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6年間チャリ通学したら色々ありすぎたッ!!

《ごく小規模の交通事故の描写を含みます。苦手な方はご注意ください》

 田舎での自転車通学は楽しい。中高生のころは、台風がきた日も片道30分の道のりを爆走していた。カッパを着たまま立ち乗りで坂を上がったときの高揚感たるやハンパない。「向かい風に立ち向かう俺強い! カッコいい!」――大人になった今なら言える。素直に電車で行け。可能ならパッパに送ってもらえ。いのちだいじに。

 まぁ、こんな風にキマってなくても、季節の移り変わりを感じられるし、毎日体を動かすから健康維持にも役立つ。
 この記事では私が体験した自転車通学での濃ゆいエピソードを3つ紹介する。



1・横並びで道を塞いでくるヤンキーズ

 「今どきヤンキーなんていねーだろwww?」とか馬鹿にしているそこのあなた、都会に住んでますね?
 ヤンキーは田舎でまだ生き残っています。暴走族もいます。連休前の0時前によくエンジン音響かせてます(うるせぇからやめてほしいマヂで)

 私は偏差値は底辺だが、治安だけはいい中高一貫校に通っていました。登校ルートは2つあって、「車通り多くて大回りする道(=一般的な通学路)」か「自転車が通ることすら稀だけど、実はめっちゃショートカットできる道(=抜け道)」のどちらかを選ぶ。

 まぁ、普通は後者がいいと思うんよ。自動車一台がぎり通れるくらいの幅しかないけど舗装されてるし、脇には民家もあるから何かあったら駆け込める。

 でも、朝は半々くらいの割合で怖い思いをする羽目になった。

 私の自宅近くに、地元のヤンキーが集うと評判の高校がある。そして、私が通っていた学校の周りにもその生徒がまあまあ住んでいた。
 プラス、中学・高校の始業時間は、同じ地域で大きな差はない。

 結果、私と横並びになって道を塞ぐヤンキーたちは頻繁にすれ違うこととなったのだ。

 制服を着崩し、髪も金髪にした怖いお兄さん(+お姉さん)が隙間なく並んで向かってくるのは半端なく怖い。基本は直進すると避けてくれるんだが、

お姉さん「これさー、動かなかったらどうなんだろww?」
お兄さん「試してみっかwwwww?」

 みたいな感じで通せんぼされた時が修羅場だった。
 なお、脇の田んぼに乗り上げて無事通過。遅刻せず登校できました。

お兄さん「マジ?! つぇえwwww」

 って言ってるの聞こえたけど、普通にこっちは命の危機感じたわ。草生やしてんじゃねぇぞコラァ!!

2・キジの番が空き地でひなを育ててほっこり

 登校途中によくキジを見かけた。狩猟用に放してるらしくて、ほとんどはきれいなオスだった。

 野良猫に忍び寄られて、襲われる寸前で気づいて飛んで逃げるのもオス(※短距離なら低空飛行できる模様)。
 うちの学校の校舎ができあがった時、壁に突進して首の骨を折るアグレッシブ自殺を決めたのもオス(※校長室に剥製があった)。

 なお、一回だけ雛を連れているペアに遭遇したことがある。メスは茶色で、長い尾羽もなかったなかった気がする。地味すぎて「茶色い」以外の記憶がおぼろげになっているけど、すごく尊かった。

3・神すぎるジェントルマンと邂逅


 地元に財力がないからか、通学路にちょいちょい危ないところがあった。
 中でも怖いのが、車通りがめっちゃ多い下り坂。途中から歩道がなくなる。しかも、車道に合流するポイントの側溝に蓋がない。

 つまり、「側溝に落ちるのを防ぐために急激に車道側に寄る→段差に車輪を取られてバランスが崩れがちだった」わけだ。

 一回それで走ってるトラックに倒れ込みそうになって、とっさに手を出して頭をかばった。荷台に接触した手の甲が裂けた。べらぼうに痛てぇ。しかも、ドライバーさんは気づかなかったみたいで消えちゃったなりよ……。
 その後、しばらくは別の道で帰った。街灯はおろか、舗装もされてない土手の道。突風が吹くと脇の竹藪に滑り落ちそうになってスリル満点だった。竹藪の中でガサガサ動く野犬がいた時は死ぬほどビビったよ。

 土手も上の有様だったので、夜や強風の時はまた側溝の道を通るようになった。
 でも、先の接触事故からしばらく経ったころ、今度は例のポイントで停車中の車を擦ってしまった。

 こちらは無傷。しかし、相手方がいかにも高級そうな黒い車で、私は顔面蒼白になった。
 助手席の窓が開いた――中年の男性で、貫禄のある笑顔を浮かべている。

「大丈夫。別に傷もついてないでしょ? 気にしないで。……あー、ここ危ないね。蓋がついてないんだ」

 恐縮する私を落ち着かせ、その人は行ってしまった。連絡先も名前も聞かれず、めちゃくちゃ安心したのを覚えてる。

 で、後日またそこ通ったら、側溝に蓋がついてた。
 上から被せるんじゃなくて、真新しいブロック式のがピッタリはまってた。ちゃんと発注しないとダメそうなやつが……。

 15年以上経ったけど、今でもあの男性の正体が気になってしかたがない。

 

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