見出し画像

顧客体験の実現には「3C(清潔感、コミュニケーション、居心地)」が重要です

顧客体験を実現するための3C

顧客体験のタッチポイントは3C

顧客体験の実現には、①清潔感(Cleanliness)、②コミュニケーション(Communication)、③居心地(Comfortableness)の3つが重要な要素と考えています。OFFICE Pは、英語の頭文字を取って「顧客体験を実現するための3C」と表現しています。この3Cは、企業と顧客が関わる接点を見定めるタッチポイント(顧客接点)となって、店舗の状況を把握し、顧客体験の改善と成長に役立ちます。

清潔感、コミュニケーション、居心地の徹底が肝心

店の印象は、装飾やSNSなどの視覚情報だけでなく、入店前後の「感覚」が「感情」となってブランドやサービスの印象を左右します。感覚は表現しづらい概念ですが、感情は好き嫌いなどで表現できます。そのため、3Cは入店前後の感覚と感情を、良い状態に整えるためのフレームワークになります。

1.清潔感(Cleanliness)

清潔感の欠如は、顧客にとって不快な印象を与えるだけでなく、ブランドに対する信頼性や品質の欠如を連想さ、致命的なダメージを与えます。例えば、飲食店やホテルなどの場合、顧客に不快感だけでなく、衛生上の問題や感染症のリスクを引き起こす可能性もあります。特に顧客が頻繁に利用するトイレや洗面所の清潔さが欠けていると、顧客はその店舗や企業の品質や管理水準に不安を抱きます。

企業は清潔感を最優先事項とし、従業員に清掃や衛生管理の教育と実行が求められます。清潔な環境を提供することは、顧客の健康と安心を守るだけでなく、企業の信頼性と評判を高める重要な要素です。

2.コミュニケーション(Communication)

従業員の挨拶や笑顔は、顧客に対する歓迎を表す大切な姿勢です。来店時に丁寧な挨拶や笑顔を受けると、顧客は店舗に対して安心感を覚え、好意的な印象を持つことができます。このようなノンバーバルコミュニケーションは、顧客が店やブランドに抱く印象やロイヤルティの形成に大きな影響を与えてきます。

さらに、顧客が何か問題やニーズを抱えた場合に、従業員が適切な対応ができることは、信頼関係を築く上で極めて重要です。顧客は従業員に対して、問題やニーズの対応と解決を期待しています。従業員が顧客のニーズを理解して適切な解決策を実行できれば、顧客は従業員に信頼を寄せることができます。つまり、顧客に対する相互理解や問題解決に努める姿勢は、信頼関係の構築に欠かせない要素です。

3.居心地(Comfortableness)

居心地は、顧客が感覚的に判断する要素です。顧客は店舗やサービスを利用する際に、自身の(五感を含む)直感や感覚に基づいて居心地の良さを感じます。これは客観的な要素ではなく、個人の主観的な感じ方によって異なる場合があります。清潔感やコミュニケーションが整った環境では、顧客は快適さや安心感を感じ、居心地の良さが実感しやすくなります。逆に、清潔感やコミュニケーションが乏しい環境では、顧客は不満や不安を感じ、居心地を感じることはありません。

このように、顧客がストレスを感じることなくリラックスできる状態をつくり出すことで、顧客満足度やロイヤルティを高めることにつなげることができます。

3Cの身近な例

例えば、清掃のプロセスや頻度の見直し、従業員の接客スキルの向上、電話やメールの対応の改善などは、居心地の良い空間づくりにつながる取り組みです。

3Cをマズローの欲求5段階説でイメージ

古典的な理論ですが、3C(清潔感、コミュニケーション、居心地)をマズローの欲求5段階説に当てはめると、以下のようなイメージが浮かびます。

清潔感は生理的欲求と安全欲求に関連します。顧客は清潔な環境で食事やサービスを受けることで、安全や衛生に対する不安を払拭することができます。そのため、衛生管理や清掃の徹底は最優先事項です。

コミュニケーションは社会的欲求と承認欲求に関連します。顧客は従業員の接客や対応などのコミュニケーションを通じて、店やブランドとのつながりを感じることができ、顧客は再来店の動機が喚起されます。

そして、居心地は自己実現の欲求に近い要素です。顧客がリラックスしてストレスを感じずに過ごせる理想的な状態といえます。快適な空間やサービスは顧客ロイヤルティの向上につながります。しかし、ここで清潔感やコミュニケーションで期待を裏切ることがあった場合、顧客のロイヤルティを失う結果になります。

以上のように、3Cをマズローの欲求5段階説の視点から考えてみると、それぞれの要素が顧客の欲求やニーズをどのように満たしているかをイメージすることができます。

スターバックスコーヒーのサードプレイスと3C


スターバックスコーヒーのサードプレイスのコンセプトを3Cで考えてみます。サードプレイスは、顧客にとって自宅や職場とは違う「第3の場所(サードプレイス)」という概念です。

店舗内の清潔さは、顧客が安心して気持ちよく過ごせるための最重要事項です。スターバックスは営業時間中に定期的な清掃をおこなって、衛生管理に細心の注意を払っています。清潔感がある環境は顧客に安心感と信頼感を与えます。

従業員は、顧客とのコミュニケーションを心掛けています。笑顔や丁寧な接客態度などを通じて顧客と関係性を築くことで、顧客は従業員やブランドに対する信頼感や愛着が生まれます。このような関係性は、顧客が再来店の動機となる重要な顧客体験です。

スターバックスは、積極的に場所とパートナー(人材)に注意を向けることで顧客に居心地を提供し、サードプレイスのコンセプトを実現しています。

3Cの実現にはコンセプトの理解と実践が必要

居心地の感じ方は個人の好みや感性などの主観によって異なるため、一概に定義することは難しいです。しかし、このような居心地の概念が存在するからこそ、ブランドやサービスのコンセプトを明確にし、顧客との共感を得ることが重要です。顧客がブランドのコンセプトに共感し、自分の好みや価値観と一致する場合は、そのブランドやサービスが顧客にとって居心地の良いものとなるでしょう。そのためには、従業員がコンセプトを共感し、実践することが欠かせません。

そのためには、従業員がコンセプトを共感し、実践することが不可欠です。従業員がコンセプトを理解し、接客でそれを体現することで顧客にブランドの価値観や世界観を示すことができ、顧客体験の実現につながっていきます。つまり、顧客がコンセプトに共感し、そのブランドやサービスを選ぶ理由となるような体感できることが、居心地の良さを実現する鍵となります。

「コンセプトと人材育成開発に特化した覆面調査」で3Cの効果測定

従業員が自社のコンセプトを理解し、実際に接客で行動や会話に反映させることは、顧客体験において非常に重要です。OFFICE Pの「コンセプトと人材育成開発に特化した覆面調査」は、顧客体験の実現に必要な3C(清潔感、コミュニケーション、居心地)をコンセプトと人材の専門知識を用いて効果測定をおこなうものです。コンセプトは企業の独自性やブランドの特徴を表現する概念で、顧客に対して価値観や世界観を伝える役割を果たします。従業員が自社のコンセプトを理解して顧客接点で接客に反映することは、顧客体験を向上させるために欠かせない要素です。

OFFICE Pの覆面調査は、3C(清潔感、コミュニケーション、居心地)を従業員の接客態度やコミュニケーション能力、店舗内の清潔さなど、顧客の期待に沿った体験を提供の有無などを客観的に評価します。また、この調査は、コンセプトの浸透と人材育成の面でも効果を発揮します。従業員が企業のコンセプトを理解し、実際に実践できているか把握することで、必要な教育やトレーニング、または研修の効果測定(ROI)を特定することができます。この取り組みを通じて、従業員の意識の統一やスキルの向上を図り、顧客体験の向上につなげることができます。

参考記事:コンセプトと人材育成開発に特化した覆面調査(臨店調査)でブランドの価値観や世界観を実現

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?