもって子どもたちの教育に携わってほしい。自分より目上の人から性的なことをされたり、言われたりした場合でも、止めてくださいと強く拒否していいと伝えたい。

私と同じような経験を、絶対に子どもたちにはさせたくありません。

私の起こした裁判は解決とはいえない終わり方をしてしまいましたが「性暴力と教育委員会の対応について声を上げること」が、教壇を離れた私が子どもたちのためにできる最後のことかもしれない。「起こした裁判を意味のあるものにしたい」という思いが強くなりました。

私が被害を打ち明けてから

「あなたは悪くない」

「話せそうだったら話を聞くよ」

「いつでも連絡していいから」

「きつかったら止めてもいい」

「何かできることがあったら教えて」

「あなたの話を信じている」

「できる限り、全力でサポートします」

と寄り添ってくれる人たちがいて、心の傷をかばってくれました。

その温かさに私はどれほど救われてきたでしょうか。

と同時に「ついていったんでしょ」「隙があるから」「その気があったのでは」「相手はハメられたと言っていた」など、これまでに受けた中傷で今でも傷つくことがあります。

その度に気持ちが引き戻され、時間が経っても癒えない辛さを思い知ります。

身近に起こりうる性暴力について、誰もが自分事として考え、被害者が職場を追われることがなくなるよう、性暴力を許さない、被害者も加害者も生まない社会になることを心から願う人たちと共に、私の経験を分かち合い、今できることを一緒に考えていけたらと思います。

教育に携わる幸せを教えてくれた子どもたちや先生、寄り添ってくださる皆さまへ

心からの感謝をこめて

写真は女性が撮影したものです


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